月刊
精神科治療学 第27巻04号
2012年04月
《今月の特集:正常との境界域を診る》
近年、統合失調症、うつ病などが軽症化し、またうつ病概念が拡大している。さらに境界例、ADHD、ひきこもりなどのより軽い病態に治療の焦点が移行しつつある。本特集では他に職場不適応、広汎性発達障害、自閉症スペクトラム障害、解離など正常と病理の境界域を取り上げ、ノーマライゼーションやレジリアンスなど最近のトピックスも取り上げた。今日の精神科臨床に役立つ特集。
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【特集】 正常との境界域を診る
- 特集にあたって―なぜいま「正常との境界域」を取り上げるのか―
鈴木國文
- 正常と異常に関する精神医学固有の難しさ
古茶大樹
- 大うつ病概念によるうつ病概念の拡大はなぜ起きたのか
阿部隆明
- 境界領域としての働く場―適応と不適応―
白波瀬丈一郎
- 広汎性発達障害とスペクトラム概念
内山登紀夫
- 自閉症スペクトラムの末端にいる人たち
中塚尚子
- 文化の中にみる解離現象
江口重幸
- 「正常」から「異常」へ越境するimaginary companion
澤 たか子
- 医療は「ひきこもり」現象をどう引き受けるのか
斎藤 環
- 世界に広がる「ひきこもり」現象
堀口佐知子
- 統合失調症のノーマライゼーションとポストモダン―いわゆる輪郭不鮮明型の精神病理についての一試論―
田中伸一郎
- 統合失調症治療におけるレジリアンス
小林聡幸
- 「普通倒錯」という概念と時代の精神
古橋忠晃
- 「普通精神病」の指し示すもの
小林芳樹
研究報告
- 認知機能リハビリテーションの実施と有用性について―統合失調症の一例から―
渡邊由香子,袖山明日香,松田康裕,他
臨床経験
- セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬とセント・ジョーンズ・ワート含有飲料の併用により精神運動抑制になった1例
大原由久
- Mirtazapineにolanzapineの付加・併用療法が奏効した初老期,老年期うつ病の2症例
今中章弘,高見 浩,箱守英雄,他
- Fluvoxamineの増量が有効であった自己臭妄想症の一例
清水義雄
資料
- 男性自殺既遂者におけるうつ症状の世代別特徴―心理学的剖検を用いた検討―
勝又陽太郎,松本俊彦,赤澤正人,他
連載
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