《今回の特集:統合失調症》
脳科学、画像研究の進歩にともない、統合失調症の研究においても新たな知見、新たな仮説が生まれている。また、薬物療法もさまざまに工夫がなされ、治療も入院中心から地域へと移ってきている。本特集では、大きな転換点を迎えている統合失調症の最近の動きに焦点をあわせ、症状や早期治療、再発予防、薬の副作用などに関する基本的知識および最新の研究について、一般の方や当事者も視野に入れた50のQ&Aと論説の2部構成でわかりやすく紹介。
ISBN:978-4-7911-6058-7
【特集】 統合失調症 |
Q1 | 精神疾患には,どのようなものがありますか? 統合失調症は,そのなかでもよくみられる障害でしょうか? |
Q2 | 以前は,「精神分裂病」という診断名が使われていましたが,「統合失調症」という用語に変わったのはなぜですか? |
Q3 | 「統合失調症」という名称に変わったことは,精神科医療にどのような変化をもたらしているでしょうか? |
Q4 | 120人に1人は発症するといわれている統合失調症とは,どのような病気なのでしょうか? 概略を説明してください。 |
Q5 | 統合失調症の最初の徴候はどのようなものでしょうか? 本人,家族あるいは周りの者が気づくことがありますか? |
Q6 | 統合失調症に特徴的な症状というのはあるのでしょうか? |
Q7 | 幻聴について,説明してください。 |
Q8 | 統合失調症で見られる「妄想」と,一般の人が抱く「猜疑心」,「自意識過剰」,「迷信」とは,どこが違うのでしょうか? |
Q9 | 陽性症状や陰性症状とは,どのような症状をいうのでしょうか? |
Q10 | 統合失調症における認知機能障害とは,どのようなことを言うのでしょうか? なぜ注目されているのでしょうか? |
Q11 | 統合失調症は脳の病気でしょうか? 脳にはどのような変化が生じているのでしょうか? |
Q12 | 統合失調症は最近増えていますか? また時代によって症状にも変化がありますか? |
Q13 | もともとのパーソナリティや行動特徴と統合失調症発症との関連はあるのでしょうか? |
Q14 | 統合失調症は遺伝するのでしょうか? 親戚に患者がいても,子どもが病気になる心配はないですか? |
Q15 | 家庭環境は統合失調症の発病に影響しますか? |
Q16 | ストレス脆弱性ということが言われますが,このストレスとか脆弱性とはどのようなことでしょうか? |
Q17 | ドパミン仮説が以前有力でしたが,今でも有力仮説の1つでしょうか? 最近の有力な仮説にはどのようなものがあるでしょうか? |
Q18 | 覚せい剤の使用によって統合失調症になることはあるのでしょうか? |
Q19 | 遺伝子研究が進んでいるようですが,それについて説明してください。 |
Q20 | 統合失調症の早期に治療を始めるのと,しばらくたってから治療をするのとでは,かなり治療結果に違いがでるのでしょうか? |
Q21 | 統合失調症の薬は,脳にどのように作用するのでしょうか? |
Q22 | 抗精神病薬の長期使用による副作用について,どのような問題に注意したらよいでしょうか? |
Q23 | リスペリドンやオランザピンなどを第二世代あるいは新しい抗精神病薬と言ったり,非定型と言ったりしますが,非定型とはどういうことを言うのでしょうか? |
Q24 | ハロペリドールなどの定型抗精神病薬とリスペリドンなどの非定型抗精神病薬の治療効果は違うのでしょうか? |
Q25 | 非定型抗精神病薬の副作用としてはどのようなことに注意すればよいですか? |
Q26 | 定型抗精神病薬で,病状が安定している場合は,非定型抗精神病薬に切り替えたほうがよいでしょうか? |
Q27 | いくつもの抗精神病薬がありますが,どれを使うかには,選択の基準のようなものがあるのでしょうか? |
Q28 | 統合失調症の治療を受けて,良くなっても服薬を継続しないといけないのでしょうか? その必要性があるとすれば,なぜでしょうか? 抗精神病薬は依存したり,だんだん効き目が弱くなって,服用量が増えたりしませんか? |
Q29 | 抗精神病薬の至適用量がPETで検討されていると聞いていますが,どのようなことでしょうか? |
Q30 | デポ剤もあると聞きますが,それについて説明してください。日本では,欧米ほど普及していないようですが,なぜでしょうか? |
Q31 | 統合失調症を持つ人の認知機能障害を改善する治療法には,どんなものがあるでしょうか? |
Q32 | 認知機能改善療法や心理社会的な治療を受ける場合は,抗精神病薬をやめてもいいですか? |
Q33 | 統合失調症の予後について教えてください。どのような経過をたどる病気でしょうか? |
Q34 | 病気の再発を予防するにはどうすればよいでしょうか? |
Q35 | 統合失調症の人は,入院治療が必要なのでしょうか? |
Q36 | 患者さんを対象とした疾患教育はどの程度行われていますか? それはどのような効果があるのでしょうか? |
Q37 | 日本の入院期間は長いといわれていますが,実際はどのくらいなのでしょうか? なぜ長いのでしょうか? 社会的入院とは? |
Q38 | 統合失調症の適切な入院期間というのはどれくらいでしょうか? |
Q39 | 現在,気分障害の患者さんが多く,精神科病院でもうつ病の患者さんの受診が増えてきているのではないかと思いますが,精神科病院の受け入れ体制も変化しているのでしょうか? |
Q40 | うつ病による自殺が大きな問題になっていますが,統合失調症においても自殺の危険性はありますか? |
Q41 | 統合失調症は予防ができるでしょうか? できるとすれば,どのようにすればよいでしょうか? |
Q42 | 統合失調症の治療における家族支援の重要性が言われていますが,そのいきさつを教えてください。 |
Q43 | 統合失調症の病態の臨界期とその時期の集中的治療の重要性が提唱されていますが,どのようなことでしょうか? |
Q44 | 統合失調症の治療は,英国やオーストラリア等ではチーム医療を基本としていますが,わが国ではなぜそうなっていないのでしょうか? |
Q45 | 統合失調症の早期発見・早期治療が可能になるには,どのような精神保健や精神科医療の体制が必要なのでしょうか? |
Q46 | わが国の統合失調症の医療を,入院中心から地域での医療に移行していくには,何が必要なのでしょうか? |
Q47 | 統合失調症の家族はどのような医療と保健サービスを望んでいるのでしょうか? |
Q48 | せっかく精神科を受診しても,中断してしまう患者さんが多いことが指摘されています。治療を継続してもらえるようにどのように医療サービスを改善したらよいのでしょうか? |
Q49 | 統合失調症のACTによる支援の意義を教えてください。 |
Q50 | 赤外線スペクトロスコピー(NIRS)が精神科ではじめての「先進医療」に認可されたそうですが,統合失調症の診断における意義を教えてください。 |
統合失調症の歴史―その治療と仮説が語るもの―
小野和哉,中山和彦
【連載】 |
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