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星和書店
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こころの治療薬ハンドブック 第7版

こころの治療薬ハンドブック 第7版

精神科の主要薬剤のすべてを解説。
本年発売の最新薬まで網羅。

〔編〕山口登、酒井 隆、宮本聖也、吉尾 隆、諸川由実代
四六判 上製 332頁  ISBN978-4-7911-0770-4〔2011〕
定価 2,730円(本体2,600円)

精神科のほぼ全ての薬剤がそれぞれ見開きページで分かりやすく解説されており、専門家だけではなく、薬を服用する患者さんやその家族にもとても使いやすいと好評を博してきた本書の最新版。本年上市の新薬までを追加し、識別コード一覧も全薬剤に拡張した。向精神薬の処方、服用のポイントが満載。精神科の薬物療法に関心のあるコメディカルの方にも最適の書。

境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド

境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド

ベストセラー『境界性パーソナリティ障害=BPD』の著者が
苦悩するご家族のために、具体的な対処方法を紹介。

ランディ・クリーガー 著
遊佐安一郎 監訳
荒井まゆみ、岩渕デボラ、佐藤美奈子 訳
A5判 並製 344頁 ISBN978-4-7911-0766-7〔2011〕
定価2,835円(本体2,700円)

BPDをもつ人のまわりで苦悩する家族のために、本書は「5つのパワーツール」を紹介します。家族の人たちがBPDをもつ人からの非難を乗り越え、行き詰まり感をなくし、BPDをもつ人に話を聞いてもらい、自信をもって彼らとの境界を設定できるようになるための具体的な解決方法です。『境界性パーソナリティ障害=BPD』第2版と補完しあう内容となっています。

パーソナリティ障害の素顔

パーソナリティ障害の素顔

致命的な欠陥をもつ人たち

スチュアート・C・ユドフスキー 著
田中克昌、黒澤麻美 訳
A5判 並製 760頁 ISBN978-4-7911-0767-4〔2011〕
定価4,935円(本体4,700円)

本書は、パーソナリティと性格に障害をもつ人たちの臨床上の特徴や生物学的側面、心理学的側面、アセスメント、そして治療について、30年に及ぶ臨床経験から独自の見解を提供する。実際に治療した人たちの代表的なケースが数多く物語のように詳細に提示されているので、例外的なほど広範囲の読者にとって極めて読みやすく、わかりやすく、有益な書である。

抗うつ薬の真実

抗うつ薬の真実

抗うつ薬を飲む人、出す人へのメッセージ

田島 治 著
四六判 上製 320頁 ISBN978-4-7911-0768-1〔2011〕
定価2,940円(本体2,800円)

社会構造の急激な変化やストレス社会が招くうつ病の増加とその症状の多様化は、昨今の重要な社会問題となっている。本書では、長く臨床に携わってきた著者が、うつ病の実態やうつ病治療の新しい視点を追求しつつ、抗うつ薬の歴史、薬物療法の抱える問題点や課題を鋭く解説している。専門家ならではの深い洞察力と経験に基づく考察によって、うつ病や抗うつ薬に関する知識をより深めたいと思っている読者は「目からウロコ」の体験ができるはず。

  雑誌の最新号 next
精神科治療学
定価 3,024
月刊 精神科治療学 第26巻4号

特集:統合失調症患者の回復と生き方

DSM全盛の現在、統合失調症の診断治療は横断的対応に偏りがちで、長期経過や患者さんとじっくり付き合うという視点はおろそかになりがちである。しかし臨床では、すでに急性期から患者さんの生き方を見つめるという視点抜きには扱えない疾患であることも確かである。昨年秋に急逝された本誌編集顧問の永田俊彦先生の業績を紐解き、統合失調症者の生き方に関わる熟達の論考(寛解後疲弊病相、挿話性病理現象、砂丘現象、目覚めの体験など)に、気鋭の研究者が改めて光を当てた。永田の視点は今なお斬新で刺激的であり、実に活き活きとしており、今日の臨床にも有用な視点を提供している。

臨床精神薬理
定価 3,045
月刊 臨床精神薬理 第14巻5号

特集:向精神薬の剤型・用法を生かす工夫

向精神薬の様々な剤型(錠剤、液剤、口腔内崩壊錠、注射剤など)や服薬回数などの用法は、患者の服薬アドヒアランスに影響を与える。剤型選択や用法によって、pharmacokinetics等の生物学的因子や心理社会的因子、さらには有効性や随伴症状の出現がどのような影響を受けるのかを整理し、臨床的に有用な剤型・用法の使い分けについて検討した。
ISBN:978-4-7911-5163-9

精神科臨床サービス
定価 2,310
季刊 精神科臨床サービス 第11巻2号

特集:発達障害/発達特性から見えてくる臨床の工夫

日々の臨床サービスの中で,どうも支援がうまくいかない,かみあわない,治療関係が深まらない……そうしたケースの中には,発達障害や発達特性の問題が隠れているかもしれない。本特集では,発達障害を主診断としないケースであっても,「発達」という見立ての軸をもつことで治療や支援が効果的に進展する場合があることを,ライフサイクルや併存する症状別に多角的に示し,実践で活用できる支援の工夫を紹介する。
ISBN:978-4-7911-7142-2

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こころのマガジン
ADHDの新展開 発達障害国際シンポジウム 女木島2011
臨床心理士 あや先生のコラム 
Vol.6 魂科医 越智啓子先生のワークショップに行って来ました♪

一部ではすごく有名でファンも多いのに、心理士仲間では知らない人が多い越智啓子先生のワークショップに行って来ました。啓子先生はもともと精神科医で、今でも精神科領域の患者さんを沖縄の「啓子メンタルクリニック」で診ていらっしゃいますが、ご自身のことを魂科医と言っています。というのは、笑い療法、過去世療法、ヴォイスヒーリング、クリスタルヒーリング、アロマヒーリング、などを組み合わせ、患者さんの魂からのメッセージを通訳して伝えるということを主にされているからです。(西洋医学も大切だとおっしゃっていますが、啓子先生のもとを訪れる患者さんに役立つのは上記のような治療法だからそうされているようです。)

私は数年前、セルフヒーリングセミナーという4回セットのセミナーを受講したことがあり、ヴォイス・クリスタル・アロマ・カラーヒーリングを教えていただいたのですが、その時に啓子先生のやさしいあたたかいオーラに感動し、すっかりファンになりました。

著書もたくさんあるので読んで頂けると雰囲気がわかると思いますが、池川明先生との対談本『魂の処方箋』が一押しです。HPなどで啓子先生を見ると、みんなに笑って元気になってもらうため、また人生は舞台なんだから楽しみましょうというメッセージのお手本を示すかのように、舞台衣装のような格好をされているので、面食らう方も多いのですが、一度啓子先生に会うとそれも含めた魅力が伝わるのでは……と思います。

さて、この日のワークショップは「自分の宇宙とつながるマンダラワーク」でした。

まず啓子先生が、マンダラとはサンスクリット語で「聖なる円環」「聖なる中心」という意味で、チベットでは「マンダラは自己の本質を見れる窓」と言われている、などの説明をしてくれました。そして次にみんなでマンダラぬり絵をしました。市販されているマンダラぬり絵の本から6パターン、ネイティブアメリカンやチベットのマンダラや、キリスト教会のバラ窓をモチーフにしたマンダラなどが配られ、各自好きな物を選んでぬりました。マンダラぬり絵の効用としては、作業をしているうちに瞑想状態のようになるので、自分の思考パターンや問題解決のヒントに気付くとか、色のエネルギーを受け取ったり、その色から自分を感じたりということがあるそうです。

私はなんとなく魅かれたネイティブアメリカンのマンダラを選びました。ぬっている間、ぬり絵自体が久しぶりでわくわく楽しかったです。そしてやはりマンダラ効果でしょうか、中心に向かっていくような、どんどん自分らしさが前面に出てくるような感覚になりました。

30分ぬり絵をしたら、立ち上がって、会場にいる(この日の参加者は105名でした)みんなのマンダラを見て回りました。同じ素材を選んでも見事に色もぬり方も様々で、なんだか一人一人の個性が愛おしくなりました。

その後は瞑想の時間です。静かな音楽がかかる中、椅子に座って目を閉じてリラックスします。一人一人、短い時間ですが、啓子先生が全員を回ってヒーリングしてくれます。やさしいきれいな声でハミングしながら「生まれてきてくれてありがとう」など声をかけてくれます。その際、その人の魂からのメッセージを一言加えてくれます。私は今回「ご褒美いっぱいです」というメッセージをもらいました。前回(3か月前)は「自信を持って、次のステップへGO」と言われました。どちらも一般的で、それほど特別な言葉に聞こえないと思いますが、前回のメッセージをもらった後、1年くらい踏み出せずにいた課題に取り組むことになりましたし、今回のメッセージの後には本当にご褒美のようなラッキーがありました。別に私が誰とも、前回何と声をかけたかも覚えてないだろうに、いつもながら絶妙なメッセージが届くな〜とうれしくなりました。

瞑想の時間の後は、コンパスを使って自分でマンダラを描いて色をぬる、ということをしました。私自身はこれまでのパターンを変えたい気持ちもあり、今までの私だったらこうは描かないだろうというマンダラを描いて、原色でぬってみました。これも30分の作業の後、みんなで見比べたのですが、本当によく個性が出ていて、とても興味深かったです。よくまあこんなにというほど一人一人違って、今度心理テストの代わりにマンダラを描いてもらってもいいかも、と思ってしまいました。

そういえば、その日に聞いてふむふむと思ったお話があります。井上ひさしさんの戯曲だそうですが……

主人公?はユウレイで、誰かを恨んでやろう、「うらめしや〜」と訪れる先を探しています。こいつがいいんじゃないかと思ってその人の所へ行って「うらめしや〜」とやると、「いやいや待ってください、私には実はこういう事情が……悪いのはあいつなんです」と言われ、じゃあとそちらへ行って「うらめしや〜」とやるとまたもや「いやいや待ってください、私にはやむにやまれぬこのような事情が……悪いのはあいつなんです」と長々と身の上話をされ、何軒か回った時点で話を聞くのにいい加減疲れたユウレイは、あの人もこの人もそうせざるをえない事情があった、みんな仕方なかったのだ、ということは誰かを恨んでもしょうがないか、と光に還って行ったそうです。

この話を聞いて、自分自身の後悔の念がだいぶん楽になった気がします。というのは、今までに人からされた嫌なことについては、逆にその人の事情がよくわからない分、何か事情があったのかもしれないし、とある程度水に流すことが出来ていました。それよりも、自分がしてしまったことについては、自分の事情がわかっている分、仕方なかったとも言えるけど、でもそうじゃない選択肢もあったのでは、という後悔がありました。あまり過去をくよくよするタイプではないのでめったに思い出しませんが、ふとした時に、特に自分が誰かを傷つけてしまった過去の出来事が浮かんで「あ〜バカなことをしたなあ」と嫌になってしまうことがあったのです。でもなにか、たくさんのマンダラを見て一人一人みんな違うと実感したこともあってでしょうか、自分も含めて、ほんとにそれぞれ違うし、それぞれの事情があるし、といろんなことがどうでもよくなってしまいました(笑)。

いろんなことを恐れずに、もっと自由に自分らしく生きていきたいですね。

(尾方 文)
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