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星和書店
今月の新刊 next

サイコパス 冷淡な脳

サイコパス 冷淡な脳

サイコパスの謎を解き明かす

ジェームズ・ブレア、デレク・ミッチェル、カリナ・ブレア 著
福井裕輝 訳
四六判 上製 264頁 ISBN978-4-7911-0713-1〔2009〕
定価 2,940 円(本体2,800円)

サイコパスすなわち精神病質者への理解は危急の課題である。本書は、この疾患の定義から最新の生物学、遺伝学までを網羅し、幅広く病態への理解を促す。卓越した専門家による最前線の研究成果である。

ポジティブ心理学入門

ポジティブ心理学入門

幸せを呼ぶ生き方

島井哲志 著
四六判 並製 208頁 ISBN978-4-7911-0714-8〔2009〕
定価 1,890 円(本体1,800円)

喜び、熱中、幸福、生きがい、希望といった心のポジティブな面に注目する新しい心理学。心理学の基礎知識がなくても読むことができるようわかりやすく書かれたポジティブ心理学の待望の入門書。

  雑誌の最新号 next

精神科治療学
定価 3,024
月刊 精神科治療学 第24巻7号

特集: 向精神薬の「警告・禁忌・使用上の注意」

向精神薬の添付文書への注意を改めて喚起するために組まれた特集。特に注意を要する疾患として,心筋梗塞,緑内障,けいれん性疾患,糖尿病,前立腺肥大,呼吸機能低下,高齢者,パーキンソニズム,睡眠時無呼吸症候群の患者へ向精神薬を処方する際の添付文書上の注意点に加えて,エピネフリン,抗真菌薬,SSRIと向精神薬の併用の際の注意点を解説。

臨床精神薬理
定価 3,045
月刊 臨床精神薬理 第12巻8号

特集:新規抗うつ薬mirtazapineとは

このたびNaSSAという新しいカテゴリーの抗うつ薬mirtazapineがわが国で上市される。本特集は、第一選択薬としての位置づけが期待される mirtazapineについて、前臨床薬理作用や他の抗うつ薬との比較、有害事象、臨床薬理学的特徴、臨床エビデンスについて取り上げ、今後のうつ病治療における可能性も展望した。

精神科臨床サービス
定価 2,310
季刊 精神科臨床サービス 第9巻3号

特集:地域で元気に生活できるための退院支援

「入院医療中心から地域へ」という大きな潮流の中で,精神障害をもつ人の退院促進・地域生活支援の実態はどうなっているのか,何がそれを困難にしているのか,困難を乗り越えるにはどうすればよいのか――
本特集では,退院支援の現状を多角的に検証するとともに,病院と地域の双方が「ホンネ」と「コツ」を出しあい,システム作りの方法論と,身近な実践に使えるアイデアを提供する。

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こころのマガジン
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サイコパス  −冷淡な脳

サイコパスは、日本語では精神病質と訳されるでしょう。ただこの精神病質という用語は、今はほとんど使われていないのではないでしょうか。40年ほど前は、かなりよく目にする用語でしたが、出版の世界で、30年ほど前からこの用語は使わないという風潮が出てきました。その当時、ロボトミーなども批判されてきたので、それとの関係もあって使われなくなったのだと思います。日本では、その後、ロボトミーは、まったく行われなくなったのでしょうが、イギリスでは、ずっと行われていたようです。
サイコパスは、情動障害であり、それが究極の形へと発展すれば、極度な反社会的行動を繰り返す危険性があると、著者は述べています。至急解明されるべき障害であり、解明なくして、サイコパスを効果的に治療することはできない、と言っています。
サイコパス研究は、日本においてこれまでタブー視されてきたのではないでしょうか。しかし日本においてもサイコパスの病態を明らかにすることは、危急の問題であると思われます。 本書は、内容の完成度も高く、論理が明解であるため、専門家はもちろん、専門外の読者でも容易に理解できる内容になっています。

ポジティブ心理学入門

2006年にアメリカのGuilford社からBreaking Murphy’s Law:How Optimists Get What They Want from Life, and Pessimists Can Tooという本が出ました。著者は、著名なSuzanne C. Segerstrom博士です。本書を翻訳するに当たり、ポジティブ心理学ならば島井先生ということで、お願いしました。この翻訳は、「幸せをよぶ法則」というタイトルで当社から昨年出版されました。その翻訳出版をきっかけに、島井先生の書き下ろしで今回の「ポジティブ心理学入門」を出版させていただくことができました。
ポジティブ心理学は、人間のこころのポジティブな側面に焦点を当てます。その目指すところは、私たちのこころに備えられている豊かな働きを十分に生かすことによって、ひとりひとりが人生の充実を実現することに貢献することにあります。
本書を読んで、「幸せを呼ぶ生き方」を学んでください。


なくてもいい本、あってほしい本

いろいろな分野の出版物を出している出版社の場合、図書目録では精神医学関係の出版物は、精神医学の分類に入れられています。当社の場合、ほとんどが精神医学関係のため、そうはいきません。いろいろ細かくジャンル分けをするのですが、これがなかなかうまくいきません。診断名で分類するか、治療法で分類するか、学問分野で分類するか。例えば、うつ病の認知療法という本の場合、「うつ病」「心理療法」「認知療法」など、どこに入れてもいいわけなので、そのすべてに入れてしまうと、図書目録がどんどん厚くなってしまって、困ります。

市場に流通している出版物には、それぞれ図書コードが付されています。通常、カバーに、ISBN978-4-7911-0717-9 C3047のような英字と数字が印刷されています。このC以下の数字が分類コードなのですが、あまりにも大きな枠組みで、これをもとに図書目録の分類をするわけにはいきません。Cの次の3は、読者対象、この場合は、専門家向け、次の0は単行本、そのあとの47は医学、という意味です。心理学は11になります。こうすると、当社の本は、ほとんどこの47と11になってしまいます。
本のタイトルが内容を示しているものは、タイトルから検索はできます。「統合失調症から回復するコツ」というタイトルなら、探しやすいです。ですが「虹の架け橋」という本の場合、どの分野を探せばいいのか、首をひねってしまいます。

新しい図書目録を作るにあたって、頭をひねっているところです。
書店さんでも、棚分類をどうするか、悩みが多いようです。とくに精神科領域の本は、心理と医学の両方の分野にわたっています。書店さんによっては、医学の棚と心理の棚が別のフロアになっていることもあります。こうなると、読者が本を探すのにとても困難がともないます。
このような悩みも本が多いからでしょうか、大きな書店さんの精神医学の棚を見ていると、本当にたくさんの本があります。でもこれだけ本が出ていても、まだまだ必要な本が出版されていないという現実もあります。きっと出版されていなくてもいい本もたくさんあるのでしょう。
そうです、なくてもいい本ではなく、なくてはいけない本を出版できるように、これからも精進をかさねていきたいと強く願っている今日この頃です。

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