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星和書店
こころのマガジン
Vol.52 2007.5
【速報】星和書店特製ミニタオルをプレゼント!
  • 弊社では、日頃のご愛顧に感謝して、特製ミニタオルを作製いたしました。
    汗ばむこれからの季節、「いやな気分よ、さようなら」するのに最適なミニタオルをご希望の方、抽選で30名様にプレゼントさせていただきます。皆様奮ってご応募下さい。
    〈応募方法〉電子メールにて、郵便番号、住所、氏名、電話番号、弊社へのご意見・ご要望を明記の上、下記メールアドレスに送信下さい。
    sales@seiwa-pb.co.jp
    応募の締め切りは2007年6月20日(水)です。
    *抽選の結果は当選者の方への発送を以てかえさせていただきます。
タオル
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カタトニア
定価5,880円
A5判 上製 312頁
カタトニア 臨床医のための診断・治療ガイド 
Max Fink,  Michael Alan Taylor著
鈴木一正 訳
本書は様々なタイプのカタトニアを取り上げ、その診断・治療のガイドを示し、最新の脳構造・生理学・化学で分かるカタトニアの原因を説明。カタトニアの歴史的背景から、診断・治療、そして自験例からなる症例報告が紹介された本書は、臨床医がカタトニアを診断して効果的に治療する際の一助となるだけでなく、救急室、入院病棟、コンサルテーション部門で働く神経内科医や精神科医にも役立つ。カタトニアの診断・治療ガイドの決定版!
パーソナリティ障害
定価3,990円
A5判 並製 412頁
パーソナリティ障害 
ジェームス F. マスターソン 著
佐藤美奈子、成田善弘訳
本書は、マスターソンの四十年にわたる人格障害研究の集大成と言ってよい。境界性人格障害だけでなく自己愛性人格障害、スキゾイド人格障害についても自己の障害の観点からその病理と治療を詳細に論じているが、マスターソンの本領は治療経過の生き生きとした記述にあり、そこでの介入の記述はきわめて明確かつ具体的である。精神分析的治療者だけでなく、精神分析になじみの薄い治療者にも一読の価値ある書物である。
オランザピンを使いこなす
定価2,940円
A5判 並製 192頁
オランザピンを使いこなす 
藤井康男 編  
オランザピンは陽性症状や陰性症状への効果、認知機能の改善、錐体外路症状や遅発性ジスキネジア、プロラクチン血症をきたしにくいというユニークな特徴をもち、いまや統合失調症の主要な治療薬として広く使用されている。また1日1回投与、飲み心地が良いことから、コンプライアンスに問題のあるケースにも適した薬である。忍容性も高く、口腔内壊錠もあり、従来は期待できなかった有用性と利便性を臨床現場にもたらす。
「臨床精神薬理」誌に連載された好評シリーズ『オランザピンを使いこなす』(全8回)をもとに、治療困難例、高用量治療の2章を新たに加えた。オランザピンの真価を知り、処方上の注意点を網羅した実践の書 !
  雑誌の最新号 next
精神科治療学
定価3,024円
月刊 精神科治療学 第22巻5号
【特集】 強迫の診立てと治療 I
日常生活に大きな障害をもたらす精神疾患の1つとして強迫性障害が挙げられる。また,強迫そのものはあらゆる精神疾患に出現するため,その対応は臨床場面で重要となる。本特集では強迫性障害ならびに強迫症状についての総合的理解を目指して,臨床的諸問題を取り上げた。
臨床精神薬理
定価3,045円
月刊 臨床精神薬理 第10巻6号
【特集】 日常臨床とエビデンスのギャップを探る
精神科薬物療法において、次々と新薬が登場する一方、様々なガイドラインやアルゴリズムも発表されている。エビデンスから勧められている治療と日常臨床のギャップ、エビデンスで否定されているにもかかわらず日常的に行われている治療など臨床医が抱く素朴な疑問について特集した。

不安を克服する

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学問もゆっくりと熟成されて

今月の新刊は、「カタトニア」というタイトルで、年齢の高 い 先生方には、30年ほど前の精神病理学が隆盛を極めていた時代を思い出させるかもしれません。その当時、私どもも精神病理学の季刊誌を創刊させていただきました。アメリカの出版社や精神科医にこの雑誌を説明するに当たって、うまく説明できる言葉が見つかりませんでした。
もちろん、サイコパソロジーという英語はあるのですが、日本における精神病理学の独特な意味合いを説明できません。日本では当時、精神病理学が精神医学の学問の主流といってもいいほどでした。先生方にご専門はとお尋ねすると、精神病理学という答えが返ってきたものでした。アメリカでは、このことが良く分からないらしく、説明すると、それではそれはメディカルサイコロジーではないか、とよく言われたものです。

どうもアメリカでは、ドイツ流といいますか日本的といいますか記述的精神病理学よりも、マスターソン先生などによるボーダーラインなどの研究のほうが注目を集めていました。興味深いことに、マスターソン先生の著書を日本に最初にご紹介されたのは、精神病理学者の笠原嘉先生でした。ボーダーラインという言葉は、その当時は日本で全くなじみがなく、精神病と神経質の中間だから境界例なんだ、とか、精神分析学も精神病理学も注目する状態なのでその間ということで境界例なんだ、とか、今聞くととてもおかしな説明がたくさんありました。
そのような状況の中で、当社でマスターソン先生を日本にお呼し、ワークショップなどを開かせていただきました。沢山の先生方にご参加いただきました。ボーダーライン、境界例、境界性人格障害、境界型人格障害、境界型パーソナリティ障害、など言葉は代わってきましたが、ボーダーライン パーソナリティ ディスオーダー(BPD)の研究は進み、マスターソン先生ご来日から25年ほどたった今、ボーダーラインは、広く一般の人にも関心が持たれるようになってきました。インターネットがなかったため、ゆっくりとした研究の流れがあったのかもしれません。今では、ネット上で、BPDの情報はあふれています。

さて、今月刊行の「パーソナリティ障害」は、マスターソン先生の研究の集大成と言えるでしょう。本書はまた、当社にとっても思い出に残る本です。私どもととても仲の良かったBrunner/Mazel社のBernard Mazel氏が、この会社を辞めるに当たり、すばらしい伝説の編集長Suzi Tuckerが社を去りました。Brunner Mazel社は、Taylor&Francisに買い取られ、スージー タッカーは、ミルトンエリクソン研究所のゼイク氏と出版社を作りました。スージーは、長年マスターソン先生の本の編集を担当し、先生の信認もことのほか厚かったため、この本が、ゼイク&タッカー社から出版されることになったのは当然のことでした。

マスターソン先生―スージータッカー―星和書店のトリロジーの最後の本が、成田先生のすばらしいご翻訳により今月刊行となりました。皆様にお読みいただければ幸いです。

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