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季刊

こころのりんしょう à·la·carte 第28巻04号

2009年12月

《今回の特集:精神科診断の新しい流れ:病名だけが診断ではない?》
精神科医療の診断は病名だけにとどまらず、パーソナリティ、ストレス、精神疾患などの総合的見方が重要なポイントとなってくる。第1部Q&Aでは、これまでの精神科診断の変遷、評価法の発展、DSMやICDの基本、治療への応用などついて分かりやすく解説。第2部では、身近な具体的なケースを見ながら、うつ病概念、パーソナリティ理論、生活史の測定方法、遺伝・環境要因などについて検討し、診断法の新しい流れを展望する。

ISBN:978-4-7911-6056-3


【特集】 精神科診断の新しい流れ:病名だけが診断ではない?

 北村俊則 編集
  • 特集にあたって
    北村俊則
第1部 精神科診断 Q&A集
Q1 精神科を受診したら,うつ病と診断されました。うつ病とは,どんな病気でしょうか?
Q2 うつ病と診断されたら,どのような治療を受けたらいいのでしょうか?
Q3 うつ病と診断されたら,自殺の危険性を考慮すべきでしょうか?
Q4 気分障害とうつ病とは,同じことでしょうか?
Q5 うつ病と躁うつ病とは,まったく異なる疾患なのでしょうか?
Q6 最初はうつ病と診断されていたのですが,後に境界性パーソナリティ障害と診断されました。診断が変わることはあるのですか?
Q7 どういう場合に,境界性パーソナリティ障害と診断されるのでしょうか?
Q8 リストカットがないから境界性パーソナリティ障害ではないと先生に言われましたが,リストカットが診断の決め手になるのでしょうか?
Q9 境界性人格障害と言ったり,境界性パーソナリティ障害と言ったりされますが,この違いは何でしょうか?
Q10 境界性パーソナリティ障害という診断がついたのですが,治療法はあるのでしょうか? 治るのでしょうか?
Q11 統合失調症の診断は,どのような場合につけられるのでしょうか?
Q12 統合失調症と間違われやすい疾患には,どのようなものがあるでしょうか?
Q13 統合失調症といっても,いろいろな症状があるでしょうが,それらがすべて統合失調症という1つの疾患名の診断になるのでしょうか?
Q14 診断とは,病名をつけることでしょうか?
Q15 精神科では,診断は何に基づいてなされるのでしょうか? 決まった診断基準があるのでしょうか?
Q16 診断基準には,何種類かあるのですか?
Q17 日本には,日本独自の診断基準はあったのでしょうか?
Q18 現在日本では,どの診断基準に基づいて診断がなされているのでしょうか?
Q19 ICDとは何ですか? DSMとは何ですか?
Q20 ICDやDSMなどが作られる前には,どのように診断がなされていたのでしょうか? 国によって違うでしょうが。
Q21 同じ患者さんを診ても,治療施設によって医師によって診断が違うということは多々あるのでしょうか?
Q22 日本ではどのような診断分類が用いられていたのでしょうか? いわゆる「従来診断」とはどのようなものなのですか?
Q23 DSMを用いれば診断の一致率は改善するのですか?
Q24 DSMは,操作的診断といわれますが,操作的とはどのような意味なのでしょうか?
Q25 精神科診断は面接で行われます。これは通常の医療面接とは異なるのでしょうか?
Q26 診断と治療とは,結びついているのでしょうか?
Q27 DSMは多軸診断といわれますが,多軸とはどういうことなのでしょうか?
Q28 症状からいくつかの診断が考えられる場合,症状に対して治療的かかわりがなされるのでしょうか?
Q29 病前性格やパーソナリティは,診断するうえで重要な要素でしょうか?
Q30 精神医学でパーソナリティはどう定義するのですか?
Q31 パーソナリティの分類はいろいろあるようですが,現在はどのように分類されているのでしょうか?
Q32 DSMのパーソナリティ障害とパーソナリティ研究はどのような関係にあるのでしょうか?
Q33 DSM・Ⅳなどの診断は,問診によって行われるので,科学的根拠が薄いという批判もありますが。
Q34 操作的診断基準で診断する際に使用する構造化面接とはどのようなものですか?
Q35 構造化面接を習得するにはどうすればよいのでしょうか?
Q36 面接で正確な診断をする工夫を教えてください。
Q37 DSMの5つの軸は,それぞれ関連を持っているのですか? 治療的に有意な関係があるのでしょうか?
Q38 何をもって異常と正常というのですか?
Q39 では精神症状は異常なのですか?
Q40 性同一性障害はなぜ病気なのですか?
Q41 人生上の悩みを訴えて来院する患者さんにも,診断をつけるのでしょうか? 悩み相談はどうでしょう? 診断がなされなければ,治療は行われないのでしょうか?
Q42 うつ病だと訴えて会社を休もうとする人もいるようですが,本当に病気かどうか診断するコツを教えてください。誤診や詐病などに対して,脳科学に基づく客観的な方法で診断できるでしょうか?
Q43 例えばうつ病と判断できる多くの人々は統合失調症と判断できる人とは別の人々ではないですか?
Q44 ひとつの疾患の中にいくつかの症候群があるのでしょうか?
Q45 パーソナリティ障害と精神疾患のコモービディティはあるのでしょうか?
Q46 こうしてみると一体,個々の精神疾患という概念はどのように規定すればよいのでしょう? 今後の精神科診断はどうなってゆくのでしょう?
Q47 診断をするうえで役立つバイオロジカルマーカーはありますか?
Q48 脳画像,PETなどで診断がつくようになってきたのでしょうか?
Q49 近赤外線スペクトロスコピー装置が注目されていますが,この装置はどのようなものなのでしょうか? 診断をするうえで役立つものでしょうか?
Q50 脳科学の進歩に伴って,診断が大きく変化してくる可能性はありますか?

第2部

〈対談〉精神科診断の新たな枠組み

  • ―なにが精神科診断か? どこまでが精神科診断か?
    北村俊則,古川壽亮
  • 病名診断だけが精神科診断ではない
    北村俊則
  • 気分障害と不安障害は本当に違う概念なのか?
    渡辺範雄
  • うつ病は広すぎる概念か?
    北村俊則
  • 乱用・依存から嗜癖へ:物質から行動へ
    渡邊淳子
  • 死別反応をどのように診断するのか?
    北村俊則
  • パーソナリティ障碍診断は新しいパーソナリティ理論からどのように見ることができるか?
    木島伸彦
  • パーソナリティ理論からうつ病の発症機構は分かるか?
    松平友見
  • パーソナリティから摂食障害へのつながり
    永田利彦
  • 生活史は測定できるか?:ストレス対処行動
    鹿井典子
  • 認知パターン:主に抑うつ症状との関連について
    田中奈緒
  • 生活史は測定できるか?:被養育体験
    竹内美香
  • 生活史は測定できるか?:成人のアタッチメント
    劉清波,高岸幸弘
  • 機能性疾患の再編成 ―ユーザーのための診断分類システムへ―
    松本ちひろ
  • 診断概念の変更でスティグマは消えるか?
    北村俊則
  • 精神疾患発症の遺伝要因と環境要因の関係は判明したか?
    田中俊輔,稲田俊也,有波忠雄
【連載】
  • アメリカ こころの臨床ツアー 第4回 
    丹野義彦
  • 認知療法NEWS 第51号
  • 日本EMDR学会ニューズレター 第19号
  • NPO法人 日本トゥレット協会会報 第26号
  • 第28巻総目次
  • バックナンバー案内


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