月刊
精神科治療学 第27巻02号
2012年02月
《今月の特集:精神科医の多剤併用・大量処方を考える II》
統合失調症の多剤併用、大量処方が解決されぬまま、最近は抗うつ薬や抗不安薬、さらには気分安定薬や抗認知症薬の処方も問題となっている。安易な薬物療法や大量処方は自殺を目的とした過量服薬や身体救急にまで影響が及ぶ。精神科医の治療が精神医学界以外で大きな問題となっていることを精神科医は十分知っておくべきであろう。本特集では、多剤併用、大量処方の現状を知り、どのような対応が可能かについて考える。
※精神科治療学は最寄りの書店様にご注文いただくか、弊社営業部(TEL 03-3329-0031)までお問い合わせください。
【特集】 精神科医の多剤併用・大量処方を考える II
- 認知症進行抑制薬における2剤併用(donepezilとmemantine)の意義と問題点
矢﨑健彦,市川かおり,天野直二
- 監察医務院から見えてくる多剤併用
福永龍繁
- 多剤併用と医療システム―新たな分析方法の提言―
山内慶太
- 気分障害治療における多剤併用がもたらす精神症状の複雑化
田島 治
- 薬のまえに療養指導
井原 裕
- 薬理学的プロフィールの違いに基づく多剤併用の問題点
仙波純一
- 抗精神病薬単剤化の試み
森 秀徳,武田俊彦
- 向精神薬の適応用量はどう決まるか
高橋道宏
- 多剤併用・大量処方と精神科地域連携―うつ病を中心に―
大石 智
- 薬物の大量処方で起こりやすい有害作用―睡眠障害を中心に―
工藤耕太郎
研究報告
- 性同一性障害を主訴とした女性との面接過程
土橋功昌,西江雅彦
臨床経験
- 脳外傷による通過症候群に対して薬物療法と早期非薬物的介入を用いて就労となった1症例―治療から社会参加支援まで―
浦上裕子,富岡純子,有馬早苗
- Mirtazapine(NaSSA)とduloxetine(SNRI)の増強療法が遷延化した顕著なうつ状態に奏効した老年期うつ病性障害の1例
岩崎真三
- Mirtazapineを投与後に生じた全身性のけいれん発作に続きspike―wave stuporを呈した1例
五十嵐健史,塚本 壇,早坂宏之,他
- 遅発性錐体外路症状のため車椅子ごと転倒を繰り返すようになった頭部外傷後遺症の一例
山本和央,中島亮太郎,三木政人,他
連載
〔報告ファイル―震災支援の現場から―〕
- 東日本大震災・気仙沼市での活動報告―自治医科大学精神医学教室こころのケアチーム―
小林聡幸,齋藤暢是,菊地千一郎 他
〔オピニオン〕
- 「見える」「分かる」日本精神保健福祉学会―新たな精神保健福祉学の構築―
大西次郎
〔自著海外誌論文の紹介〕
- 心理・社会的不快感尺度(PsDS)の開発―日本人乳がんサバイバーにおける信頼性・妥当性の検討―
土屋雅子,サンドラ・ホーン,ロジャー・インガム
年間購読について
年間購読のお申込はショッピングカートではできません。カート内の会計を済ませた上、ご注文下さい。