年一回刊
治療の聲 第14巻1号最新号
2013年11月
《今回の特集》
特集1 統合失調症の治療課題
特集2 精神療法の危機と再生
統合失調症の治療課題とは何か? この本誌創刊以来問い続けられてきたテーマに改めて挑む。商業主義的なエビデンスの集積や、次々と新しく登場する疾患概念のために、本来、患者さんの生きる困難を第一に考えるべき本当の統合失調症の治療が衰退したと著者らは警鐘を鳴らす――統合失調症の治療は本当に進歩したのだろうか? 生物学、医療と福祉、医師-患者関係、薬物と治療抵抗性の問題など、さまざまな観点から問題を提起。また特集2では精神療法の教育に携わる第一人者らによる座談会、被災地で音楽による癒しを試みる精神科医による講演を収載。精神療法の今後の課題やあり方を考える刺激的な内容。
ISBN:978-4-7911-7718-9
- 特集にあたって—変わらないもの—
杉林 稔
- 統合失調症の生物学など
中井久夫
- この13年間,精神科治療は進歩したか
中里 均
- 統合失調症の約束の地,治療課題としての「治療の終焉」
高木俊介
- 「治療抵抗性」と言わないために
横田 泉
- 精神科病院における統合失調症の臨床で心がけていること,課題にしていること
工藤潤一郎
- あらためて,統合失調症を診る—折り返し地点に立つ(?)精神科医師の聲—
吉岡眞吾 小野寺美紀
- 彼女/彼たちの声に耳を傾けよう
阿瀬川孝治
- [座談会]構造化されつつある精神科臨床と教育に警鐘を
角野善宏,田中 究,岩井圭司
- 精神療法のこれから
角野善宏
- [講演]心のケアは「体」と「アート」に包んで
牧野英一郎
- 薬物依存症者に対する集団精神療法の試み—和歌山県立こころの医療センターにおけるSMARPPの実施報告—
佐伯明子,佐古宗一,田又稔博
- 統合失調症発症前からの「ズレ感覚」と「ズレ意識」について
三好典彦,佐野卓志
- 「安全感」を組み入れた強迫性障害心理教育の試み
大江美佐里,千葉比呂美
- 精神病理のおかしみ—統合失調症において統合失調症者とかかわる「私」の原論—
横田謙治郎
- 鈴木瑞実先生の思い出—惜しまれる早逝—
工藤潤一郎
- 鈴木瑞実 文献目録