星和書店
こころのマガジン
Vol.41 2006.6
  • 5月にトロントで行われたアメリカ精神医学会 に行ってきました。
APA in Tronto
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★ マンガ 境界性人格障害&(アンド)躁うつ病REMIX(リミックス) たなかみる 著
四六判 並製 192頁
マンガ 境界性人格障害&(アンド)躁うつ病REMIX(リミックス)
定価1,680円
『マンガ お手軽躁うつ病講座High&Low』[2004年刊 1,680円(税込)]に続く第2弾!!
なんと境界性人格障害が隠れていた? 躁うつ病に境界性人格障害を併せ持つ漫画家たなかみるが、ユーモアいっぱいにマンガでつづる爆笑体験記。
境界性人格障害(BPD)簡単講座(マンガの一部をご覧いただけます。)

★ メモリー・ドクター 楽しく学べる物忘れ防止トレーニング
記憶力を改善し、知力をアップする簡単な方法
ダグラス・J・メイソン、
スペンサー・ザビエル・スミス 著
岩波 明、川面知弘 訳
 四六判 並製 232頁
メモリー・ドクター 楽しく学べる物忘れ防止トレーニング 記憶力を改善し、知力をアップする簡単な方法
定価1,470円
脳のトレーニング・ドリルをやる前に!
脳を鍛えるドリルをただ繰り返すだけでいいのですか?
その記憶術、根拠のある方法ですか?
大切なのは、正しい記憶の仕組みを知って、記憶力をアップする効果的な方法を学ぶことなのです。本書では、科学的、医学的な根拠のある方法をわかりやすく解説します。楽しみながら実践できる、簡単なトレーニング法が満載です。
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 雑誌の最新号 next
精神科治療学
定価3,024円
★ 月刊 精神科治療学 第21巻6号
【特集】精神科医に必要な睡眠時無呼吸症候群(SAS)の基礎知識 I
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は,その診断が見逃された場合,職業によっては大きな問題を引き起こす可能性があり,一般社会の関心が高まっている。SASの治療は耳鼻科や歯科などとの連携が必要な場合が多いが,本特集では一般精神科医に最低限必要なSASの知識が得られるように組まれた。
臨床精神薬理
定価3,045円
★ 月刊 臨床精神薬理 第9巻7号
【特集】スーパー救急における新たな展開と薬物治療
現在、全国10数カ所で運営されている精神科救急入院料病棟(通称スーパー救急病棟)は、厳しい認可条件をクリアした、精神科急性期治療における最前線の病棟である。本特集では、スーパー救急病棟の成果とこれからの課題、薬物治療、ECTの実情、新たな長期化問題をまとめた。
季刊 こころのりんしょうa・la・carte
定価1,680円
★ 季刊 こころのりんしょうa・la・carte 第25巻2号
【特集】アスペルガー障害
アスペルガー障害とは、よく知られる精神病、人格障害、"こころの病"(心因性疾患)のいずれとも違う、生まれつきの素質による独自の精神生理学的特徴を指します。自閉症との類似は有名ですが、アスペルガー障害では「対人相互性の問題」があまり目立たず、誤診による混乱が多いのが現状です。今では医療・教育・心理関係者に加え、福祉、就労、司法の領域でも、その知識は不可欠です。
治療の聲
定価2,940円
★ 年一回刊 治療の聲 第7巻1号
【特集】フィールドワークする精神科医たち
気鋭の精神科医たちが、近代から現代までの民間療法施設、精神病院の取材・研究の中から、かつての精神障害者の暮らしの実像を明らかにしてゆく。併せて中井久夫氏の最新論文を2篇掲載。
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うつと感じたらうつの症状を自分自身で治療、克服するために役立つガイドブックを紹介します。

境界例・ボーダーラインに悩む人たち 患者の身近にいる方たちが少しでも平穏な日常を取り戻せるための関連書を紹介します。

ウチの子は? 発達障害と子ども発達障害をわかりやすく理解できる本のご紹介です。
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お金お金の世の中

 最近テレビで、困った犬をどうしつけるか、という番組があったという話を聞きました。困った犬をしつける専門家が登場し、問題犬の持ち主のところへ行って、犬の問題行動を矯正するという番組だったそうです。飼い主の家族が犬を連れて散歩しているところを見ると、犬が先頭に歩いていたそうです。専門家は、犬が飼い主の家族の後ろからついていくように矯正したところ、問題行動はすぐになくなったそうです。これは、犬のエソロジーでしょうが、システム論的にも理解できます。犬が一番前を歩いて、それに人が引っ張られているというのは、犬のほうがパワーを持ってしまったということで、力の逆転が起こっているということでしょう。犬を後ろから歩かせることで、それを矯正したわけです。
 日本では、犬が人を引き連れている場面をよくみます。イギリスの公園の風景を思い出してみると、確かにほとんどの場合、犬が飼い主の後ろを静かにあるいています。イギリスには、ペットを飼ってきた長い歴史があるからでしょうか。
 精神科領域でシステム論という言葉を良く聞きますが、これは、ミラーのシステム理論を指していると思います。簡単に言うと、あるグループの中で何らかの問題が生じてきた場合、そのシステムが不具合をきたしている、力の秩序がくずれている、のではないかというのがその考えのようです。たとえば、会社のある課の社員が、欠勤が多く、うつ病と診断されたとします。システム論では、その課のシステムがゆがんで、そのゆがみが、うつ病という形でその人にあらわれたと考え、システムを修復することで、良い方向に修正しようとします。
 現在の日本を見てみると、官から民までお金お金の世の中です。お金がすべて、と言ってはばからない人たちが、英雄視されていたりします。これが今の日本にいろいろ問題を起こしているのかもしれません。本来、交換価値としての役割しかもっていない「お金」が、全知全能の神のような力を持ってしまったため、力の秩序が崩れ、システムが機能しなくなってきたのだと考えられます。「お金」を、全知全能の神の地位から引き摺り下ろすクーデターが起こらない限り、この混乱は続くように思います。
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