ADHDの明日に向かって(第2版増補)
認めあい・支えあい・赦しあうネットワークをめざして
子どもの臨床経験の豊富な著者が、ADHDへの具体的な対応策をまとめた。数多くの症例やADHDの歴史、現場での対処方法、関係者間の連携のありかたなど、具体的なヒントが満載。
田中康雄著
定価
2,090 円(本体1,900円 + 税) 四六判 並製 272頁
ISBN978-4-7911-0459-8〔2001〕
Contents
はじめに
第一部 ADHDの事実
プロローグ ADHDとはどのような障害か?
第一章 ADHD問題
一、子どもの不幸
二、養育者の不幸
三、教育者の不幸
四、医療者の不孝
五、解決に向けて
第二章 ADHDの歴史
一、第一期:一九〇〇~一九六〇年
二、第二期:一九六〇~一九七〇年
三、第三期から第四期:七〇年代から九〇年代へ
四、第五期:九〇年代後半から現在
第三章 基本的な事柄
一、臨床症状
1多動性
2不注意
3衝動性
4おこりっぽさ
5学習障害・学習不振
6二次的な問題
二、原因
1脳の構造・機能的要因
2遺伝・環境的要因
3対人関係性の悪循環
三、疫学
四、関連する障害・鑑別する障害
1元気な子ども
2状況に応じて落ち着かない子ども
3反抗挑戦性障害・行為障害
4情緒障害・精神障害
5アレルギー
6チック
7広汎性発達障害
8学習障害
9DAMP症候群
10知的障害(精神遅滞)
11てんかん
12慢性の身体疾患
13他におこりっぽさや、落ち着きのなさ、不注意を引き起こす可能性のある障害
14ADHD的状態を示す環境状況
五、診断
六、経過と予後、そして予防
1第一次予防
2第二次予防
3第三次予防
間奏曲
養育者の思い
―養育者のアンケート調査から―
第二部 ADHD対策
第四章 連携とネットワークのおける支援とは?
第五章 連携の流れ
一、受診・相談と情報収集
二、対策
三、支援
四、実施 ~具体的な対応策~
1啓発活動・学習会
2薬物療法
3行動に注目した関わり
《子どもへの接し方の基本的心構え》
A よい行動を肯定的に強化し、よくない行動は無視して強化しない
B 褒めること、認めること、勇気づけること
C 関係者が挫けないために
《ライフステージからみた発達特徴と支援のあり方》
1妊娠出産課程(~〇歳)
2乳児期(〇~一歳)
3幼児前期(一~三歳)
4幼児後期(三~六歳)
5学童期(六~十二歳)
6思春期(十二~十八歳)
教室での接し方
A しっかりした構造
B 子どもと一緒に考える
C 戦略の例
イ.注意力への戦略
ロ.衝動性への戦略
ハ.多動性への戦略
ニ.学習障害への戦略
ホ.不安定な情緒面への戦略
ヘ.社会性への戦略
ト.破壊的な好意への戦略
チ.自尊心への戦略
家庭での接し方
A 家庭関係の強化
B 役割意識を持たせる
C しっかりした構造作り
D 戦略の例
イ.責任感への戦略
ロ.家庭学習の戦略
ハ.自尊心への戦略
ニ.周囲への理解のための「カミングアウト」
7青年期(十八~二十二歳)
8成人期(二十二歳~)
4本人への告知の問題
5慰労と評価
五、見直し
六、連携を支えるもの
第六章 課題
エピローグ 理解と支援を必要とする個性としてのADHD
あとがきにかえて、心からお礼を
付録
文献
関連書