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星和書店

【新聞掲載情報】

マンガ境界性人格障害&躁うつ病REMIX」が著者たなかみるさんの談話とともに 11/23(日)朝日新聞朝刊、医療欄の“パーソナリティー障害”特集にて紹介されました。

こころのマガジン
  今月の新刊 next

対人恐怖とPTSDへの認知行動療法

ワークショップで身につける治療技法

デイビッド・M・クラーク、アンケ・エーラーズ 著
丹野義彦 編集・監訳
A5判 並製 212頁 ISBN978-4-7911-0683-7 〔2008〕
定価 2,730 円(本体2,600円)

対人恐怖とPTSDへの認知行動療法

認知行動療法――世界の臨床心理学にパラダイム・シフトをもたらした理論と実践をわかりやすく紹介・解説した本書。社会不安障害への認知行動療法で著名なデイビッド・M・クラークと、PTSDへの認知行動療法で著名なアンケ・エーラーズによる第6回日本認知療法学会での講演とワークショップを翻訳収録し、二人の研究と臨床実践について解説を加えました。日本の認知行動療法に大きなインパクトを与えてくれる一冊です。

ロンドンこころの臨床ツアー

病院や大学や博物館などを中心にロンドンの街を紹介する新しいタイプのガイドブック

丹野義彦 著
四六判 並製 224頁 ISBN978-4-7911-0684-4 〔2008〕
定価1,680 円(本体1,600円)

ロンドンの街を知り尽くした臨床心理学者である著者が、精神医学・心理学の中心地ともいえるこの街を案内する。普通の旅行ガイドブックでは知り得ない、ロンドンの精神医学・心理学の関連施設、この分野で大きな功績を残した人物、また新進の学者たちの情報を、写真や地図を駆使し、わかりやすく興味深く解説している。

児童・青年の反社会的行動に対するマルチシステミックセラピー(MST)

青少年の反社会的行動に対する臨床スキルの向上をめざして

Scott W. Henggeler, Sonja K. Schoenwald, Charles M. Borduin,
Melisa D. Rowland, Phillippe B. Cunningham 著
吉川和男 監訳
A5判 上製 400頁 ISBN978-4-7911-0685-1〔2008〕
定価4,095 円(本体3,900円)

マルチシステミックセラピー(MST)は米国サウスカロライナ医科大学のスコット・ヘンゲラー教授(臨床心理学)らが開発した青少年の暴力、破壊、非行、犯罪行動に対する心理学的介入技法。欧米諸国においては児童・思春期,青年期の反社会的行動への介入技法としては最も知られた技法の一つであり、アメリカ心理学会(APA)等の専門的学術誌で効果が科学的に実証されている数少ない技法である。

児童・青年の反社会的行動に対するマルチシステミックセラピー(MST)

認知行動療法における事例定式化と治療デザインの作成

正確なケース・フォーミュレーションのすすめ

アーサー・ネズ、クリスティン・ネズ、
エリザベス・ロンバルド 著
伊藤絵美 監訳
A5判 並製 400頁 ISBN978-4-7911-0686-8 〔2008〕
定価3,990 円(本体3,800円)

本書の目的は、臨床家が、患者の個別性に配慮した上で、認知行動アプローチによる事例定式化を行い、治療デザインの作成を手助けすることである。事例定式化が正確に行われてこそ、真に効果的な治療計画を策定することが出来るのである。

認知行動療法における事例定式化と治療デザインの作成

アスペルガー症候群の天才たち

自閉的思考がないと人類はこのような文明を築けなかったのではないか

マイケル・フィッツジェラルド 著
石坂好樹、花島綾子、太田多紀 訳
四六判 上製 592頁 ISBN978-4-7911-0687-5 〔2008〕
定価3,465 円(本体3,300円)

本書は、天才といわれている著名な6人の歴史的人物を取り上げ、彼らが自閉症あるいはアスペルガー症候群であったことを論じている、天才と自閉症の関連を述べた病跡学の書である。しかし、本書は、病跡学の本にとどまらず、人間の持つ創造性とは何か、その創造性を高めるのに自閉症であることがどのように影響を与えているかを、個々の事例を基にして探求している。

医療心理学

心身一体的治療、〈心も体も〉という多面的セラピーが望まれている時代

忠井俊明 編著
A5判 上製 328頁 ISBN978-4-7911-0688-2〔2008〕
定価3,675 円(本体3,500円)

いまや「心」か「体」か、という二者択一ではなく、「心も体も」という心身一体的治療が望まれている。 臨床心理学をより実践的に医療に繰り込んだ「医療心理学」。この領域は、広く全人的に患者を理解する上で不可欠である。本書では、精神科医のみならず、医療・福祉に従事するすべての方々に向けて、医療心理学の基礎知識をわかりやすく解説する。

医療心理学

統合失調症のための集団認知行動療法

ステップ・バイ・ステップ方式のわかりやすいマニュアル

エマ・ウイリアムズ 著
菊池安希子 訳・監訳
下津咲絵、井筒節、朝波千尋、今村扶美、岩崎さやか、佐藤さやか、小林清香 訳
A5判 並製 240頁 ISBN978-4-7911-0689-9 〔2008〕
定価3,675 円(本体3,500円)

本書は、統合失調症の診断の着く患者に対して提供される集団認知行動療法プログラムのマニュアルである。他職種から構成される臨床現場において使用しやすいように、「心理学的介入(理論と実践)」「アセスメント」「5の実践モジュールからなる心理学的介入プログラム」で構成されている。

統合失調症のための集団認知行動療法
  雑誌の最新号 next
精神科治療学
定価 3,024
月刊 精神科治療学 第23巻11号

特集: 新しい地域ネットワークにおける精神科医療 I

精神科医療は診察室の中だけで完結するものではなく,プライマリケアや保健活動,職場,教育現場との連携が重要である。本特集では地域連携を実践されている第一線の専門家に,ひきこもり,虐待,発達障害,自殺防止,認知症などにおける地域連携の最新の取り組みを紹介いただいた。これから地域連携を構築する上で示唆に富む。


定価 3,045
月刊 臨床精神薬理 第11巻12号

特集:Resilience(回復力)の視点からうつ病治療を見直す

小児・思春期のうつ病や不安障害の予防など様々な面から注目されてきているresilience(回復力)は、生物学的なレベルから心理社会的なレベルまで含まれる幅広い概念である。今回は、遺伝子レベルから薬物療法・心理社会的療法まで含め、resilienceという視点でうつ病治療を捉え直し特集した。

増刊 精神科治療学 [ 児童・青年期の精神障害治療ガイドライン新訂版
定価 6,195
増刊 精神科治療学

特集: 児童・青年期の精神障害治療ガイドライン 新訂版

発達障害がますます注目されるなど、わが国における児童精神科領域のニーズは高まるばかりで、診断や治療の進歩を踏まえた新しいガイドラインが求められていることから、このたび児童・青年期の精神障害治療ガイドラインを刊行する運びとなった。執筆陣は現在、児童精神科医療の第一線で活躍されている方々を揃えた。児童精神科のみならず、一般精神科や教育・福祉領域においても必ず役立つ一冊。


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幸せになりたいというのではないんです、この抑うつ状態から抜け出たいんです


 最近、新聞紙面で精神科領域の記事を目にすることが多くなりました。 読売新聞でも医療ルネッサンスという紙面で、境界性パーソナリティ障害のことや、 軽いうつ、統合失調症の誤診、などの連載がありました。朝日新聞でも、16日(11月16日日曜日)の朝刊の32面に「非定型うつ病」の解説記事が載っていました。 なかなか分かりやすい記事でしたが、紙面の都合でしょうか、かなり軽短でした。 新聞は、かなり影響力を持つので、これを読んだ人が、「私はこれだ」と思ってしまい、 すっかり「非定型うつ病」アイデンティテイを簡単に作ってしまい、それにどっぷりとつかってしまう危険性がないとは言えないでしょう。

 こういう記事が載ると、かなりの問い合わせがきているはずです。当社の本の紹介がのるだけでも、 かなり問い合わせはあります。本を買いたいから、というのではなく、内容についてとか、 子どもがその病気のようなのだがという相談であったり、とにかくいろいろ電話やメールがきます。 新聞社では、どう対応しているのでしょうか、気になるところです。ただ書きっぱなしなのでしょうか。 以前、読者の方に怒られたことがあります。当社の本の一つをお読みになった方から、 「その治療を受けたいのだけど、どこへいけばいいのか」という問い合わせでした。 日本では、その治療をやっているところがあるのかどうか、私どもも把握していなかったので、 分かりませんと応えたところ、本を出せばあとは知らないって言うことでいいのか、 と強く指摘されました。それを聞いてとても反省させられました。新聞の場合、 記事としての性格でしょうか、推薦図書などがあげられていません。 関心のある読者の方に推薦できる良書の紹介があれば、いいのになあ、っていつも思います。

 軽いうつ、非定型うつ病、双極 II 型障害、 など最近トピックになっている話題が新聞に取り上げられます。 ただ、意外とブーム的で、しばらくすると関心が薄れてしまうということも、 これまで多々ありました。アダルトチャイルドなど、一時はテレビや新聞、雑誌まで、 毎日目にすることが多かったトピックも、現在ではほとんど見かけません。

 日本では、バイポーラーが話題になり、双極 II 型障害が今話題になっていますが、 アメリカで話題になっていたのは数年前だったと思います。 日本は、アメリカに数年遅れることが多いようです。こういう話題の診断は、 だいたいが日本独自のものではなく、アメリカから輸入されてきたようです。 当社で現在翻訳が進行中の本“Why am I still depressed?” が出版されたのが、 3年ほど前で、アメリカ精神医学会の学会で話題になっていたのもそのころかと思います。 現在、日本で出版されている双極 II 型障害の本は、、Why am I still depressedの内容にとても似ています。 相違点は、Why am I still depressedには、日本の本ではあまり触れられていない治療とか友人家族がどう援助できるかとか、 有益な内容がしっかりと載っています。ただ、翻訳の時間がどうしてもかかるため、 まだ日本語訳は出版になっていません。海外で話題になっていることを、 さっと取り入れて本にするという日本の出版社のお家芸は、見事なものです。 翻訳書は、出版レースで遅れをとってしまうことが多いようです。残念。

 聞いた話ですが、今年のアメリカ精神医学会の学会で、 Bipolar 2(双極 II 型)の話題は、あまりなかったと言うことです。数年前の熱気は、 冷めてしまったようです。日本でも、あることが話題になると、 その話題ばかりが取り上げられます。雑誌の特集企画でも、各社企画するものですから、 どの雑誌でも、同じ話題が取り上げられ、同じ人たちが書いている、という現象が出てきます。 そしてしばらくすると、忘れられたようにこの話題はなくなります。 新聞社は、そのときの速報性を大事にするのでしょうから、 トピック性の話題に飛びつくのは、仕方ないと思います。ただ、出版社は、特に専門書出版社は、 少し慎重でありたいと思います。

 当社の場合は、話題になる前のトピックは、熱心に紹介してきました。 家族療法がはやる前に、家族療法を日本に紹介して来ました。 認知療法の最初の入門書を出版し日本に紹介してきました。ですが注目を集めてくると、 そこで止まっちゃうことが多かったようです。いいとなると、他の出版社が乗り出してきて、 競争になります。そういう時、周りがやっているのだから、 当社がやらなくてもと思って手を引いちゃうことが多かったなあ、と自戒しています。 競争心はないですし、売れるから出版するという商売根性にも欠けているようです。 使命感はあるんですけど。

 Why am I still depressed の前書きで、ある患者さんの言葉を紹介しています。 「私は、幸せになりたいなんて期待していません。ただ、この抑うつ感から抜け出たいのです」。 次の文章には、ドキッとさせられました「大量の抗うつ薬が処方されています。 海水を調べれば探知される量になっています。魚への影響も含めて、 環境へ与える影響もこれから考えていかなけらばならない」。

 カスタネダというひとが師事したインディアンのドン・ファンの言葉。 「見ることを知っているものは頭の中で世界を二つに分けたりしない。 ふつうのひとの世界と呪術師の世界は両方とも平等な現実だと知って、 まったく同時に同じ場所で二つの現実を生きられる。二つの中間に入り込んだときにしか、 見るってことは起こらない。コヨーテはしゃべったか? 信じることは呪術師の世界に釘付けにされることで、 信じなければふつうのひとの世界に釘付けにされてしまうのさ」

 私たちは、ふだんから二つの世界を同時に見ているのだろうか。 この、中間に入り込んだとき、唯一、楽なときなのか?条件の集まりに名前が与えられただけの現実が見えている間は、 窮屈で当たり前かもしれない。

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