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星和書店
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過敏性腸症候群の認知行動療法

過敏性腸症候群の認知行動療法

脳腸相関の視点から

ブレンダ・B・トナー、ジンデル・V・シーガル
シェラーフ・D・エモット、デービッド・ミラン 著
野村忍 監訳 菅谷渚、鈴木敬生、藤井靖 訳
A5判 並製 224頁  ISBN978-4-7911-0772-8〔2011〕
定価 3,465円(本体3,300円)

一般人口におけるIBS(過敏性腸症候群)の有病率は高いが、わが国における研究はいまだ乏しい。本書は、IBSに特化した認知行動療法の、わが国への導入の第一歩となる書である。理論と研究を概観して、認知行動的治療モデルを提示。さらに、著者らの研究に基づいて、アセスメントからセッション開始〜終了までの実施手順を、豊富な症例・脚本と共に詳述する。IBS患者にかかわる方のための実践的な1冊。

我々の内なる狂気

我々の内なる狂気

統合失調症は神経生物学的過程である

ロバート・フリードマン 著
鍋島俊隆 監訳
四六判 並製 336頁 ISBN978-4-7911-0771-1〔2011〕
定価2,730円(本体2,600円)

著者が主治医を務めた2人の患者の経過を追うことにより、統合失調症を脳と心の病気として紹介する。統合失調症は、最も特徴的な症状が思考の障害であることから、精神疾患の中でも最も特異で人間的な病気である。本書は、統合失調症を、心と体の二つの局面から同時に検討することで、どのような特徴的な神経機序が思考というプロセスに関係しているのかということを明らかにする。ビギナーにも理解できるように、シンプルな表現で記述されている。

  雑誌の最新号 next
精神科治療学
定価 3,024
月刊 精神科治療学 第26巻5号

特集:現代の思春期例をどう診るか I

思春期は、精神疾患の早期発症時期であり、また発達障害の人たちが重大な社会不適応を呈する時期でもある。そのため思春期の精神医学的介入は、すべての精神科医に重要な事項である。この特集では、今月と来月の2号にわたり、思春期という視点を軸に、攻撃性、ひきこもり、いじめ、性、自傷行為、パーソナリティ、発達障害の二次的修飾、さらには統合失調症や気分障害などの精神疾患の早期発症などいろいろな角度からテーマを設定し、面接、精神療法、入院治療、家族支援、薬物療法、他機関・他職種との連携等、臨床に資する論考をそろえた。児童青年精神医学のみならず、一般の精神科臨床にも役立つ特集。

臨床精神薬理
定価 3,045
月刊 臨床精神薬理 第14巻6号

特集:最新の精神科薬物治療ガイドライン

精神科領域で発表されている様々な薬物治療ガイドラインの最新情報を包括的に取り上げた特集。各ガイドラインには、EBMやコンセンサスなど策定方法の違い、また地域・時代背景・作成者・使用対象者の違いによって内容に相違が見られ、それらを理解して使用することが重要である。
ISBN:978-4-7911-5164-6

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こころのマガジン
臨床心理士 あや先生のコラム 
Vol.7 あんでるせん 〜すごかった! 固定観念が砕けました〜

長崎にある知る人ぞ知る、〈四次元パーラー あんでるせん〉。ここでは喫茶メニューを1つ頼めば、素晴らしいマジック? 超能力? SHOWを見せてくれます。マスターは、固定観念に縛られている人々をもっと自由にするということも目的の1つとしてやってらっしゃるそうです。

友だちが「〈あんでるせん〉って知ってる? とにかくすごいんだよ。もし興味があったら一緒に行こう。予約しておくよ」と誘ってくれたので、そのツアーに混ぜてもらったのですが、信じられないような逸話が色々あって行く前から興味津々でした。たとえば予約をしないで行った人が、たまたまお店がお休みの日でシャッターが下りていてがっかりしたところ、何やらシャッターに貼り紙が……「○○様 遠いところお越しくださって申し訳ありませんが、本日はお休みに……」。え? マスターは知り合いでもなんでもないのに? だいたい予約なしでいきなり行ったから自分が行くことなんて知らないはずなのに、なぜ名前が? ……そんなびっくり話がたくさんあるのです。

予約した時間より少し早めに着いたので、お店はまだ閉まっていました。外の看板にはしっかり「四次元パーラー」と書いてあります。少しすると今日予約をした他のお客さんも集まって来ました。中にはもう何度も来ているという方もいて「マスターって20年前から外見が変わらないのよね」など、またまた不思議な話を聞いてしまいました。

さて、シャッターが開いて階段を上がっていくと……、そこからすでに昭和にタイムスリップしたような感覚になりました。内装がなんともレトロなのです。いったい何年前からこのままなのだろう?と思うような……テーブルのいくつかは、昔インベーダーゲームをやったようなゲームの台でした。

そしてまず何かを注文しなければならないのですが、メニューを見ると、なるべくこの中から選んでくださいとかなり限定されています。マスターが1人で30人分作るので、時間のかかるメニューはご遠慮くださいということのようです。レトロな気分のままにミックスピザとソーダ水を注文し、出てくるまでしばらく店内を見ていました。

はじめに目に入るのは、たくさんの著名人のスナップ写真です。中にはあの鳩山幸さんや、歌手のAIKOさんの写真もありました。そんなに有名なお店だったんだ〜と改めて知りました。

他には細い口からどうやって入れたのか不思議な、スプーンが中に入っているビンとか、首のところがぐるぐるねじれて雑巾を絞ったようになっているコカコーラのビンとか、何やら不思議なものがたくさん並んでいます。ぐにゃっと曲がったフォークやスプーンもありました。結構時間が経ったけど、今何時だろう?と壁を見ると、なんと時計が逆回り! 一応時間はあっているのですが、鏡に映したように反転しているのです。何から何まで不思議な空間で、だんだん気分が盛り上がって来ました。

注文したピザとソーダは、懐かしい喫茶店のイメージそのままで、友だちが注文したカレーやフルーツサンドも美味しそうでした。
さて、みんなが食べ終わったらようやくSHOW TIMEです。マスターが「お待たせしました〜」とカウンターの所にやってきました。
お客さんはマスターを囲むように並んで見ます。

あんまりすごくて2時間ぼーっとなって見ていたので順番は忘れてしまったのですが、コインやお札を使った手品から始まったような気がします。たとえばお客さんから借りたコインを手のひらにのせて、もう片方の手は触れずに念力で粘土のように曲げてしまったり、コインが大きくなったり小さくなったりしました。お札の手品はもっとすごくて、まずマスターが「1万円札をどなたか貸してくれませんか?」と言うので私が渡すと、「諭吉さんにトランプのカードを覚えてもらいましょう」と、私たちには見えないように、そのお札にだけ1枚のトランプを見せます。次に指にお札を巻き付け筒状にし「諭吉さんが答えをしゃべります」と、その筒状になったお札を私の耳に押し当てたのです。すると……その筒から答えが聞こえてきました。声は確かにマスターの声なのですが、どうもお札を通して私にしか聞こえていないらしく「ねえねえ、何か聞こえる? ねえ、どうなってるの?」と隣の友だちがせっつきます。まるで腹話術の人形のようにお札がしゃべっているのです。私が聞こえたまま伝えると、見事に当たっていました。

他にはお客さんの名前を古い「壽」の字まで正確に当てたり(予約は電話で代表者の名前しか伝えていませんし、だいたい初対面で顔と名前が一致するはずもないのですが……)、それどころか若い女の子の彼氏の名前まで正確に当てたり(しかもその子が渡された紙に書き終わる前に、マスターの方が早く答えを書き終わってました)、ここまでくると手品というより超能力です。ちなみに私の友人が、後日妹さんと一緒に行った時は、その妹さんの彼氏の名前を当てられたそうです。しかも友人は妹の彼の名前を知らず、そこで初めて知ったとか……!

トランプの出し物ですごかったのは、トランプの大きさが変わるというものです。何がすごいって、大きさが変わること自体も普通にびっくりなのですが、箱から出して、トランプを大きくすると、もちろん元の箱のサイズには合わないので入りません。それを無理矢理入れようとすると……箱の中に入った部分は再び元のサイズに戻り、箱からはみ出している部分は大きいまま、つまりトランプがT字型になった状態で、しっかりストップしてみんなに見せてくれるんです。しかもお客さんとマスターは30センチくらいしか離れてないので誤魔化しようがありません。えぇ〜? なんで? 大きいとか小さいとかだけなら、何かトリックがあるんだろうと思いますが、途中の変形過程を見せられるともう訳がわかりません(笑)。

マスターはマジック?超能力?を披露しながら、ためになることもちょっとずつ言ってくれるのですが、その中で繰り返しの大切さ、ということについておっしゃっていました。詳しくはおっしゃらないので、意味は色々に受け取れるのですが、同じことを日々繰り返す中で、新しい発見ができるか、成長していけるか、が大切と教えてくださったのかな?と私は思いました。その瞬間、その時を大切に生きるということでもあるのかもしれません。

他にも固定観念が行動を制限している、固定観念をとればもっと自由に動ける、ということをゾウの話にたとえて教えてくれました。ゾウを小さいうちにロープで棒につないで、それ以上遠くへ行けないようにします。その棒は小さいゾウでは抜くことができないけれど、ちょっと大きくなれば抜けてしまうくらいの細さです。それでも小さいうちにこれ以上ロープは伸びないし、棒も抜けないと学習してしまったゾウは、体が大きくなっても逃げようとしないということでした。そのように、固定観念は私たちを縛っているというお話です。

2泊3日で行ったので、もう1日はハウステンボスなどを観光しようと思っていたのですが、あんまりすごかったので思わず翌日も予約して2日連続で見に行ってしまいました(笑)。数カ月前から予約する人もいて連日満員のようなのですが、明日空いてますか?と電話すると、ちょうど1席だけ空いていました。それも不思議というか、まるで用意されていたかのように感じてしまいました。

2日連続で行ってよかったのは、同じものを見ても受け取る側の姿勢によって気付きが全然違うんだ、と実感できたことでした。なので、その日のお客さんによって内容が違うらしいという噂も聞きましたが、もしかしてマスターは同じことをしているのに、見ている人が見ている物が違うのかもしれないな、と思いました。そういえば「受け取り方の違い」ということに関して、こんな話も聞きました。「たとえば男と女というだけでもすごく違うんですよ。買い物を頼まれてその品物を渡した時に『これどこで買って来たの?』と聞かれたとしますよね。男は『そこのコンビニで』と答えるけど、女は『何かいけませんでしたか?』と答える」。そのように本当に人って同じことを聞いたり見たりしても反応が違うんですね。さて、その日にそれを実感した出来事というのが……

2日目に行った時に私のすぐ横で見ていた人が
「1番上から見ていたからタネが見えたわ。でも夢を壊すから言っちゃいけないわね」
と帰り際、私に言ったんです。

え? タネも何もないような、初対面のお客さんの、それもいるかどうか確かめてもいない彼氏の名前を漢字まで正確に当てたのを一緒に見てたのに??? それにギネスを上回る速さ(8秒)で、しかも頭の上で見ないでルービックキューブを完成させたのも、さっき見たばっかりだし???

私たちは、自分の見ようとしているものしか見てないんだな、ということを痛感させられる一言でした。もちろん私がただ騙されやすいだけという可能性もありますが、あのすごさは、やはり一度自分の目で見ないとお伝えするのが難しく……。

例えば出し物の1つに、みんな同じトランプを見ているのに、トランプの柄が、お客さんの1人にだけは赤に見えて、他の人には青に見える、というのがありました。いったいどうなっちゃっているのかすごく不思議でした。その方は友だち同士で来ていたので「赤だよね」「えー何言ってんの? 青じゃん? 目おかしいよ」と2人でやりとりしていて、周りも「うん青だよね?」と言い合い、私の目にもしっかり青に見えて、その1人だけが赤にしか見えず首をかしげ、という不思議な状態になりました。マスターがちょっと合図したら、その1人にも青に見えるようになり……また合図したら今度は全員に赤に見え……いったい私が見ている世界ってどこまで正しいんだろう?とびっくりしてしまいました。

ぜひ一度行って、自分の固定観念が壊れる快感を味わってみてください(笑)。

ところで東京にも、マジック?超能力?を楽しめる所がありました。〈マジックバー 銀座 十時〉です。このお店ではステージショーの他に、各テーブルを回って目の前でマジックを見せてくれます。

スプーン曲げやトランプの手品の他、ステージショーではハトも出てきて、どれもびっくりの連続でしたが、たぶん詳しく話すと楽しみが半減してしまうので、最後に見て一番驚いたことを少しだけお話ししますね。

トランプを1枚お土産にくれるというので、選んだ1枚に自分の名前をサインしました。そしてその1枚を再びトランプの束の中に入れ、どんな手品が始まるのかな?と思って見ていると、あれ? さっきサインしたカードが見当たりません。え? どこに行っちゃったんだろう?
……すると思いもよらない、絶対不可能な場所にカードが移動していたのです!

 どう考えてもあれは手品ではなく超能力のような気がするのですが……。

こちらもぜひ、実際に行って自分の目で見て来てくださいね(^^)

(尾方 文)
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