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NHK教育テレビの番組

BPDの方は、そううつ病(双極性障害)を併発していたり、本当は躁鬱病だったということもあります。買物依存が止まらいないとか、大リーグに挑戦し出すとか、激情して家の物を破損したりします。

今度、10月3日(月)、4日(火)正午~12時29分NHK教育テレビの「ハートでつなごう」の再放送で双極性障害(そううつ病)の当事者の話があります。

私はすでに見ましたが、買物依存がとまらないとか、一発逆転を狙うとか、激情型のBPD(そう状態の時に似ている)等家族会の話でも出てくる話もあるのでご覧になってみてはどうでしょうか?役立つ方もいると思います。

なお、BPD=そううつ病ということではありません、そういう方もいるし、そうでない方もいるということです。BPD=ACの方もいますし。

 

発達障害から愛着障害へ(その3)

③役割と責任を持つ

 引続き、岡田先生の本からです。愛着障害の人が回復するための3つ目の要因です。これは結構大事です。

 

「愛着障害を抱えた人がそれを克服するために、安定した愛着スタイルばかりを課題にして追い求めることは、必ずしも得策でない。それよりも自分がやるべき役割を担い、それを果たそうとして奮闘するうちに、まず周囲の人との関係が安定する。そうなることで最も親密な人との愛着関係においても次第に安定していくことも多いのである。」

 

「愛着障害がある人の人生を困難なものにする重要な要因の1つに否定的認知にとらわれやすいことが挙げられる。否定的な認知から脱するにはどうすればよいだろうか。大事なことはどんな小さなことでもいいから、自分なりの役割を持ち、それを果たしていくということである。自分にできること、自分の得意なこと、人が嫌がってやりたがらないことなど、何でもいいから思い切ってやってみることである。ただ、自分のためにやるというよりも、家族や周囲の人のためにもなれば、一層、良い。それを続けていくことが自己有用感を回復するきっかけとなる。その場合に大切なことは、すべきこととか義務といった、それまでその人を縛ってきたものとはいったん切り離して考えることである。学校や仕事のことで頑張れなくとも、その人にできることは他にもたくさんあるのだ。もっと視野を広げて、気楽に取り組めることから始める。その過程で自己否定感を払しょくし、自分でもできることがあるという肯定的な気持ちを回復することが先決である。」

 

「また、否定的な認知を脱するには「全か無か」という二分法的な認知ではなく、統合的な認知が持てるようになることである。何か嫌なこと、思い通りにならないことがあった場合、それを徹底的に否定し、ネガティブな感情にとらわれてしまうのではなく、そうなって良かったこともあるという前向きな意味を見出すことである。」

「愛着障害を克服するもう1つの方法は、その人が後輩や若い人たちを育てるという方法である。」

 

発達障害から愛着障害へ(その2)

岡田先生が先程の本で述べている愛着障害の克服方法は以下の3つです。そのとおりだなあと素直に思います。診断名はこだわらなければ、BPDの人への対応方法と全く同じだと思います。特に③は視点が行かない人がいますが、重要な点だと思います。

 

    安全基地となる存在

この点はBPDの人には安全基地が必要と何度もジオログで繰り返してきたので省略。なお、本書で今や世界のテクノロジーをリードするS,ジョブズ(iPhoneiPadを作った人)がどのように自分にとっての安全基地を発見したかの話はおもしろいです。

 

    愛着の傷を修復する

家族会でよく出てくる。幼児返りの話が出てきます。少し長くなりますが、記載しておきます。

「愛着障害を抱えた人が良くなっていく過程で、「母親と布団を並べて寝たい」とか「抱っこして欲しい」と言いだすことがある。それは幼いころの心理状態が再現されてその時得られなかった愛情を今与えてもらうことで、傷を癒そうとしているのです。・・折角、そうした状態になっているのに、本人を突き放すようなことを口にしたり、「何を馬鹿なことを言っているの」と拒絶したりしてしまえば、再び殻は閉じてしまいます。それは傍から見れば、すっかり後退したように思える時もあるだろう。ただの悪化と映るかもしれない、しかし、その意味を知る人は、それが回復の第一歩だということがわかるのである。・・子どもが大人になると親と別々に住んでいたりして、こうした修復行為自体が不可能になってくる。その場合、親に代わって修復に当たってくれる人が必要になる。恋人やパートナーがもっともふさわしいのであるが、人によっては他の援助者がそうした役目を担ってくれることもある。」

 

でも、どうしても無理という人は家族会でも紹介した高森信子さんがやるI Love YOUサイン(「家族が知りたい統合失調症への対応Q&A」日本評論社1500円:BPDの人にも適応できるスキルが書いてあります)でもよいと思います。

 

    役割と責任を持つ

「その3」に続く。

発達障害から愛着障害へ(その1)

発達障害から愛着障害へ(その1)

岡田尊司先生が新しい本を出しました。「愛着障害」光文社新書860円です。

「はじめに」を読んでいたら、私が最近言いたいことと一致していたので、掲載しておきます。BPD=8割方がAC=ほぼ(反応性)愛着障害と私は考えていますが。

対応策は「その2」として掲載します。医療従事者への警告でもありますが。

なお、反応性愛着障害の第一人者はヘネシー・澄子さんで多くの医療関係者へ影響を与えている本は「子を愛せない母 母を拒絶する子」学研1500円です。

 

「愛着(アタッチメント)の問題は、例えば、うつ病、アルコールや薬物などの依存症、境界性パーソナティ障害や過食症といった現代社会を特徴づける精神的なトラブルの多くにおいて、その要因やリスクファクターになっているばかりか、家族の崩壊、虐待やネグレクト、社会へ出ることの拒否、非行や犯罪といった様々な問題の背景の重要な問題のファクターとしてもクローズアップされている。さらに昨今、「発達障害」ということが盛んに言われ、それが子どもだけでなく、大人にも少なく知られるようになっているが、この発達の問題の背景には、実はかなりの割合で愛着の問題が関係しているのである。実際、愛着障害が発達障害として診断されているケースも多い。・・・どういう愛着がはぐくまれるかということは、先天的にもってうまれた遺伝子的要因に勝るとも劣らないほどの影響を、その人の一生に及ぼすのである。その意味で、愛着スタイルは「第二の遺伝子」と呼べるほどなのである。」

 

「パーソナリィティ障害や発達障害について、ある程度の知識をお持ちの方も、「愛着」という視野を加えることで、さらに理解が深まることと思う。直面している困難の正体が、一層はっきりと見えてくるに違いない。なぜ(彼らや彼女たちは)自分をさらけだすことに憶病になってしまうのか。なぜ人と交わることを心から楽しめないのか。なぜ本心を抑えてでも相手に併せてしまうのか。なぜ拒否されたり傷つくことに敏感になってしまうのか。」

「また、医療や福祉、教育の領域で様々な問題を抱えたケースに関わっている専門家の方々には、パーソナリィティ障害や、複雑化した発達障害を改善し、うまく対処していうためには、愛着という視点がぜひとも必要である。通常の治療や対処では改善しにくいケースほど愛着の問題が絡んでいることが多い。ある意味、これまでの働きかけがうまく機能してこなかったとすると、この視点が抜け落ちていたことによるかもしれない」

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