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星和書店
今月の新刊 next
成人アスペルガー症候群の認知行動療法

成人アスペルガー症候群の認知行動療法

ヴァレリー・L・ガウス 著
伊藤絵美 監訳
吉村由未、荒井まゆみ 訳


A5判 並製 456頁
ISBN978-4-7911-0828-2〔2012〕
定価 3,990 円(本体 3,800 円)

アスペルガー症候群が知られる以前に成長し成人となり、アスペルガー症候群やそれによる二次障害で苦しんでいる当事者に、認知行動療法を中心とする援助を提供するための包括的なガイド。

臨床実践を導く認知行動療法の10の理論

臨床実践を導く認知行動療法の10の理論

「ベックの認知療法」から「ACT」・
「マインドフルネス」まで

ニコラオス・カザンツィス、マーク・A・ライナック、アーサー・フリーマン 編
小堀 修、沢宮容子、勝倉りえこ、佐藤美奈子 訳


A5判 並製 544頁
ISBN978-4-7911-0829-9〔2012〕
定価 4,830 円(本体 4,600 円)

すぐれた心理療法はいずれも、その背景に、すぐれた理論的基盤をもつ。本書では、認知行動療法の10の理論モデルを、実践例を通じて、広く、深く、それぞれの治療法の第一人者たちが解説する。

不安障害のためのACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)

不安障害のためのACT
(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)

実践家のための構造化マニュアル

ゲオルグ・H・アイファート、ジョン・P・フォーサイス 著
三田村 仰、武藤 崇 監訳
三田村 仰、武藤 崇、荒井まゆみ 訳


A5判 並製 464頁
ISBN978-4-7911-0827-5〔2012〕
定価 3,570 円(本体 3,400 円)

本書は、不安障害で苦しんでいる人に対するアクセプタンス&コミットメント・セラピーという心理療法について、その実際の面接の始まりから終わりまでを描いたガイドラインである。

うつのためのマインドフルネス実践

うつのためのマインドフルネス実践

慢性的な不幸感からの解放

マーク・ウィリアムズ、ジョン・ティーズデール、
ジンデル・シーガル、ジョン・カバットジン 著
越川房子、黒澤麻美 訳


A5判 並製 384頁、CD付き
ISBN978-4-7911-0826-8〔2012〕
定価 3,885 円(本体 3,700 円)

マインドフルネスはうつや慢性的な不幸感と戦う人々にとって革命的な治療アプローチである。本書は、エクササイズと瞑想を効果的に学べるよう構成されたマインドフルネス実践書。ガイドCD付属。

ワーク・エンゲイジメント入門

ワーク・エンゲイジメント入門

ウィルマー・B・シャウフェリ、ピーターナル・ダイクストラ 著
島津明人、佐藤美奈子 訳


四六判 並製 180頁
ISBN978-4-7911-0825-1〔2012〕
定価 1,995 円(本体 1,900 円)

活き活きと、健康的に、情熱をもって働くための手段であるワーク・エンゲイジメント。本書は、その本質、作用の仕方を説明し、それを高めるために従業員および組織には何ができるかを提案する。

  雑誌の最新号 next
精神科治療学
定価 3,024
月刊 精神科治療学 第27巻11号

特集:摂食障害治療に取り組む II

摂食障害は最近、児童期例や成人発症例、他の精神疾患の併存例など新しい病像が増えており、一般の精神科医も対応に迫られる機会が増えている。しかし、精神科医の中で摂食障害の専門家は少なく、また苦手感を持つ精神科医も少なくない。そこで本特集は「摂食障害治療に取り組む」と銘打ち、単なる摂食障害の特集ではなく、治療論からみた摂食障害という視点を重視した。定式化した治療論ではなく、柔軟で辛抱強い治療の取り組みを紹介しており、精神科医の立場から摂食障害治療のノウハウを知ることができる特集。
JANコード:4910156071129

臨床精神薬理
定価 3,045
月刊 臨床精神薬理 第15巻12号

特集: うつ病に対する非薬物療法の有用性:各種療法と薬物療法の効果の比較

うつ病治療において、薬物療法の効果が不十分な症例や身体疾患が合併して十分な薬物療法ができないケースなどに対し、非薬物療法の治療効果が検討されている。本特集では、問題解決技法、認知行動療法、対人関係技法、運動療法、食餌療法(オメガ3系脂肪酸)について、その実態や治療効果、薬物療法との比較に関し紹介した。そして、“プラセボ効果”の解説とその臨床への応用についても概説した。
ISBN:978-4-7911-5182-0

今月のコラム
今月のコラム
1からのスタート
肥前精神医療センター  吉森智香子

アルコール・薬物依存の患者さんのなかで時々、びっくりするほど回復する患者さんに出会えることがあります。良くなったことに私があきれ返ると余計に患者さんも喜んでくれます。

大学時代から多量飲酒となり、そのまま社会体験もなく20年間飲み続け、今は断酒して6年になり、良き社会人として生活している方がいます(書いても良い旨の同意は得ています)。当院のアルコール依存症の入院治療プログラムは10週間が基本ですが、この方は1年間、立て続けに入退院を繰り返しました。「四季を通して入院しました」と今や笑い話で振り返ることができるのですが、当時は患者さん本人も私も「どうしたら良いのだろう」とかなり苦しい気持ちでした。

その後、「やってみようと思ったことは何でもやってみました」と、プールに行って泳いだり、お寺で座禅を組ませてもらったり、ついには書道やピアノまで習い始めていました。ほどなく仕事も見つけて出勤するようになりました。酒樽の中に浮かんでいた生活からいつのまにか樽を割って地面に自分の脚で立っていたのです。

物質使用障害のグループ治療―TTM(トランス・セオリティカル・モデル)に基づく変化のステージ治療マニュアル』(共訳)を、このたび星和書店から出版しました。この本は、人が生き方を変えるときは、問題を意識していない「無関心期」、問題に気づいて何とかしなければと考えている「関心期」、行動をおこすための具体的な計画を立てる「準備期」、変化のための行動を起こしている「実行期」、変化を維持する取り組みを続ける「維持期」という5つのステージを通るという考え方をもとにした物質使用障害のグループ治療マニュアルです。わが身を振り返っても行動変容は難しいことです。目に見える行動は変わらなくても、「無関心期」から「関心期」、「準備期」、と行動変化のステージをこの患者さんは歩き続けていたのです。「再発しても自分はゼロではなかったのです。1からのスタートだったのです」と、飲まない生活にどのようにして変わることができたのかを繰り返し聴くうちに、この方が口にしました。

行動変化を起こすには自分の問題行動に目を背けている「無関心期」から自分が問題を抱えていることを受け入れる「関心期」に移行することが最も難しいのです。今までと同じように飲酒はしても、「関心期」、あるいは「準備期」に移行していたこの患者さんは「1」を蓄えていることを実感できたのでしょう。

変化のための大切な「1」をそれぞれの患者さんが蓄えられるように、物質使用障害者の支援に携わっておいでの皆様の日々のご健闘をお祈りいたします。

物質使用障害のグループ治療―TTM(トランス・セオリティカル・モデル)に基づく変化のステージ治療マニュアル』(メアリー・マーデン・ヴェラスケス、ゲイリン・ガディ・マウラー、キャシー・クラウチ、カルロ・C・ディクレメンテ 著、村上優、杠岳文 監訳)好評発売中
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