月刊
精神科治療学 第26巻07号
2011年07月
《今月の特集:サイコオンコロジーの現場から I ―緩和ケアにおける精神医学的問題―》
がん患者の増加に伴いサイコオンコロジーの重要性が増し、さらに緩和ケアの診療報酬が加算され、一般精神科医もこの分野への参加、協力、助言などを求められる機会が増えている。今号と次号では、現在のサイコオンコロジーの臨床における重要な問題をできるだけ網羅的に特集。今号は特に緩和ケアにおける精神医学的問題(患者と家族の多様な苦痛とそのマネジメント、実存的苦痛の精神療法、終末期の苛立ちや攻撃性、せん妄への対応、オピオイドの副作用としての精神症状とその対応、抑うつと不安への対応、家族ケアと遺族ケアなど)を取り上げた。今号と次号をあわせると、サイコオンコロジーの今日的問題の理解に役立つ。
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【特集】 サイコオンコロジーの現場から I ―緩和ケアにおける精神医学的問題―
- 特集にあたって
堀川直史
- がん患者と家族の多様な苦痛とそのマネジメント
平 俊浩,内富庸介
- 緩和ケアを受けるがん患者の実存的苦痛の精神療法―支持的対応のなかで患者を支える―
堀川直史
- 緩和ケアを受けるがん患者の実存的苦痛の精神療法―構造をもった精神療法―
明智龍男
- 終末期に強い苛立ちと攻撃性を示す患者―その心理学・精神病理学的理解と対応―
河瀬雅紀,羽多野 裕,山田美和
- 終末期のせん妄の理解とマネジメント
木下寛也
- オピオイドの副作用として生じる精神症状―理解とマネジメント―
岡島美朗
- 緩和ケアを受けるがん患者の抑うつと不安に対する薬物療法
大島淑夫,清水 研
- 終末期がん患者における精神刺激薬の使用
小川朝生
- 重要な鎮痛補助薬としての向精神薬
仙波純一
- 緩和ケアの重要な一部としての家族ケアと遺族ケア
小林未果,松島英介
研究報告
- 一時期男性としての生活史を思い出せなくなった性転換症女性例―隠蔽されたgender identityの復興―
塚本 壇,池田官司,小笠原雅美、他
臨床経験
- 周期性四肢運動障害と睡眠関連下肢こむらがえり,および睡眠時無呼吸症候群を併発した不眠症の1例
山下智子,辻 誠一,河野公範、他
- Mirtazapine投与によって顕著な肝機能の障害を見た2症例報告
山口 聡
- Blonanserinへのスイッチング開始後に難治性の仙骨部褥瘡が治癒した統合失調症の1例
田中増郎,鷲田健二,武田俊彦
- Risperidoneからaripiprazoleへの置換後に統合失調症後抑うつが改善した2例
宇井るい,佐藤康一,小西 健 他
- 罹病期間が長く長期隔離を余儀なくされた統合失調症難治例に対するblonanserinの効果
巽 新吾,福島泰輔,石井利恵
資料
- 労働者のメンタルヘルス不調事例にみられた最初の徴候と,当事者があればよかったと思った早期支援の内容
鈴木麻揚,谷 伊織,大久保 豪、他
連載
〔報告ファイル―震災支援の現場から―〕(新連載)
- 東日本大震災,気仙沼での医療支援の記録
倉持 泉,堀川直史
〔薬物の影響を疑う〕
- Amitriptyline の投与中に要素性幻聴と思考化声を呈した反復性うつ病性障害の1例
宇賀治佑輔,渡辺健一郎
〔知っておきたい症状用語〕
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