htmlメールが正常に表示されない場合はこちらからもご覧いただけます。
http://www.seiwa-pb.co.jp/htmlmail/56.html
星和書店
【今売れています!】
脳と心的世界 「脳と心的世界 主観的経験のニューロサイエンスへの招待」
(マーク・ソームズ、オリヴァー・ターンブル 著、平尾 和之 訳、本体3800円+税) 精神分析と脳科学、そして主観的世界と客観的世界をつなぐ、新たな可能性を秘めた画期的書。 オリヴァー・サックスの序言収録。
こころのマガジン
  新刊書籍 next

こころの整理学 [ 自分でできる心の手当て ]
増井武士 著
悩みを外から眺め、収めるべきところに収めてしまう
筆者独自の方法は、簡単でわかりやすく実践しやすい

悩みを抱えているとき、「なぜ?」とあれこれ詮索したり、自分を責めたりしないでください。心の整理学を楽しみながら実践してください。いつのまにか悩みが解消しています。本書は、イライラした感情をうまく収める実にユニークで優れた方法を詳しく紹介します。
定価1,890円(本体1,800円) ISBN978-4-7911-0640-0 〔2007〕
四六判 並製 252頁
こころの整理学
不安障害 [ 精神療法の視点から ]
中村 敬 著
不安障害 精神療法の実践から不安障害を捉えなおす
著者は、精神療法の実践から不安障害を捉えなおす。実践の知に満ち、薬物療法と精神療法を統合する視座を持ち、輸入された学説ではなく、永年の臨床経験から自前の論を展開する。
定価3,990円(本体3,800円) ISBN978-4-7911-0642-4 〔2007〕
A5判 上製 336頁
子どもと家族を援助する [ 統合的心理療法のアプローチ ]
Ellen F. Wachtel 著
岩壁 茂(お茶の水女子大学大学院准教授)、佐々木千恵 訳
子どもと家族の心理療法における、豊かで画期的な実践理論
問題や苦悩を抱えた子どもと家族の支援は、今、急務である。本書は、著者が長年にわたり実践し洗練させてきた統合的な介入法を、実にわかりやすく詳しく紹介している。豊富な実例が役に立つ。
定価3,675円(本体3,500円) ISBN978-4-7911-0641-7 〔2007〕
A5判 並製 496頁
子どもと家族を援助する
サイコセラピストの芸術的手腕 [ 科学を超えるセラピーの芸 ]
ジェームズ・F・T・ブーゲンタール 著
武藤清栄 訳
サイコセラピストの芸術的手腕 「セラピストは技術者ではなく芸術家である」by ブーゲンタール
著者はセラピーにおける「主観性」を重視し、「アート」の必要性を説く。具体的なカウンセリングでの対話や、著者の自伝的記述も興味深く、読者に興奮と刺激を与え、その視野を広げるであろう。
定価4,830円(本体4,600円) ISBN978-4-7911-0643-1 〔2007〕
A5判 上製 444頁


  雑誌の最新号 next
精神科治療学
定価3,024円
月刊 精神科治療学 第22巻9号
【特集】 せん妄の診断と治療に関する新しい知見 II
社会の高齢化や精神科コンサルテーションリエゾンサービスの定着などに伴い,精神科医がせん妄を診療する機会が増加している。本特集では,せん妄とそれに関わるさまざまな問題について,現在の知見をまとめ検討することを目的に,企画した(「特集にあたって」より)。
臨床精神薬理
定価3,045円
月刊 臨床精神薬理 第10巻10号
【特集】 うつ病薬物療法のすべて
近年、SSRIやSNRIの導入により抗うつ薬市場は広がったが、寛解に至らない症例も数多く存在し、うつ病の薬物療法はいまだ問題を抱えている。わが国のうつ病薬物療法アルゴリズムや、SSRI・SNRIの実績、三還系・四還系抗うつ薬の現状、sulpirideの使用状況、新しく開発されている抗うつ薬の解説など、現在のうつ病薬物療法のすべてを取り上げた特集。
こころのりんしょうa・la・carte
定価1,680円
月刊 こころのりんしょうa・la・carte 第26巻3号
【特集】 精神療法と心理療法
知りたい、受けたい、学びたい
精神療法もしくは心理療法は、患者さんと治療者のこころの交流を通して行われる治療を意味します。意識の表層から深層(無意識)まで幅広い問題が治療の対象となるため、一定の訓練と教育を受けた職業的専門家によって行われます。

↑トップへ

シンプルで、心に報酬を

物事は、だんだんと複雑になっていくのが常です。治療法でもそうです。最初は、非常にわかりやすい内容で、とても治療効果もいいということで、それがいろいろな疾患に拡大適用されるようになります。そうすると、効かないこともでてくるわけです。それでなんだかんだという議論が出てきて、どんどん理論が複雑になっていきます。大会社も、政府組織も、複雑になりすぎて、外部からはどのようになっているか把握できないでしょうし、そのトップの方でも組織の内容を把握できていないのではないでしょうか。医療活動も、経済的なことが最重要課題となって、治療以外に複雑な処理が治療者に要求されるようになっています。医師も、教授も、現在は、いろいろ複雑な用事を抱えていて、やりたいこと、一番大事な事、ができない状況のようです。

先日、アンデスで治療をしている二人のアメリカの精神科医の記事を読みました。コネチカットとミシガン出身の精神科医が、純粋な(pure)精神科の治療をアンデスの地で行っているそうです。「精神科の治療なんてなかった国の人たちに治療をするというのは、すごくすばらしいことで、満足感があるんですよ。診療所で働いていると、純粋な精神医学を実践していると感じるのです。言い換えれば、苦しんでいる人たちが来て、治療を行う、ただそれだけです。なんら官僚的な階層もなく、アメリカでは要求されるさまざまな雑用は、ここにはないんです。治療者と患者がいるというだけなんです」「金銭的な報酬をうけるということもないんです。ですので、より純粋(purer)なんですね。私たちのことを必要としているし、私たちの援助をすごく評価してくれます。それは本当にすばらしい体験です。」とこの二人の精神科医は述べています。お二人は、永遠にこの地で医療活動をすると、抱負を述べています。

組織が大きいと、上に行けば行くほど、直接のフィードバックはなくなり、数字だけの管理になりがちです。数字だけ見ていても、満足感や報われたという感じは、生じてこないのではないでしょうか。

ところで、simpleという英語を日本語に訳そうとすると、とても難しいと思いました。簡単な、やさしい、と訳しても変ですし、純粋な、誠実な、というのもおかしいです。そういうのを含めた言葉なんですね。上記の精神科医が、rewardedという言葉を使っていますが、すごくよく感じはわかるのですが、訳すと、イメージがでてきません。日本語の「報われた」は、努力が報われて大成功した、という感じに使われて、利己的なイメージがあります。英語のほうは、純粋にすばらしいものを心に与えてもらった、というイメージですね。子どもたちがお手伝いができたら報酬としてお菓子やお金をあげるという場合、日本語では、報酬というように言いますが、英語ではtokenを使うことが多いのではないでしょうか。オペラントの実験で、ねずみに砂糖水を報酬として与え、条件反射を強化させる、というのもあります。 組織が大きくなると、だんだんrewardされづらくなるようです。

Be simpleにして、心へのrewardがある社会、目指したいものですね。

↑トップへ