季刊
精神科臨床サービス 第13巻04号
2013年10月
《今月の特集:地域ケアのグッドプラクティス》
精神障害者を地域で支えるためには,医療と福祉の「包括的」な「連携」,そして「ネットワーク作り」が必要と繰り返し説かれます。しかし,どうすればそれが実現できるかについてはマニュアルやガイドラインがあるわけではなく,先行する実践から学ぶことが唯一最善の方法です。本特集では地域ケアの「グッドプラクティス(優れた取り組み)」を全国から集め,その実践知をお伝えします。複雑化,細分化を続ける制度を理解するため,「誰にでもわかる地域生活支援制度」をQ&Aで構成しています。
ISBN:978-4-7911-7152-1
第1章 総論:地域ケアにおけるグッドプラクティスとは?
- 包括的地域ケアをめぐる動向と実践の方向性
上野容子
- 包括的精神科地域ケアにおける医療の役割:多機能型精神科外来を精神科地域ケアのセンターに
窪田 彰
- 精神保健福祉の「地域生活支援」:川崎市での変遷
楜澤直美
第2章 包括的地域ケアのポイント:グッドプラクティス集
- 福島:ほっと悠:職員の志と力量と愛情の深さが,彼らの成長を左右する!
村田純子
- 高知:さんかく広場:よさこい高知で包括的「地域」支援は始まるか……!?
武田廣一
- 地域ネットワーク多摩:ネットワーク形成を事業化する試み
添田雅宏
- 群馬の保健活動:担い手は自治体保健師
長谷川憲一
第3章 当事者が考える「よい地域ケア」のポイント
- 人の中での癒しと成長
後藤圭介
- 統合失調症で働く
小谷香代
- 地域で普通に生きる
津野昭雄
- 精神科治療のオルタナティブと地域に欲しい社会資源
香澄 海
第4章 包括的地域ケアの構成要素【コンポーネント】(市川モデル):支援プロセスとしての視点から
- 市川の精神保健医療福祉のシステムを俯瞰する
伊藤順一郎,品川眞佐子,酒井範子,武田裕美子,渡辺由美子
- 市川市における相談支援・ケアマネジメントの展開:システムのつなぎ手として
芦田真伍,吉田光爾,松尾明子
- ACTの強みと課題:市川市での経験を通して
足立千啓,上田昌広,増子徳幸
- 市川市における就労支援の展開
大島みどり,下平美智代
- 訪問による生活訓練のもたらしたもの:市川市における実践の歩み
遠藤紫乃,吉田光爾,品川眞佐子
- ピアとの協働:市川市「ForUs」での経験から
内山みか,小林園子,武田裕美子
- 市川市における住居支援のこれから
吉田衣美,上田昌広,近藤昭子,品川眞佐子
第5章 地域で頑張る医療・保健活動
- 北海道:デイケア・クリニックほっとステーション:“つながって3年以上”=“デイケア依存”なのか
長谷川直実
- 仙台:原クリニック:自立支援事業所を併設した多機能型精神科診療所の取り組み
原 敬造
- 静岡:メンタルクリニック・ダダ:クリニック発信の幼児療育から就労,単身生活までのネットワーク
大嶋正浩
- 大阪:三家クリニック:ひきこもり・外来ニートVS多機能型精神科診療所
三家英明
第6章 地域ケアの制度やサービスをどう使えばいいの?
- 誰にでもわかる地域生活支援制度
岩崎 香
- こんな時どうする? 地域ケア実例Q&A
吉田みゆき