●3 Tesla MRIによる視床下核の同定
佐々木真理
視床下核はパーキンソン病における脳深部刺激療法の標的として重要であるが,従来のMR画像では同定困難であった。3 Tesla超高磁場MRI装置と高いコントラスト分解能をもつFSTIR画像を併用することによって視床下核を同定することができる。視床下核は,乳頭視床路を通る冠状断にて,特徴的な層構造を呈する腹側視床の構造(Forel H1野,不確帯,Forel H2野)の下方に明瞭な低信号領域として認められる。その後方の断面では赤核の外側やや上方の低信号領域として認められる。水平断,矢状断画像でも視床下核が内側前方から外側後方に走行している状態が観察できる。3 Tesla MRIとFSTIR画像は視床下核刺激療法の標的決定の精度向上に寄与する可能性がある。
key words: subthalamic nucleus, short inversion-time inversion recovery, high field MRI