季刊
精神科臨床サービス 第11巻01号
2011年1月
《今月の特集:アウトリーチで変わる精神科臨床サービス》
診察室や相談窓口に「来てもらうサービス」から,支援を必要としているところへ「出向くサービス」へ――。「必要としている人ほどサービスが届かない」というわが国の精神保健医療福祉のあり方を転換させる方法論として,今,アウトリーチ型の支援が切望されている。本特集では理想論に陥ることなく,さまざまな現場で実現可能なあるべきアウトリーチの姿を浮き彫りにする。
ISBN:978-4-7911-7141-5
第1章 総論:アウトリーチの理念・基本的な考え方を知る
- いま,なぜアウトリーチか:対応すべきニーズと対象層,期待される役割,発展可能性
大島 巌
- アウトリーチ支援の国際標準と新しい動向
三品桂子
- こころの健康を守る政策として求められるアウトリーチ
福田正人,萱間真美,西田淳志,田尾有樹子,高木俊介,渡邊博幸,伊藤順一郎
- アウトリーチをサービス全体にどう位置づけるか
窪田 彰
第2章 アウトリーチの始め方・進め方:利用できる制度早分かり
- 公的精神保健福祉機関によるアウトリーチ
小川一夫,川関和俊
- 医療機関におけるアウトリーチ:どのような制度を利用し,始め,進めるか
澤 温
- 福祉サービスにおけるアウトリーチ
吉田光爾
- 独立型訪問看護ステーション
瀬戸屋希
- ホームヘルプサービス
清水由香
第3章 さまざまなアウトリーチのニーズに対する支援:現状と課題
- 退院促進支援
金川洋輔
- 支援のない方たちへのアウトリーチ
寺田悦子,中野るみ子
- 地域生活の維持安定:無床精神科診療所での実践から
東健太郎
- ACT(包括型地域生活支援プログラム)の現状と課題
足立千啓
- 精神障害者家族会が行うボランティアを活用した訪問支援サービスの可能性 :「窓の会」の取り組みから
大山早紀子,小松正泰
- クラブハウスの友愛訪問:ひとりぼっちにならない,させない相互支援システム
宗像利幸
- 就労支援1:精神科診療所から:企業・支援機関との連携
田川精二
- 就労支援2:デイケア
池田真砂子
- 早期支援サービスにおけるアウトリーチ
石倉習子,瀧本里香,吉崎清子,中込香織
- 家族全体を支援する
増田一世
第4章 アウトリーチ支援で用いられる援助技術
- アウトリーチでやっていいこと,やってはいけないこと:臨床倫理の観点から
梁田英麿
- ひきこもり支援における関係づくりの援助技術
新村順子,近藤直司
- 精神障害者ホームヘルプサービスにみる関係づくりのあり方
三田優子
- 継続的な家族支援:制限のなかでの工夫
池田耕治
- 動機づけ面接
小畔美弥子,原井宏明
- 訪問サービスにSSTを活かす
本間 真
- 「はやく ゆっくり」:ぴあクリニックACTにおける外出支援
上久保真理子
- 就労支援におけるアウトリーチ支援
根本真理子
- アウトリーチによる園生活・学校生活の支援
濱島 努
連載
- 白衣を捨てよ,町へ出よう〈第3回〉ストレングスモデルという関わり
伊藤順一郎