月刊
精神科治療学 第25巻11号
2010年11月
《今月の特集:診断・治療のための生活歴、現病歴、家族関係》
操作的診断のもと、急性期治療に重点が置かれるようになった現在、長い時間軸の中で治療を組み立てる視点がおろそかになっている。「症候」中心の横断面に加えて、「生活歴」「現病歴」「家族関係」といった縦断面の情報を得て治療に活かすことは、精神科臨床においてはとりわけ重要である。そうした精神科治療を組み立てるための具体的な臨床実践に光を当てた、必読の特集。
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【特集】 診断・治療のための生活歴、現病歴、家族関係
- 特集にあたって
鈴木國文
- 生活歴、現病歴、家族関係―「現実」概念と患者の立てる Plan―
鈴木國文
- 家族関係を知って治療に生かすこと―神経症水準の病態を中心に―
木村宏之、合澤 祐、宮原研吾
- 統合失調症の顕在発症に先行する病態について―顕在発症までの比較的長期間を観察しえた2例から―
岩井圭司
- 統合失調症―発症前における出生時期、幼児期、児童期、思春期の特徴をめぐって―
小椋 力
- 感情障害―軽微双極性障害(soft bipolar disorder)の鑑別と生活歴―
阿部隆明
- 広汎性発達障害―成人の自閉症・アスペルガー障害の患者を診る際に知っておくべき幼児期、児童期の情報、家族に関する情報―
野邑健二
- 境界性パーソナリティ障害の生活歴・現病歴・家族関係
林 直樹
- てんかんと生活歴
兼本浩祐、大島智弘
- 認知症―治療に役立つ病歴上の情報、介護および対応という視点から―
天野直二、市川かおり、犬飼清香
- 高齢者の精神病性障害の診断について―生活歴と現病歴、鑑別診断の視点から―
古茶大樹
- 摂食障害―治療戦略を考えるための患者情報の得かた―
高橋恵理
- 物質依存症―治療戦略に役立つ生活歴、現病歴、家族関係―
松本俊彦
- 〔オピニオン〕アナムネーゼ聴取の落とし穴―パトゾフィーに照らして―
弘末明良
研究報告
- 兵庫県立光風病院における静脈血栓塞栓症の予防ガイドライン―単科精神科病院の取り組みとして―
玉田 有、平田尚士、白井 豊
- 睡眠関連食行動障害の臨床的特徴に関する検討
小口芳世、駒田陽子、井上雄一
臨床経験
- 夜間せん妄とrestless legs syndromeを伴い、薬剤の中止により消失した睡眠関連食行動障害の一例
河野公範、稲見康司、宮岡 剛、他
- Cyanamide大量服薬後にLance-Adams症候群を呈した一例
國芳浩平、松岡稔昌、堀田雄介、他
- 復職支援デイケアで広汎性発達障害の特徴に配慮した援助が復職につながった一例
菅原ゆり子、尾中啓枝、佐合静子、他
- 心因性発作により救急外来頻回受診に至った身体表現性障害患者への介入過程―臨床心理士によるアセスメント・コーディネート―
谷口敏淳、竹田伸也、田治米佳世
追悼
連載
〔オピニオン〕
- 現在の自殺予防対策に対しての提言―自死への呼称変更で期待できること―
大塚明彦
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