月刊
精神科治療学 第25巻05号
2010年05月
《今月の特集:今日の精神科臨床で出会うアディクション》
アディクションの病理の本質は「やめることができない」点にある。ここに明確に焦点を当てて治療に当たらないかぎり、「人格」「成熟」の問題と捉えてしまい、いつまでも苦手意識をもつことになる。薬物療法一本やりの治療とは異なる「薬をやめる」 ことに主眼を置いたアディクション臨床は、精神科医としての「引き出し」を確実に増やし、当事者から学ぶ姿勢は臨床感覚の死角を減らす。アディクション臨床の珠玉の治療経験がここに結集。
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【特集】 今日の精神科臨床で出会うアディクション
- 特集にあたって
鈴木國文
- アディクション―精神科医が「否認」する「否認の病」―
松本俊彦
- 精神病性障害と物質使用障害の併存性障害について―精神病性併存性障害3症例への考察―
池田朋広、森田展彰、梅野 充、他
- 不安障害とアディクション
田中 聡
- 摂食障害のアディクション的側面
鈴木健二
- 物質使用障害と心的外傷
森田展彰、梅野 充
- 発達障害とアディクション―病的賭博を中心に―
朝倉 新
- 病的ギャンブリング(いわゆるギャンブル依存)の概念とその回復支援について
佐藤 拓、宮岡 等
- インターネット依存、携帯依存、買い物依存は「依存」なのか?
古橋忠晃
- うつ病の薬物療法と抗うつ薬アディクション
田島 治
- アルコール依存症治療の新たな展開
宮川朋大
- 薬物依存治療の新たな展開
小林桜児
- 生き延びるための支援を―薬物依存症女性の支援を通して精神科医に伝えたいこと―
上岡陽江、川端知江
- 〔臨床経験〕窃盗癖(病的窃盗)について―集中内観療法を施行した2症例の検討―
河本泰信
研究報告
- 服薬満足度アンケートからみた患者による副作用の主観的評価
中村晋児、本間貴宣、福智寿彦、他
臨床経験
- 中年期の就労と自我同一性危機
中村晃士、瀬戸 光、沖野慎治、他
- Quetiapine抵抗性の幻視にaripiprazoleが奏効したレビー小体型認知症の1例
野澤宗央、藤城弘樹、野澤詠子、他
図3 脳血流SPECT 後頭葉にびまん性の血流低下
- Paroxetineによるactivation syndromeに対してolanzapineが奏効したパニック障害の1例
中村大介、河田祐輔
カレント・トピックス
- ロシアの私立精神科診療所と小精神科病院を訪ねて―ロシアの精神医療の歴史に言及して―
下中野大人
連載
〔オピニオン〕
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