季刊
精神科臨床サービス 第08巻01号
2008年01月
《今回の特集:ふだんの面接に生かせる精神療法のエッセンス》
これまでに、認知行動療法、集団精神療法、ブリーフセラピーなどすぐれた精神療法が編み出され、それぞれ成果をあげている。しかしながら1人の治療者が、多様な発展を遂げている精神療法の技術に広く習熟することは現実的には困難である。そこで、各々の精神療法のエキスパートから精神療法のエッセンスを盗みとり、ふだんの面接に上手に生かしていくために本号を特集した。
ISBN:978-4-7911-7129-3
【特集】 ふだんの面接に生かせる精神療法のエッセンス
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第1章 総論
- ふだんの面接に生かせる精神療法のエッセンス―統合失調症の人への認知行動療法の応用―
池淵恵美
第2章 さまざまな治療技法をふだんの面接にどう生かすか
〈グループホーム/居住施設〉
- 対人関係に問題を抱える入居者への支援
田中洋平
- 恋愛に関する相談の場合
相川章子
〈就労支援センター〉
〈入院施設〉
- 病棟の雰囲気が治療的ではない場合
相田信男
- すぐ退院したがり,あるいは退院したがらず治療にならないとき
五味渕隆志
- 入院患者の執拗な確認行為に対するアプローチ
飯倉康郎
〈外来〉
- うつ病患者への休業から復職までの多面的支援―ケースワーク・生活指導・薬物療法・精神療法―
北島潤一郎
- 病識が乏しいケースとの接し方―TPOに気をつけながら病識を育てよう―
原田誠一
- 性的逸脱への対応
嶋田博之
- カップルの危機としての葛藤
平木典子
- 家族との連携が難しいとき
三輪健一
- 希死念慮を訴える患者への対応
西 大輔,松岡 豊
〈デイケア〉
- 病状にもとづく行動障害
浅野弘毅
- スタッフへの攻撃と治療的対応
狩野力八郎
- デイケア外での問題行動をどう扱うか?
稲村 茂,工藤郁恵
- 問題行動を繰り返す困難事例への支援
尾崎多香子,窪田 彰
〈訪問サービス〉
- 訪問拒否・訪問拒絶にならないための支援―信頼をつないでいくために―
四辻直美,佐藤良行,小田 潤
- アウトリーチで「家族関係」を扱う
渡邉雅文
- いわゆる「依存傾向」と訪問援助サービスについて
―対人援助サービスにおける依存をめぐって考えておくべき若干のことがら―
高木俊介
第3章 疾患ごとにみた精神療法の生かし方
- パニック障害―パニック発作を繰り返す場合
船山 正,古川壽亮
- 摂食障害―家族の対応としての家族同席面接―
鈴木廣子
- 精神科診療所におけるBPDのクライエントへの対応
東健太郎
- 面接のなかで出会う「発達障害」
伊藤亜矢子
- ひきこもりの精神療法におけるヒント
斎藤 環
- 遷延したうつ病
広瀬徹也
- 身体表現性障害への対応
井上洋一,小笠原将之
連載
気質論と精神科治療および臨床サービス