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心理臨床実践における連携のコツ

心理臨床実践における連携のコツ
近年ほどさまざまな領域で多職種「連携」の必要性が論じられている時代はなく、心理臨床もこの問題を抜きに活動することは不可能といってよい。本書では、心理臨床における主な連携への取り組みを、スクールカウンセラー、児童相談所、保育の現場、精神障害者の社会復帰、家庭裁判所での実践例を通して解説する。随所に散りばめられた「連携」実践のコツは、これからの心理臨床のあり方を考えるうえで、たいへん示唆に富むものである。
丹治光浩他著
定価 2,640 円(本体2,400円 + 税) 四六判 並製 208頁
ISBN978-4-7911-0549-6〔2004〕
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Contents
第Ⅰ章 連携の成功と失敗
 一 連携とその必要性
1 連携とは何か
2 今なぜ連携なのか
 二 先行研究概観
 三 研究会について
1 同一職種による研究会
2 多職種研究会
 四 連携の実際
1 同一職場内での連携
2 他機関との連携
 五 連携のあり方について
1 失敗要因
(1)言葉の壁
(2)縄張り意識と意地
(3)価値観・考え方の違い
(4)採算性
2 成功要因
(1)目的の共有化
(2)懇親会の開催
(3)人事の交流
(4)役割の明確化
(5)相手の領域に入り込むこと

第II章 スクールカウンセラーにおける連携
 一 はじめに
1 心理職のイメージと連携
2 連携と専門性、連携と守秘義務
 二 学校という場のもつ特色について
1 近代と一斉教育
2 一斉教育と管理
 三 学校という場における「心理」
1 学校教育への「心理」の参入
2 具体的な連携について
(1)学校内外でのさまざまな出会い
(2)広報活動と連携を考える
(3)教員との連携について
(4)保護者との関わりに含まれる「連携」という視点
(5)他機関との連携
a 医療機関との連携/b フリースペースなどとの連携
 四 学内相談室の課題︱「守ること」と「つなぐこと」

第III章 児童福祉と母子保健の連携
 一 はじめに
 二 連携と児童相談所
1 連携の中にある児童相談所
2 虐待における母子保健との連携
 三 子ども虐待予防教室
1 方法
(1)事前学習会およびケース選定会
(2)グループ・ケア活動
a 目的/b 対象/c 構造/d スタッフと役割/e 内容
(3)事後報告会
2 結果
(1)事前学習会
(2)ケース選定会
(3)各回の参加状況
(4)各回の親グループ・子グループの様子
(5)グループ終了後のアンケート
3 考察
(1)親グループについて
(2)子どもグループについて
(3)不適切な養育の親への理解とフォロー
 四 心理臨床の実践における連携のポイント
1 連携と専門性
2 相互に作用し合うシステム
3 行政機関およびその心理職の役割
 五 おわりに

第IV章 保育者との連携を考える
 一 はじめに
 二 保育者養成の現状
1 保育者養成教育の内容
2 保育者の気質的特性
3 保育現場の今日的課題
(1)乳児保育
(2)保育ニーズの多様化
(3)障害児などの受け入れ
(4)親への援助
4 養成機関の機能とリカレント教育
 三 保育現場との連携の実践
1 コンサルテーションの実践
(1)事  例
2 現任研修への関わり
(1)実践紹介
a 卒業生との研究会/b 名古屋市の統合保育研修/c その他の研修
 四 保育との連携のあり方と今後の課題
1 保育者養成の中での臨床心理学の意義
2 保育者の専門性と臨床心理士の専門性
3 連携の留意点と臨床心理士に求められる資質
4 今後の課題

第V章 精神障害者の社会復帰における連携
 一 はじめに
 二 地域の現状
1 施設の現状
2 団体設立の経過
 三 精神医療保健福祉の現状
1 退院促進支援事業を通して
2 バイオ、サイコ、ソーシャルを統合したモデルについて
 四 援護寮「だんだん」、生活支援センター「だんだん」の活動(その1)
1 基本的な考え方
2 はじめの一歩
(1)地域へ出る禊
(2)モデルとして
3 「だんだん」の活動から連携を考える
(1)デイケアモデル、訓練モデルの導入と失敗
(2)いわゆる施設ではなく、機能としての拠点をめざして
(3)事例検討を通して援助の質の向上に
(4)メンバーから学ぶ姿勢
(5)知的障害の作業所活動の実践から学ぶ
 五 E-JANの存在
1 E-JANの誕生
2 ネットワークの功罪
3 自主制作ビデオ作成や寸劇の経験を通して
 六 援護寮「だんだん」、生活支援センター「だんだん」の活動(その2)
1 住宅支援、就労支援
2 困難事例を通して
3 その他の活動
 七 まとめ︱いくつかの視点、概念の整理
1 自己の拡散と再統合
2 連携の概念︱適応型モデルから循環型モデルへ
3 ネットワークと連携
4 今後の生活支援センターの連携試案
5 視点
6 パラダイム転換
7 障害者ケアマネジメント、ACTプログラム
8 今後の課題

第VI章 家庭裁判所との連携
 一 はじめに
 二 裁判所の特色
 三 家庭裁判所の理念︱福祉裁判所として︱
 四 家庭裁判所の仕組みの特色
 五 自分の立場の明確化
 六 家庭裁判所への注文
 七 守秘義務をめぐって
 八 通告義務
 九 「事前に相談しても請け合ってくれない」「途中経過や結果を教えてくれない」
 十 言葉の難しさ
 十一 「仕事をやる気がない」「判断をしたがらない」「遅い」
 十二 「信用してくれない」「無理を押しつける」「資料の提出を求めすぎる」「枝葉末節な注文が多い」
 十三 「秘密が守れない」
 十四 連携の可能性
 十五 おわりに
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