向精神薬：わが国における20世紀のエビデンス

本書は2000年６月までの20世紀に公表された向精神薬に関する二重盲検比較対照試験を可能な限り集積して，薬効別から薬剤別に分けて編集したエビデンス集である。エビデンスを重視する関係上，収集されたデータに対して，本書に掲載する文献や化合物の選択基準は明確に記載したものの，個人的見解となるような解説や解釈を付け加えることは極力差し控えた。すなわち収集された二重盲検比較対照試験のデータ及びそれをベースにした定型的な解析結果を一覧し，それらの数値が全てを物語るというスタイルになっている。わが国の向精神薬の20世紀のエビデンスの実態の全貌を知るために、また、エビデンスの時代に即した今後のガイドライン作成のために、本書はなくてはならないだろう。