月刊
精神科治療学 第34巻06号
2019年06月
《今月の特集:臨床に役立つ精神病理学》
精神科臨床では、患者の発する「ことば」が診断や治療の根拠として重要。いまだ実用化された生物学的マーカーがほとんどない精神科臨床において、患者の「ことば」をそのまま受け止めて考え抜く精神病理学は、操作的診断基準や評価尺度よりも患者や病態への理解を深めることができ、適切な治療にも役立つ。本特集では、精神病理学を知らない、あるいは臨床にどう役立つのかわからないという若手精神科医にも、その基本的な考え方をわかりやすく解説。精神病理学の方法論を活用し、臨床をより豊かにするために必読の特集。
JANコード:4910156070696
※精神科治療学は最寄りの書店様にご注文いただくか、弊社営業部(TEL 03-3329-0031)までお問い合わせください。
【特集】臨床に役立つ精神病理学
- 特集にあたって
岩井圭司
- 精神病理学のことばと患者のことば─共有は可能か─
清水光恵
- 精神病理学は医学なのだろうか
兼本浩祐
- 精神病理学と生物学の連携─ありうべき方法論─
前田貴記
- 精神症状の「記述」ということ
杉林 稔
- 不安,恐怖,抑うつ─精神病理学からみたその関連─
小林聡幸
- 「内因性」とは何か
古茶大樹
- トラウマと解離の精神病理学
堀 有伸
- 摂食障害の精神病理─臨床的印象に立ち返って─
野間俊一
- 喪と悲嘆の精神病理─喪の抑うつは,うつ病とどう違うのか─
清水加奈子
- 嗜癖の精神病理─その根底にあるもの─
斎藤 環
- 発達精神病理学の現在
黒木俊秀
- 情報通信技術や機械学習を用いた精神症状定量化への取り組みと計量的精神病理学の可能性
工藤弘毅,岸本泰士郎
- 精神療法を生物学化する─精神病理学から見たうつ病炎症仮説─
井原 裕
- 精神病理学からわが国の臨床心理学界への貢献に向けて
岩井圭司
カレント・トピックス
- 臨床研究法について─法の対象になる研究と今後の課題─
中田はる佳
臨床経験
- 複数の医療施設を経由し,スムーズに福祉施設入所につなげられた前頭側頭型認知症の一例
佐竹祐人,森 康治,佐藤俊介 他
資料
- 中高年層ひきこもり者の現状と課題─40歳以上ひきこもり者の相談状況から─
山下倫明,浜田千登勢,馬渕伊津美 他
総説
- GSK3とドパミンに注目したステロイド誘発性双極性感情障害の発症機序
高橋 教,塩飽裕紀,田村赳紘 他
年間購読について
年間購読のお申込はショッピングカートではできません。カート内の会計を済ませた上、ご注文下さい。