月刊
精神科治療学 第30巻07号
2015年07月
《今月の特集:持効性注射製剤の意義再考》
いま、改めて見直したい持効性注射製剤(デポ剤)。わが国では抗精神病薬の持効性注射製剤はかつて強制的な治療に使用されたことから、いまだに多くの精神科医や患者が敬遠し、使用率は低いままである。しかし統合失調症の再発・再入院に有用であることなどから再評価されるべき製剤であると思われる。本特集は外国の使用状況としてイギリスを取り上げ、また適応と副作用、使用方法、倫理について解説。さらに最近、問題となったゼプリオンの死亡例に関連して、ゼプリオンから何を学ぶか、というコラムを複数の著者がそれぞれの立場から執筆。今後、持効性注射製剤を使用する際の指針となりうる特集。
JANコード:4910156070757
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【特集】 持効性注射製剤の意義再考
- 特集にあたって
宮岡 等
- イングランドにおけるデポ剤の使用状況─南ロンドンの精神保健専門NHSトラストにおける経験─
赤沼のぞみ,David Taylor
- 持続性抗精神病薬の用量の決め方
田鳥祥宏,小林啓之
- 持効性抗精神病薬注射剤の薬物動態と臨床的考察
鈴木映二
- 持効性注射製剤の注意すべき副作用
渡邉純蔵
- デポ剤とドパミン過感受性
内田裕之
- 持効性注射製剤の患者への受け入れ促進をめざして─GAINアプローチを用いた患者との共同作業の試み─
八重樫穂高,藤井康男
- 新旧デポ剤をどう使い分けるか─第二世代は第一世代より優れているか─
山下佑介,三宅誕実,宮本聖也
- デポ剤を急性期に用いる意義と問題点
宮田久嗣,石井洵平,小高文聰
- 経口薬と比較した抗精神病薬持効性注射剤(LAI)の再発予防効果
岸本泰士郎
- 第2世代抗精神病薬の持効性注射剤(LAI)の効果および継続率の検討とクリニカルパスの提案
竹内一平,藤田 潔
- デポ剤と医療倫理
宮地伸吾
〔コラム:ゼプリオンから何を学ぶか〕
- ゼプリオンから何を学ぶか
久住一郎
- Paliperidone palmitateを使用する患者さんの安全確保のために一精神科医が考察したこと
鈴木映二
- ゼプリオンの死亡リスク─11,000対32の意味をコンスタやインヴェガとの比較で考える─
武田俊彦
- ゼプリオンから何を学ぶか
根本豊實
- ゼプリオンから何を学ぶか
村上 忠
研究報告
- Clozapine投与中に血小板減少症を呈した統合失調症の一例
倉田明子,住井公美,清水浩子 他
短報
- Paliperidone投与に起因すると推定されるFDP D─dimerの異常高値を呈した急性一過性精神病性障害の一例
古田晶子,里村恵美,黄田常嘉 他
臨床経験
- Carbamazepineにより薬剤性過敏症症候群drug-induced hypersensitivity syndrome(DIHS)を呈した強迫性障害,境界性パーソナリティ障害の1例
和田 明,花見由華,菊池信之 他
- 産褥精神病の再発予防に関する精神科的介入の可能性─Lithiumを予防投与した1例をふまえて─
齋藤慎之介,須田史朗,齋藤こよみ 他
- 算数ドリルが妄想に有効であったレビー小体型認知症の一例
大川慎吾,大西道生,大植正俊
連載
〔付添人の窓─弁護士の見た医療観察法─〕(第5回)
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