●妊娠期・産褥期の電気痙攣療法
渡邉 博幸
妊娠期・産褥期における重症の大うつ病・双極性障害・統合失調症に対して,修正型電気痙攣療法は有効かつ相対的安全性の高い治療とみなされている。しかし,本法は胎児への催奇形性については安全性が示されているものの,実施中あるいは実施後の一過性子宮収縮や切迫早産,誤嚥,胎児の一過性徐脈などを生じることが報告されており,これらのリスクについて産科医,麻酔科医等との協働の上,患者家族への説明,周到な準備,モニターが必要となる。
Key words:electroconvulsive therapy, depression during and after pregnancy, cardiotocogram, deceleration