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星和書店
今月の新刊 next
摂食障害:見る読むクリニック

摂食障害:見る読むクリニック

―DVDとテキストでまなぶ―

鈴木眞理、西園マーハ文、小原千郷 著

A5判 並製 152頁(DVD付き)
ISBN978-4-7911-0878-7〔2014〕
本体価格 1,900 円 + 税

dvdさあ、診察室の扉をあけましょう。この本をひらくとき、診察室の扉をあけたかのような体験をするでしょう。本書付属のDVDを見ると、実際の診察場面がどんなものか垣間見ることができます。DVDとテキストで、摂食障害の治療内容と病気への対処法、回復への道を知れば、もう怖くありません。テキストは、ページをめくるごとに一つのテーマが学べる構成で、図やイラストでビジュアルでもわかりやすくなっています。摂食障害を知るのに最適の書と言えるでしょう。患者さんにも、家族をはじめ患者さんの身近な人にも、ぜひ読んでほしい一冊です。

実体験に基づく強迫性障害克服の鉄則

実体験に基づく強迫性障害克服の鉄則
〈増補改訂〉

田村浩二 著

四六判 並製 192頁
ISBN978-4-7911-0880-0〔2014〕
本体価格 1,800 円 + 税

医師にも薬にも頼らず強迫性障害を克服。
著者は、長年強迫性障害に苦しみ、これを克服した実体験から、この障害との付き合い方、克服の仕方を40の鉄則にまとめました。相談者や著者自身の体験談、そこから導き出された鉄則は、強迫性障害に苦しむ本人だけでなく、その家族にとっても、不可解な強迫性障害の特徴を捉え、障害と闘っていくうえでの勇気を与えてくれます。本書の出版と同時にウェブ上の相談室も開設。

クロザピン100のQ&A

クロザピン100のQ&A

―治療抵抗性への挑戦―

〈編集〉藤井康男
〈編集協力〉村上優、来住由樹、榎本哲郎

A4判 並製 320頁
ISBN978-4-7911-0876-3〔2014〕
本体価格 5,000 円 + 税

治療抵抗性統合失調症治療における最後の切り札であるクロザピンは、上市以来5年、その使用に拍車がかかりつつある。クロザピンの有効性を最大限に発揮させ、さらに精通し、リスクを乗り越え、回復に導くためのバイブルとなる書。読みやすいQ&Aで、クロザピン治療に習熟している施設、実際に使用している先生を中心に、臨床に不可欠な質問を取り揃えた。クロザピンの特徴を満遍なく紹介し、その真価に迫る!

単極性うつ病の生物学的治療ガイドライン 第 I 部:大うつ病性障害の急性期と継続期の治療 2013年改訂版

単極性うつ病の生物学的治療ガイドライン 第 I 部:大うつ病性障害の急性期と継続期の治療 2013年改訂版

―WFSBP(生物学的精神医学会世界連合)版―

M.Bauer, A.Pfennig, E.Severus P.C.Whybrow, J. Angst, H.J.MÖller on behalf of the Task Force on Unipolar Depressive Disorders 著
山田和男(東京女子医科大学 東医療センター 精神科 教授) 訳

B5判 並製 128頁
ISBN978-4-7911-0869-5〔2014〕
本体価格 2,000 円 + 税

本書は、生物学的精神医学会世界連合(WFSBP)が2013年に改訂した「The World Federation of Societies of Biological Psychiatry(WFSBP)guidelines for the biological treatment of unipolar depressive disorders, part 1: update 2013 on the acute and continuation treatment of unipolar depressive disorders.」の日本語訳である。利用可能なすべてのエビデンスに基づいた臨床的かつ科学的に有意な治療を推奨する。疾患の定義、分類、疫学、経 過、急性期および継続期のマネジメントを網羅している。成人に対する抗うつ薬、その他の薬剤、電気けいれん療法、光療法などに関連するものが中心となって いる。大うつ病性障害への精緻な治療戦略を解説した実用的ガイドライン。

   雑誌の最新号 next
精神科治療学
本体価格  
2,880
円+税
月刊 精神科治療学 第29巻7号

特集:初診、初期治療―何を見逃してはならないか― II

患者さんとの最初の出会いである初診時に留意すべきことは何か?
本特集では精神科臨床において大変重要な初診と初期治療でどのような情報を得、どのように対応すればよいか、マニュアルやガイドラインでは見逃しがちなこと、精神科に特異的なことを論述。特集IIでは、初診、初期治療で必要な検査のうち、神経心理学的検査、血液検査、脳波を取り上げ、さらに精神科臨床における初期治療の特殊性として、治療契約、初診で訊くべきこと、初期治療における診断の保留、生育歴と家族背景、病識、治療者-患者関係の確立などについて取り上げた。
JANコード:4910156070740

臨床精神薬理
本体価格   
2,900
円+税
月刊 臨床精神薬理 第17巻8号

特集: 気分障害に併存する不安障害・睡眠障害の薬物療法

うつ病や双極性障害には併存症が多いことが知られており、その治療は良好な転機のためにきわめて重要であるが、標準的な治療法が確立されているとは言い難い。本特集では、気分障害の併存症と治療上の重要性について展望し、うつ病の急性期、維持期、双極性障害うつ状態、双極性障害維持期のそれぞれに併存する不安障害と、うつ病、双極性障害に併存する睡眠障害の薬物療法について、現時点における考え方を整理した。
ISBN:978-4-7911-5202-5

今月のコラム
今月のコラム
日本精神医学史学会への誘い

L'invitation à la société japonaise de l’histoire de la psychiatrie

東加古川病院  高内 茂

本学会は今年で18年目を迎え、揺籃期から一気に成熟した感のある、精神医学及びその周辺のテーマに尽いて、真の意味での学際的(interdisciplinaire)な高度な内容の発表と議論を聴くことのできる他では得がたい学問の場(académie)である。

学会の詳細と此れ迄の発表演題やシンポジウムのテーマなどに尽いては学会ホームページを参照戴くとして、此処では私の本学会に纏わるあれこれを記すことにする。

1997年春、当時東京大学精神医学教室主任教授であった松下正明先生の発案で、全国の大学医学部、医科大学の精神医学(psychiatrie)および一部の神経内科学(neurologie) 担当教授が発起人となって当初より研究会ではなく、学会として発足した。

私は、松下先生は元来神経病理学者(neuropathologue)であると認識しており、研修医時代から日本神経病理学会での大先輩としてその精力的な活動に敬服していたのであるが、精神医学史という別の関心領域をお持ちであるとは露知らず、学会発足の発議書が送られて来た時には大いに驚いたものである。その後毎年欠かさず出席され、理事長という重責を果たされているばかりでなく、研究者としても積極的に演題を出され、シンポジウムに登壇されてきた。その学識の深遠広大なることは瞠目に価するものであり、教えを受ける喜びも多大である。

記念すべき第1回は東大安田講堂で開催された。当時、阪神淡路大震災の影響がまだ残っていた兵庫医大に在籍中の私にとっては、極めて残念なことに出席すること能わぬ事情があったのであるが、個人的には安田講堂には特別の思いがあったのである。即ち、1969年春に高校を卒業し、大学受験に臨まんとしていた我々に東大入試中止という大きな嵐が襲ったのである。描いていた人生の道を已む無く変更し、方向の転換を余儀なくされた友もいた。

個人的な興味は一貫してフランス精神―神経医学にあって、此れ迄お付き合いした先生方も多い。1979−1980年のパリ留学中にお世話になった故Raymond Escourol教授や今もお付き合いが続いているMichel Fardeau教授への学恩は計り知れない。特にFardeau教授には2005年の第9回本会(芦屋市)でお話戴いたことはまだ記憶に新しい。

フランス語との付合いは大学3年生の頃NHK教育テレビでのフランス語講座を視聴したことに端を発した。当時の講師はどちらも後に素晴らしい業績を残された丸山圭三郎先生(初級)渡邊守章(中級)先生であった。同時にラヂヲでは朝倉、福井両先生(いずれも当時東大仏文の現役教授であった。)の美しい発音を聞かせて戴いた。最近の語学講座はどうなっているのはか知らない。が、当時は極めて質の高い語学教育がほぼ無料のメディアを通じて我が国の隅々まで提供されていたと言える。

大学6年の春即ち昔の医学教育ではドイツ語のPOLYKLINIKの略語スラングのポリクリが始まると同時に、神戸三宮国際会館(震災で崩壊し後に新築された)でフランス語教室を開いておられた小林利夫先生の懇切な指導を受け、卒後3年目の秋に旧師村上仁先生と三好功峰先生の推薦状とともに願書を作成し、フランス政府給費留学生の試験を受け、合格することができた。

今振り返れば、素晴らしい先生方のご指導により今日に至っていることが改めて判る。
冒頭の誘いは「いざない」と読んで戴きたいと思う。それは村上先生が好んでおられたCharles BaudelaireのL’invitaition au voyageの捩りである事はお好きな方には直ぐにお判りであろう。

日本精神医学史学会の世界はluxe calme et voluptéに満ちている。

高内茂先生の本、好評発売中

精神病理学の歴史 ―精神医学の大いなる流れ―
(エルヴェ・ボーシェーヌ 著,大原一幸,高内茂 訳)

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