季刊
精神科臨床サービス 第13巻01号
2013年1月
《今月の特集:「ピア」が拓く新しい支援》
ピア(精神的困難を経験した人)によるサポート活動は,リカバリーやエンパワーメントの観点から,世界的にもその有効性が認められている。我が国でも,ピアカウンセリング,退院促進事業のピアサポーター,専門職としての当事者サービス提供者まで,多様な形で広がりつつある。本特集では,世界と日本の動向を検証し,ピアスタッフ本人,支援を受けた側,雇用サイドの率直な声に学びつつ,専門職と当事者のパートナーシップや精神保健福祉サービスそのものに新たな地平を拓く「ピアによるサポート活動」の可能性を探る。本邦初のチャレンジングな特集!
ISBN:978-4-7911-7149-1
第1章 総論:ピアが私たちのサービスに与えるインパクトとは
- 「ピアサポート」というチャレンジ:その有効性と課題
大島巌
- ピアサポーター活動から見える新しい支援の関係性
門屋充郎
- 当事者が望むピアサポート活動とパートナーシップのあり方
宇田川健
第2章 私の「ピアによるサポート活動」体験
- 地域で生きるなんて簡単!
そんなふうに言える社会になってほしいな:ピアサポーターが実現してくれる世界
丹羽陽子
- ピアサポーターとして退院に関わって
辰村泰治
- ピアの支援で退院した経験:人間の尊厳を取り戻して
三石麻友美
- 就労支援におけるピアの役割
中原さとみ,飯野雄治
- ピアサポーターは仕事です
吉田由記子
- ピアサポーターの生かし方
柳 春海
- 私はこうしてピアサポーターになった
新垣晴久
- ピアによるサポート活動を支援して
岡田智子
- ピアサポーターを雇用して
野口博文,永武まさ子,中西章子
第3章 ピアはどんな場所で,どんな活躍をしているか
- 巣立ち会におけるピア活動とは
小林伸匡,田尾有樹子
- 地域移行・地域定着支援におけるピアサポーター活動:ふあっとモデル
東美奈子
- 大阪府の精神障害者ピア・ヘルパー制度について
行實志都子
- JHC 板橋会における当事者活動:JHC 板橋会が培い,あたためてきた ピア・サポートの成果
宗像利幸,渋谷 正,田村文栄
- 地域活動支援センターのピアスタッフの役割と展望
磯田重行
- 自分の強みとすべての経験を活かして精神保健福祉士として働く
小川瑛子
- ACT チームにおける当事者スタッフ
鈴木 司
- 過渡的雇用におけるピアサポートの役割
澤田優美子
- WRAP の「ファシリテーター」体験記:1人ひとりが,自分についての専門家
増川ねてる
- ピアによるひきこもり支援
成瀬榮子
第4章 ピアサポート活動の始め方・進め方
- 精神科病院においてピアサポート活動をどのように始め,定着させるか:精神的困難を経験した人たちと一緒に働く経験から学んだこと
中谷真樹
- ピアスタッフとして働きやすい環境とは
添田雅宏
- ピアサポーターの活動を広げるための取り組み:日本における研修・相互支援体制
土屋 徹
- クラブハウスにおけるパートナーシップ形成
寺谷隆子,宗像ハツミ,下田路子,西根博貴
- アメリカの実践例
相川章子
- イギリスの精神保健福祉サービスにおけるピアサポート:リーズ市・ブラッドフォード市での実践
平 直子