デプレッション・カリカチュア
精神科開業医が現代のうつ病診療に関する疑義を中心にしたためたオピニオン集。60年前に2万人程度だったうつ病患者がいまや120万人を突破した。感染症でもないうつ病がなぜそんなに増加したのか?その理由や事情をときにユーモアを交えながら軽妙に語り、さらには脳血流からうつ病の本態にも迫る。また、躁病(躁うつ病)、うつ病に絡む民事裁判、がんに関することなども収める。実際に多くのうつ患者を診ている開業医だからこその、際限なく増え続けるうつ病のアンチテーゼとして一石を投じた、うつ実態の書といえる。
飯島幸生 著
定価 1,980 円(本体1,800円 + 税) 四六判 上製 184頁
ISBN978-4-7911-1107-7〔2022〕
Contents
第1章 漫画「おざなり君」に見る現代の「うつ」事情
第2章 「うつ」のまん延,うつ病の拡散
第3章 精神科診断における病と症―とくに「うつ症」について―
第4章 プロテニスプレーヤーAとlong bouts of depression
第5章 うつ病か否かが争点となった民事裁判を通して考えたこと
第6章 痛みとうつ病
第7章 ハンバーガーショップとメンタルクリニック
第8章 「うつ」診療の入り口
第9章 あなたしか,きづけない「子どものうつ」?
第10章 現代の患者が「神」と語るとき
第11章 メランコリー親和型うつ病の治療に伴う脳血流の経時的変化
第12章 躁病の脳血流変化
第13章 がんについて思うこと
第14章 末期がんの脳血流から学んだこと
第15章 精神医療と精神科医の近未来図