季刊
精神科臨床サービス 第11巻03号
2011年7月
《今月の特集:安全・安心の精神科臨床サービス:どこでも役立つリスク軽減の方法と実践》
精神科臨床における「安全・安心」を考えると,リスクマネジメント,ヒヤリハット報告,行動制限などに目がいきがちですが,それが優先され過ぎると患者のリカバリーを阻害してしまうことになりかねません。本特集では,支援者と当事者が同一場面における「安全・安心」を交互に述べることでそのジレンマに正面から向き合うとともに,医療観察法病棟における安全への取り組みの最先端,コンコーダンススキル,アドボカシーなど,病院や地域のあらゆる現場で参考となるノウハウを伝えています。
ISBN:978-4-7911-7143-9
【特集】 安全・安心の精神科臨床サービス:どこでも役立つリスク軽減の方法と実践
|
|
第1章 総論:精神科臨床サービスにおける安全・安心とは?
- 安全・安心の精神科臨床サービス:基本的な考え方と技術
安西信雄,伊藤淳子
- 「リスク」と「安全・安心」を支援者はどう考えるべきか:リスクマネジメントとストレングスモデルの融合
鶴見隆彦
第2章 利用者が安心できる医療保健福祉サービスとは?:当事者の立場/支援者の立場
- 初めての受診[当事者の立場]不安に寄り添い,説明を
澤田優美子
- 初めての受診[支援者の立場]はじめての精神科診療所
秦知津子,若林保江,大畑早紀,平林玄,田中みちこ,園部徳江,田川精二
- とても具合が悪かったとき(急性期入院)[当事者の立場]精神的および注射の副作用による急性期入院
広田和子
- とても具合が悪かったとき(急性期入院)[支援者の立場]急性期入院治療における安心・安全:医療提供側の課題
平田豊明
- 長く入院していたとき(回復期)[当事者の立場]病後について
鈴木喜男
- 長く入院していたとき(回復期)[支援者の立場]長期入院者に対する安全安心の医療・福祉サービスについて
今村剛久
- デイケア[当事者の立場]デイケアでのトラブル
石橋 誠
- デイケア[支援者の立場]安心・安全なデイケアであるために
高橋 馨
- 就労支援[当事者の立場]仲間とともに働くコミュニティーの大切さ
中野 学
- 就労支援[支援者の立場]Nさんの事例を通した就労支援活動
近藤友克
- 結婚・出産[当事者の立場]結婚・出産・子育て
向井めぐみ
- 結婚・出産[支援者の立場]結婚・出産・子育て
伊藤恵里子
- 訪問サービス[当事者の立場]タイムリーな訪問,24時間電話,柔軟な支援
テラオ
- 訪問サービス[支援者の立場]ACTの実践から利用者の安心を考える
藤田大輔
- 長い入院から退院したとき[当事者の立場]あすなろ会退院者の声:自分たちにとっての安心できる生活とは
渡辺彬子
- 長い入院から退院したとき[支援者の立場]安心して地域生活を送るために支援者は何ができるか--
宮部真弥子
- 当事者の安心と安全とは
竹内政治
- 当事者のパートナーとして必要なのは,情報・学習・相談
竹内高子
第3章 安全・安心を保障する技術
- 情報を共有する技術とその意味
安保寛明
- アドボカシーという方法論:自己決定力の向上を促す寄り添いのプロセス
伊藤亜希子
- 精神科入院医療機関における入院患者の不安や不満,苦情などへの対応:医療観察法における指定入院医療機関などでの取り組みを中心に
三澤孝夫
- 暴力のリスク・アセスメントとリスク・マネージメント
吉川和男
- クライシスプランの作り方:医療機関
平林直次
- クライシスプランの作り方:地域
佐賀大一郎
- WRAPの「クライシスプラン」体験記:1人ひとりが,自分についての専門家
増川“ねてる”信浩
- 暴力への対応:CVPPP
下里誠二
- 行動制限最小化委員会の取り組み
黒木規臣
連載
- 白衣を捨てよ,町へ出よう
〈第5回〉 アウトリーチにおける危機介入について(2)
伊藤順一郎
- 精神科臨床サービスでEBPプログラム・EBPツールキットを活用する
〈第2回〉 ACTプログラムでEBP ツールキットを活用する:実践現場での実施方法,各施設での実施・普及
久永文恵,原子英樹