月刊
精神科治療学 第33巻06号
2018年06月
《今月の特集:カタトニア(緊張病)の診断・治療を問う》
2017年の日本精神神経学会のシンポジウム「カタトニア(緊張病)の治療を問い直す」はことのほか盛況だった。このように再び注目を集めているカタトニア。本特集では、時代とともに変遷するカタトニア(緊張病)の概念と診断・治療を取り上げた。Kahlbaumのカタトニー、Kraepelinの早発性痴呆緊張型、Langeのカタトニー概念、そしてFink
& Taylorのカタトニア。統合失調症の一型なのか、独立した臨床単位なのか、疾患横断的な症候群なのか? 今日の操作的診断における位置づけは? このように疑問が尽きないカタトニア。日常臨床を確かなものにするには、"今"を歴史の中で相対化することが欠かせない。本特集には、まさにそうした論文が集まり、読み応え十分。
JANコード:4910156070689
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【特集】カタトニア(緊張病)の診断・治療を問う
- 特集にあたって
古茶大樹
- 最近のカタトニア(緊張病)の概念
三好功峰
- カタトニアの「操作的診断・治療」化
上田 諭
- Fink とTaylor はカタトニアを統合失調症から解き放った─神経学的症候群としての再評価─
村松友佳,大前 晋
- カタトニアに対するベンゾジアゼピン治療と電気けいれん療法(ECT)
坂寄 健
- カタトニアの薬物療法(維持療法を含めて)
八田耕太郎
- 昏迷とカタトニア(緊張病)再考─妥当性問題とその先─
安来大輔
- さまよえるカタトニー概念─Kahlbaum の野心にみちた船出と,Kraepelin たちの難航をきわめた着岸─
大前 晋
- 精神疾患における運動障害─カタトニー(Kahlbaum),運動精神病(Wernicke),精神運動障害(Kleist)における問題提起とその現代的意義─
松下正明
- カタトニアにおける両価性を拒絶症から読み解く─Bleuler, E. の緊張病論─
玉田 有
- フランスのカタトニア概念
濱田秀伯,山本保天
- 非定型精神病とカタトニア
須賀英道
- 抗NMDA 受容体脳炎とカタトニア
筒井 幸,馬越秋瀬,神林 崇 他
- 解離とカタトニア
柴山雅俊
- 発達障害とカタトニア─自閉スペクトラム症を中心として─
小野和哉
- 理念型としての緊張病
古茶大樹
〔資料〕総合病院精神科リエゾン活動において緊張病と診断された症例の検討─器質性緊張病に注目して─
仙波純一
研究報告
- 児童・思春期の大うつ病性障害の症状軽減時期把握のための研究
佐々木博之,松本武士,城野 匡 他
海外文献ジャーナルクラブ
- ニューロダイバーシティ─自閉症と精神医学の革命的概念─
鷲見 聡
連載
〔オピニオン〕
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