■臨床経験 ●統合失調症患者の義務教育における就学支援
武田 隆綱
筆者は,これまでに思春期発病統合失調症患者に対する高等教育の就学支援について報告し,その重要性を指摘してきた。統合失調症では発病年齢が若いほど予後が不良とされているが,前思春期や思春期早期である義務教育在学中に発病する患者も少なくない。筆者は,発病年齢が義務教育在学中と若くても十分な就学支援によって義務教育を有意義に通過し,高校進学や就労などの次の段階に進むことができれば,患者の社会性の発達を促すとともに,予後を改善できると考えている。そのため義務教育在学中の患者では発病早期から薬物療法に加えて,就学支援を行い将来の高校進学や就労に向けて援助することが重要と考えられる。本稿では,まず義務教育在学中から高校進学に向けて就学支援を行った2 症例を呈示する。そして義務教育における就学支援の意義と適応,患者と家族への働きかけ,学校との連携の方法について述べる。
Key words:schizophrenia, early adolescence, compulsory education, school attendance support
本ホームページのすべてのコンテンツの引用・転載は、お断りいたします
Copyright(C)2008 Seiwa Shoten Co., Ltd. All rights reserved.