季刊
精神科臨床サービス 第07巻03号
2007年07月
《今回の特集:新しい時代の精神科デイケア》
障害者自立支援法が施行され、医療法も改定された。また保険診療報酬基準の改定により、デイケアの利用期間と利用回数によっては保険診療の対象から外される場合も出てきた。 そうした精神障害者福祉と精神医療の大きな変革の中で、精神科デイケアは今後どのような役割を担うべきなのかが問われている。本特集は、デイケアについての現状の報告や、 未来への展望などをまとめた。
ISBN:978-4-7911-7127-9
第1章 総論
- わが国における精神科デイケア等の利用者の現状
竹島 正,長沼洋一
- デイケアの概念と精神医療における位置づけ
池淵恵美
- わが国における精神科デイケアの様々な形態と今後のありよう
大森まゆ,安西信雄
- 精神保健医療福祉施策の動向と精神科デイケアについて
鷲見 学
第2章 それぞれの施設のデイケアが担う機能――社会参加への道
- 精神科病院附属のデイケアが担うべき機能について
羽原俊明,武田俊彦
- 精神科病院デイケアの役割
須藤浩一郎,畠山隆広
- 急性期入院治療の強化に対応した精神科デイケア
辻 貴司
- 街での精神科診療所デイケアの機能
窪田 彰
- 社会参加への道―メンバーの希望を実現する精神科デイケア―
原 敬造
- 大学病院におけるデイケアの役割と課題―北大での実践から―
北川信樹,賀古勇輝,上野武治
- 大学病院デイケアが担う機能についての一考察―福岡大学病院精神神経科デイケアにおける実践の報告をもとに―
矢野里佳,松嶋 圭,高橋紀章ほか
- 東大病院リハビリテーション部精神科デイホスピタルとその役割
古川俊一,藤枝由美子,山崎修道ほか
- 急性精神病状態からの回復過程におけるデイケアのありかたの考察―脳の構造特性からの考察―
浅野 誠
第3章 特色のあるデイケア
- 思春期青年期患者のデイケアのダイナミクス
衣笠隆幸
- 薬物依存症デイケアは現代社会の切実なニーズである
榎本 稔,星島一太
- アルコール症とデイケア
小杉好弘
- うつ病,不安障害を対象としたデイケア
五十嵐良雄
- ネットワークを活用する不登校対応
榎本 稔,北澤 彰
- 認知症高齢者への集団精神療法(生活リハビリ活動)
高橋幸男
- 思春期デイケアと発達障害
鈴村俊介,市川宏伸
- 摂食障害のデイケア
上原 徹
- 「就労支援」を包含した新たな精神科医療デイケアの試み
向山晴子,星名 仁,平川千鶴ほか
第4章 各種の臨床技法のデイケアにおける生かし方
- IPS の活かし方
中原さとみ,中谷真樹
- デイケアにおけるSST
納戸昌子,吉田久恵,條川佐和
- デイケアにおける統合失調症への認知行動療法
舳松克代,水野雅文
- ピアサポートの展望,ピアスペシャリストの可能性
磯田重行,久野恵理
- WRAP :元気回復行動プラン
坂本明子
- デイケアにおける心理教育の意義と今後への期待
内野俊郎,牧田 潔
- 作業療法の臨床技法をデイケアで生かすには
大丸 幸
- 集団精神療法の視点から
稲村 茂
- 精神科デイケアにおける認知機能リハビリテーションの生かし方
岩田和彦
第5章 当事者・家族の声
- 精神科デイケアに望むこと――当事者の声
中禅寺春彦(仮名)
- 精神科デイケアに望むこと――家族の声
村山隆文(仮名)
連載
- 老いゆく精神科医
第3回 存在の軽き美と――重き美
安永浩