河上緒:老年期の神経病理学研究がもたらす成果とは.精神科治療学,37(11);1229-1233,2022.


p.1231に掲載の図1

 図1  ADの神経病理ステージ分類と疾患特異的神経病理像

図1  ADの神経病理ステージ分類と疾患特異的神経病理像

A:神経原線維変化のステージ分類1)

B:老人斑(Amyloid plaque)のステージ分類1)

C:Gallyas Braak(GB)染色による神経原線維変化

D:AT8染色による神経原線維変化

E:Aβ染色による古典的老人斑(中央に芯がある老人斑)とびまん性老人斑
F・G:presenilin1遺伝子変異(G384A)保有症例にみられる老人斑。30代で痙性対麻痺で発症し,重度の認知症を認めた症例2)であり,大脳新皮質においてcotton wool plaque(エオジン好性,銀染色陽性に染まる芯を欠いた巨大な老人斑)がみられる〔F:ヘマトキシリンエオジン(HE)染色,G:Methenamine銀染色〕。

Scale Bar:C・D 10μm,E-G 50μm

1)Braak, H. and Braak, E.: Neuropathological staging of Alzheimer-related changes. Acta Neuropathol., 82(4); 239-259, 1991.

2)大島健一, 土谷邦秋, 入谷修司ほか:痙性対麻痺とcotton wool plaquesを呈したpresenilin 1遺伝子変異(G384A)を伴う若年発症家族性アルツハイマー病の1剖検例.Dementia Japan,18(1);64-72,2004.

C-Eの画像は筆者(河上)撮影の初出。

F・Gの画像は本稿のために新たに池田研二先生(東京都医学総合研究所 認知症プロジェクト)より筆者(河上)へ提供されたもの。

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