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サイコパスは、日本語では精神病質と訳されるでしょう。ただこの精神病質という用語は、今はほとんど使われていないのではないでしょうか。40年ほど前は、かなりよく目にする用語でしたが、出版の世界で、30年ほど前からこの用語は使わないという風潮が出てきました。その当時、ロボトミーなども批判されてきたので、それとの関係もあって使われなくなったのだと思います。日本では、その後、ロボトミーは、まったく行われなくなったのでしょうが、イギリスでは、ずっと行われていたようです。
サイコパスは、情動障害であり、それが究極の形へと発展すれば、極度な反社会的行動を繰り返す危険性があると、著者は述べています。至急解明されるべき障害であり、解明なくして、サイコパスを効果的に治療することはできない、と言っています。
サイコパス研究は、日本においてこれまでタブー視されてきたのではないでしょうか。しかし日本においてもサイコパスの病態を明らかにすることは、危急の問題であると思われます。
本書は、内容の完成度も高く、論理が明解であるため、専門家はもちろん、専門外の読者でも容易に理解できる内容になっています。
2006年にアメリカのGuilford社からBreaking Murphy’s Law:How Optimists Get
What They Want from Life, and Pessimists Can Tooという本が出ました。著者は、著名なSuzanne C. Segerstrom博士です。本書を翻訳するに当たり、ポジティブ心理学ならば島井先生ということで、お願いしました。この翻訳は、「幸せをよぶ法則」というタイトルで当社から昨年出版されました。その翻訳出版をきっかけに、島井先生の書き下ろしで今回の「ポジティブ心理学入門」を出版させていただくことができました。
ポジティブ心理学は、人間のこころのポジティブな側面に焦点を当てます。その目指すところは、私たちのこころに備えられている豊かな働きを十分に生かすことによって、ひとりひとりが人生の充実を実現することに貢献することにあります。
本書を読んで、「幸せを呼ぶ生き方」を学んでください。
なくてもいい本、あってほしい本
いろいろな分野の出版物を出している出版社の場合、図書目録では精神医学関係の出版物は、精神医学の分類に入れられています。当社の場合、ほとんどが精神医学関係のため、そうはいきません。いろいろ細かくジャンル分けをするのですが、これがなかなかうまくいきません。診断名で分類するか、治療法で分類するか、学問分野で分類するか。例えば、うつ病の認知療法という本の場合、「うつ病」「心理療法」「認知療法」など、どこに入れてもいいわけなので、そのすべてに入れてしまうと、図書目録がどんどん厚くなってしまって、困ります。
市場に流通している出版物には、それぞれ図書コードが付されています。通常、カバーに、ISBN978-4-7911-0717-9 C3047のような英字と数字が印刷されています。このC以下の数字が分類コードなのですが、あまりにも大きな枠組みで、これをもとに図書目録の分類をするわけにはいきません。Cの次の3は、読者対象、この場合は、専門家向け、次の0は単行本、そのあとの47は医学、という意味です。心理学は11になります。こうすると、当社の本は、ほとんどこの47と11になってしまいます。
本のタイトルが内容を示しているものは、タイトルから検索はできます。「統合失調症から回復するコツ」というタイトルなら、探しやすいです。ですが「虹の架け橋」という本の場合、どの分野を探せばいいのか、首をひねってしまいます。
新しい図書目録を作るにあたって、頭をひねっているところです。
書店さんでも、棚分類をどうするか、悩みが多いようです。とくに精神科領域の本は、心理と医学の両方の分野にわたっています。書店さんによっては、医学の棚と心理の棚が別のフロアになっていることもあります。こうなると、読者が本を探すのにとても困難がともないます。
このような悩みも本が多いからでしょうか、大きな書店さんの精神医学の棚を見ていると、本当にたくさんの本があります。でもこれだけ本が出ていても、まだまだ必要な本が出版されていないという現実もあります。きっと出版されていなくてもいい本もたくさんあるのでしょう。
そうです、なくてもいい本ではなく、なくてはいけない本を出版できるように、これからも精進をかさねていきたいと強く願っている今日この頃です。
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