年一回刊
治療の聲 第10巻01号
2010年1月
《今回の特集:症例検討会の心得》
精神科臨床に重要な意味を持つ症例検討会の意味、功罪、技法論についてさまざまな立場から論ずる。「治療の索引づくり」「ディスカッションする能力」などの魅力的な視点を提示。さらに、九州大学と神戸大学の合同による緊張感漂う検討会の記録を2つ紹介した。また、前号に続く、中井久夫氏のレクチャー「中井久夫、描画症例を語る2」。多彩な描画療法を展開した15名の症例について、多くの描画作品を紹介しながら治療の経過を詳細に追う貴重な内容。
ISBN:978-4-7911-7714-1
- 特集にあたって ―症例検討会の心得―
杉林稔
- よい症例検討会とは何か
横田泉
- 良い症例検討会を構成する要素 ―初心へのこだわり―
小川恵
- 症例検討会をめぐる連想
阿瀬川孝治
- 症例検討会という場 ―ディスカッションする能力と臨床家の責任―
吉岡眞吾
- 私が今あるのは ―胸に残る2つの症例検討会―
高木俊介
- 〈症例検討会1〉行動化を契機に治療が進展した慢性統合失調症
濱田伸哉 ほか
- 〈症例検討会2〉発達障害と解離症状が疑われた男児
杉山かおり ほか
- 多重人格の治療を通して学んだこと
青山慎介
- 言葉に抗して声とともに ―「臨床の詩学」再考―
松澤和正
- 統合失調症患者の生きる世界と精神行動特性 ―精神科リハビリテーションの場をめぐって―
広沢正孝
- 認知行動療法における焦点化と〈のびやかさ〉との関係 ―柔軟性を得る方法―
大江美佐里
- 患者さんが語るということ
中村真理子
- 青年期抑うつ気分についての医療人類学的考察 ―ディスチミア親和型うつ病を手懸かりとして―
大月康義
- 石牟礼道子の文学と統合失調症
横田泉
- 中井久夫,描画症例を語る2 ―風景構成法誕生の頃―
(聞き手)杉林稔 ほか