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星和書店
今月の新刊 next
いやな気分よ、さようなら コンパクト版

いやな気分よ、さようなら コンパクト版

自分で学ぶ「抑うつ」克服法

デビッド・D・バーンズ 著 
野村総一郎、夏苅郁子、山岡功一、小池梨花 訳

B6判 並製 488頁
ISBN978-4-7911-0848-0〔2013〕
定価 2,625 円(本体 2,500 円)

本書は、「うつ病のバイブル」といわれている増補改訂版から第7部(感情の化学)を省いた縮約版である。抑うつ気分を改善し、気分をコントロールし、人生の悩みを解決するための認知療法を紹介する。

基本から学ぶSST

基本から学ぶSST

精神の病からの回復を支援する

前田ケイ 著

A5判 並製 352頁
ISBN978-4-7911-0849-7〔2013〕
定価 2,730 円(本体 2,600 円)

前田ケイ先生が伝えたいSSTの本質と技術のすべてが、この1冊に。

当事者の希望をつなぎ、実生活に役立つSSTのために工夫を重ねた技術の数々を、豊かな実例とともに、基本から丁寧に、楽しく解説。

糖尿病をすばらしく生きるマインドフルネス・ガイドブック

糖尿病をすばらしく生きる
マインドフルネス・ガイドブック

ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)によるセルフヘルプ・プログラム

ジェニファー・A・グレッグ、グレン・M・キャラハン、スティーブン・C・ヘイズ 著
熊野宏昭、野田光彦 監訳

四六判 並製 400頁
ISBN978-4-7911-0850-3〔2013〕
定価 2,730 円(本体 2,600 円)

今までの生活体験を一変させる糖尿病。本書は、厳しい自己管理が求められる過酷なストレスから自由になり、血糖値を劇的に改善させるアクセプタンス&コミットメント・セラピーに基づく解決策を提供する。

脳卒中における臨床神経精神医学 第2版

脳卒中における臨床神経精神医学 第2版

脳血管障害後の認知・行動・情動の障害

ロバート・G・ロビンソン 著
木村真人 監訳

A5判 並製 512頁
ISBN978-4-7911-0851-0〔2013〕
定価 6,090 円(本体 5,800 円)

脳卒中患者は、うつ病をはじめとするいくつかの精神障害を併発する可能性が高い集団である。患者への早期からの治療的介入がうつ病等の発症を予防し、生存率が伸びることなどを詳しく示す。

  雑誌の最新号 next
精神科治療学
定価 3,024
月刊 精神科治療学 第28巻7号

特集:軽症例に対する精神科薬物療法のあり方

軽症例にも薬物療法は必要か?必要だとすれば、いつから開始すべきなのか?それとも、薬物を使わず、心理療法や社会療法で対応すべきなのか?こうした疑問に応えるべく組まれた特集。特に「軽症うつ病」は、広くコンセンサスが得られている診断ではないため、複数の著者の意見を提示した。また「軽症/前駆状態の統合失調症」については、告知の問題やいつまで維持療法を続けるべきかという問題にも触れている。他にも「双極性障害」「社交不安障害」「睡眠障害」など多くの精神疾患を網羅。軽症例へ適切な薬物療法を提供するために役立つ特集。
JANコード:4910156070733

臨床精神薬理
定価 3,045
月刊 臨床精神薬理 第16巻8号

特集: 統合失調症患者の死亡リスクと薬物治療

一般人よりもかなり高い、統合失調症患者の死亡リスクについて検証する特集。若年・早期精神病患者の自殺リスクとその対策、clozapineの抗自殺効果と死亡リスク、統合失調症患者の疼痛感受性低下や循環器疾患による死亡リスク、ベンゾジアゼピン投与による死亡リスク、そして脱施設化と死亡リスクの関連など、様々な観点から検証する。
ISBN:978-4-7911-5190-5

精神科臨床サービス
定価 2,310
季刊 精神科臨床サービス 第13巻3号

特集:恋愛・結婚・子育て

精神障害者の恋愛や性,結婚・出産はタブー視され,制限される傾向があり,支援の外に置かれることが多かった。そこには専門家の悲観論や本人のあきらめ,医学的リスクなど多くのバリアがあるが,本人のリカバリーにとってこれほど重要なテーマもない。本特集では,この領域についての情報不足を埋めるべく,身体・知的障害領域の実践からも知見を集め,医療から地域の各ステージにおける支援スキルを,詳細な実例の数々とともに提示する。
ISBN:978-4-7911-7151-4

今月のコラム
今月のコラム
これからの職場のメンタルヘルスを展望する:
産業保健心理学からの2つの提言
東京大学大学院医学系研究科精神保健学分野 島津明人

職場におけるメンタルヘルス対策では,うつ病などのメンタルヘルス不調の未然防止(第一次予防),早期発見・早期対応(第二次予防),メンタルヘルス不調により休業した従業員の適切な復職支援・再発予防(第三次予防)が行われています。事業所の中にも,厚生労働省の「労働者の心の健康保持増進のための指針」などに基づいて,従業員や管理監督者への教育・研修,相談体制の整備,職場復帰支援体制の整備など,メンタルヘルス対策に取り組む企業が増えてきました。特に,従業員数1000人以上の事業所では,95%以上の事業所で何らかのメンタルヘルス活動が行われていることが厚生労働省(2008)の調査で明らかになっています。

一方で,近年の労働者を取り巻く社会経済状況は,大きく変化しています。産業構造の変化(サービス業の増加),働き方の変化(裁量労働制など),情報技術の進歩に伴う仕事と私生活との境界の不明確化,少子高齢化,共働き世帯の増加など枚挙にいとまがありません。こうした変化を受け,職場のメンタルヘルス活動においても,メンタルヘルス不調への対応やその予防にとどまらず,個人や組織の活性化を視野に入れた対策を行うことが,広い意味での労働者の「こころの健康」を支援するうえで重要になってきました。こうした背景を踏まえ,これからのメンタルヘルス対策について,産業保健心理学の視点から,次の2点に言及したいと思います。

1点目は,こころの健康のポジティブな側面への注目です。誤解をおそれずに言うと,これまでのメンタルヘルス対策は,メンタル「ヘルス」と言いながらも,こころの「不調」をいかに防ぐかという点に重きが置かれていました。しかし,労働者の幸せ(Well-being)を総合的に考えた場合,こころの不調を防ぐだけでは十分ではないことは明らかです。労働者の強みを伸ばし,活き活きと働くことのできる状態,いわば「ワーク・エンゲイジメント」の高い状態をも視野に入れた対策が,労働者の本当のこころの健康につながると考えられます。ここで強調したいのは,こころの「不調」への対策が重要ではない,ということではありません。こころの不調と同じ程度に,こころの活力にも注目し,メンタルヘルス対策の活動範囲を広げる必要があるということです。そうでなければ,メンタルヘルス活動の対象は,一部の不調者を対象とした活動にとどまってしまい,事業所や企業全体,さらには社会全体でメンタルヘルスに取り組もうという動きにはつながりません。

2点目は,仕事以外の要因への注目です。これまでの職場のメンタルヘルス対策は,働く環境をいかに整えていくかという視点が中心でした。しかし,労働者のこころの健康は,職業生活だけによって決まるわけではありません。たとえば,家庭・地域での生活状況(家事,育児,介護などのストレッサーや家族・友人などからのソーシャルサポート),ワーク・ライフ・バランス,余暇の過ごし方,リカバリー経験(就業時のストレスから回復するための時間の過ごし方)などが労働者の健康と関連することが,近年の研究で明らかになってきました。つまり,労働者のメンタルヘルス問題を考える場合,働く環境に注目するだけでなく,労働者を取り巻く環境を多面的に捉え,包括的に支援する視点を持つ必要があると考えられます。

拙著『ワーク・エンゲイジメント入門』では,「健康でいきいきと働くとはどういうことか?」「そのために私たち一人ひとり,組織や職場はどんなことができるのか?」について分かりやすく解説したものです。働く人のこころの「健康」にかかわる研究者,産業保健スタッフ,臨床心理士,経営者,管理職,それに働く人たちに広く読んでいただきたい一冊です。

島津明人先生の本、好評発売中

ワーク・エンゲイジメント入門
(ウィルマー・B・シャウフェリ、ピーターナル・ダイクストラ著,島津明人、佐藤美奈子 訳)

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