月刊
精神科治療学 第34巻09号
2019年09月
《今月の特集:精神医学における様々な仮説とモデルの今Ⅰ》
日々の臨床は仮説を立てることから始まる。臨床に限らず、科学的知見は仮説を立てることにより得られる。仮説を立てることの重要性は、今日のEBMや実証主義全盛の時代でも変わらない。精神疾患の成因や病態には数多くの仮説が存在するが、本特集では今号と次号の2号にわたり、それら様々な仮説を「神経科学的仮説」「疾患モデル、パラダイム」「実証されていない(されなかった)仮説群」の3つに分けて取り上げた。今号ではそのうち「神経科学的仮説」として統合失調症をはじめとする主な精神疾患の成因や病態に関する仮説を詳細に解説。精神科医なら必ず知っておきたい仮説やモデルを網羅した必読の特集。
JANコード:4910156070993
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【特集】精神医学における様々な仮説とモデルの今Ⅰ
- 特集にあたって
岩井圭司
- 統合失調症のドパミン仮説の現在
伊藤侯輝,久住一郎
- 統合失調症のグルタミン酸仮説
車地暁生
- 統合失調症の神経発達障害仮説再考
笹林大樹,鈴木道雄
- 統合失調症の神経炎症仮説
門司 晃
- 統合失調症のオメガ3 脂肪酸仮説
髙橋 隼,里神和美,鵜飼 聡
- 統合失調症と妊娠期ウィルス感染
松原ひかり,村田 唯,文東美紀 他
- ドパミン過感受性─その概念と予防・治療─
太田貴代光,新津富央,伊豫雅臣
- うつ病のモノアミン仮説の現在
廣瀬智之,柳 雅也,白川 治
- うつ病のコルチゾール仮説
中川 伸
- 気分障害のミクログリア仮説
加藤隆弘
- パニック症の生物学的仮説としての“stress─induced fear circuitry disorders”概念について
塩入俊樹
- 強迫症の成因仮説
松永寿人,林田和久,前林憲誠
- 臨床試験による自閉スペクトラム症のオキシトシン仮説の検証
山末英典
- 統合失調症の病態モデルとしての覚せい剤逆耐性現象
曽良一郎
研究報告
- 持効性抗精神病薬注射剤による重篤な有害事象とその治療─ 3 例の経験から─
近江 翼,木口雄之,藤見 聡 他
臨床経験
- Aripiprazole によるギャンブル障害の誘発が考えられた統合失調症の症例にblonanserin への置換が有効であった経験と文献的考察─ドパミンD3受容体をめぐる依存,アディクションの問題─
芦沢 健,古屋 葉,佐藤正俊 他
- 抗NMDA 受容体脳炎の一例─辺縁系の関与を示唆する精神医学的症状としての既視感─
植野仙経,山崎信幸,三木健児 他
カレント・トピックス
- 新たな疾患としての「ゲーム障害」の現状
三原聡子,樋口 進
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