臨床心理士 のコラム
Vol.6 魂科医 越智啓子先生のワークショップに行って来ました♪
一部ではすごく有名でファンも多いのに、心理士仲間では知らない人が多い越智啓子先生のワークショップに行って来ました。啓子先生はもともと精神科医で、今でも精神科領域の患者さんを沖縄の「啓子メンタルクリニック」で診ていらっしゃいますが、ご自身のことを魂科医と言っています。というのは、笑い療法、過去世療法、ヴォイスヒーリング、クリスタルヒーリング、アロマヒーリング、などを組み合わせ、患者さんの魂からのメッセージを通訳して伝えるということを主にされているからです。(西洋医学も大切だとおっしゃっていますが、啓子先生のもとを訪れる患者さんに役立つのは上記のような治療法だからそうされているようです。)
私は数年前、セルフヒーリングセミナーという4回セットのセミナーを受講したことがあり、ヴォイス・クリスタル・アロマ・カラーヒーリングを教えていただいたのですが、その時に啓子先生のやさしいあたたかいオーラに感動し、すっかりファンになりました。
著書もたくさんあるので読んで頂けると雰囲気がわかると思いますが、池川明先生との対談本『魂の処方箋』が一押しです。HPなどで啓子先生を見ると、みんなに笑って元気になってもらうため、また人生は舞台なんだから楽しみましょうというメッセージのお手本を示すかのように、舞台衣装のような格好をされているので、面食らう方も多いのですが、一度啓子先生に会うとそれも含めた魅力が伝わるのでは……と思います。
さて、この日のワークショップは「自分の宇宙とつながるマンダラワーク」でした。
まず啓子先生が、マンダラとはサンスクリット語で「聖なる円環」「聖なる中心」という意味で、チベットでは「マンダラは自己の本質を見れる窓」と言われている、などの説明をしてくれました。そして次にみんなでマンダラぬり絵をしました。市販されているマンダラぬり絵の本から6パターン、ネイティブアメリカンやチベットのマンダラや、キリスト教会のバラ窓をモチーフにしたマンダラなどが配られ、各自好きな物を選んでぬりました。マンダラぬり絵の効用としては、作業をしているうちに瞑想状態のようになるので、自分の思考パターンや問題解決のヒントに気付くとか、色のエネルギーを受け取ったり、その色から自分を感じたりということがあるそうです。
私はなんとなく魅かれたネイティブアメリカンのマンダラを選びました。ぬっている間、ぬり絵自体が久しぶりでわくわく楽しかったです。そしてやはりマンダラ効果でしょうか、中心に向かっていくような、どんどん自分らしさが前面に出てくるような感覚になりました。
30分ぬり絵をしたら、立ち上がって、会場にいる(この日の参加者は105名でした)みんなのマンダラを見て回りました。同じ素材を選んでも見事に色もぬり方も様々で、なんだか一人一人の個性が愛おしくなりました。
その後は瞑想の時間です。静かな音楽がかかる中、椅子に座って目を閉じてリラックスします。一人一人、短い時間ですが、啓子先生が全員を回ってヒーリングしてくれます。やさしいきれいな声でハミングしながら「生まれてきてくれてありがとう」など声をかけてくれます。その際、その人の魂からのメッセージを一言加えてくれます。私は今回「ご褒美いっぱいです」というメッセージをもらいました。前回(3か月前)は「自信を持って、次のステップへGO」と言われました。どちらも一般的で、それほど特別な言葉に聞こえないと思いますが、前回のメッセージをもらった後、1年くらい踏み出せずにいた課題に取り組むことになりましたし、今回のメッセージの後には本当にご褒美のようなラッキーがありました。別に私が誰とも、前回何と声をかけたかも覚えてないだろうに、いつもながら絶妙なメッセージが届くな〜とうれしくなりました。
瞑想の時間の後は、コンパスを使って自分でマンダラを描いて色をぬる、ということをしました。私自身はこれまでのパターンを変えたい気持ちもあり、今までの私だったらこうは描かないだろうというマンダラを描いて、原色でぬってみました。これも30分の作業の後、みんなで見比べたのですが、本当によく個性が出ていて、とても興味深かったです。よくまあこんなにというほど一人一人違って、今度心理テストの代わりにマンダラを描いてもらってもいいかも、と思ってしまいました。
そういえば、その日に聞いてふむふむと思ったお話があります。井上ひさしさんの戯曲だそうですが……
主人公?はユウレイで、誰かを恨んでやろう、「うらめしや〜」と訪れる先を探しています。こいつがいいんじゃないかと思ってその人の所へ行って「うらめしや〜」とやると、「いやいや待ってください、私には実はこういう事情が……悪いのはあいつなんです」と言われ、じゃあとそちらへ行って「うらめしや〜」とやるとまたもや「いやいや待ってください、私にはやむにやまれぬこのような事情が……悪いのはあいつなんです」と長々と身の上話をされ、何軒か回った時点で話を聞くのにいい加減疲れたユウレイは、あの人もこの人もそうせざるをえない事情があった、みんな仕方なかったのだ、ということは誰かを恨んでもしょうがないか、と光に還って行ったそうです。
この話を聞いて、自分自身の後悔の念がだいぶん楽になった気がします。というのは、今までに人からされた嫌なことについては、逆にその人の事情がよくわからない分、何か事情があったのかもしれないし、とある程度水に流すことが出来ていました。それよりも、自分がしてしまったことについては、自分の事情がわかっている分、仕方なかったとも言えるけど、でもそうじゃない選択肢もあったのでは、という後悔がありました。あまり過去をくよくよするタイプではないのでめったに思い出しませんが、ふとした時に、特に自分が誰かを傷つけてしまった過去の出来事が浮かんで「あ〜バカなことをしたなあ」と嫌になってしまうことがあったのです。でもなにか、たくさんのマンダラを見て一人一人みんな違うと実感したこともあってでしょうか、自分も含めて、ほんとにそれぞれ違うし、それぞれの事情があるし、といろんなことがどうでもよくなってしまいました(笑)。
いろんなことを恐れずに、もっと自由に自分らしく生きていきたいですね。
(尾方 文)
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