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クルズス診療科(3)

麻酔科

麻酔科
手術といえば「麻酔」…。ところが麻酔科の実態は案外知られていない。本書では、各疾患別の麻酔法、特殊なケースでの麻酔法などのほかに、痛みの診療科であるペインクリニックの紹介、実際に手術を受ける患者さんへのわかりやすい情報まで、360度の視点で麻酔を解説。医学生、医療スタッフ、一般読者のそれぞれに有益な麻酔情報を発信している。
小川節郎編
定価 2,090 円(本体1,900円 + 税) 四六判 並製 396頁
ISBN978-4-7911-0588-5〔2005〕
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Contents
第 I 章 麻酔とは
一 麻酔の歴史
  1 西欧
  2 日本
二 麻酔科医になるには
三 麻酔科医の一日
  1 臨床麻酔
(1)手術前診察と麻酔説明・前投薬
(2)麻酔準備
(3)手術室における麻酔
(4)術後管理
  2 救急・集中治療
  3 緩和医療、ペインクリニック
四 麻酔科の研究
五 麻酔専門医になるには
  1 麻酔科標榜医
  2 麻酔科認定医、麻酔科専門医、麻酔科指導医
六 麻酔科の未来
第 II 章 いろいろな麻酔
一 伝達麻酔
  1 手術における伝達麻酔の特徴
  2 手術に用いられる伝達麻酔
(1)腕神経叢ブロック
(2)肋間神経ブロック
(3)大腰筋筋溝ブロック
二 脊髄くも膜下麻酔(脊椎麻酔)
  1 解剖
  2 脊椎麻酔の方法とその特徴
  3 脊椎麻酔後頭痛
三 硬膜外麻酔
  1 硬膜外麻酔の方法とその特徴
  2 術後鎮痛法としての硬膜外麻酔
四 全身麻酔
  1 麻酔器
(1)麻酔器の構造
(2)低酸素に対する麻酔器の安全機構
  2 気道確保
(1)用手的気道確保
  a 頭部後屈+顎先挙上/b 下顎挙上
(2)道具を用いる気道確保
  a バック・マスク換気/b 気管挿管/c ラリンジアルマスク
  3 吸入麻酔
(1)吸入麻酔薬の種類
  a 亜酸化窒素/b セボフルラン/c イソフルラン
(2)吸入麻酔薬の濃度の調節
(3)揮発性麻酔薬による導入と維持
  4 静脈麻酔
(1)静脈麻酔薬の種類
  a プロポフォール/b チアミラル、チオペンタール/c ケタミン/d ミダゾラム/e 麻薬
(2)全静脈麻酔
  5 バランス麻酔
  6 モニタリング
(1)呼吸のモニター
(2)循環のモニター
(3)中枢神経のモニター
  a 脳虚血のモニタリング/b 麻酔深度のモニタリング
(4)体温モニター
(5)筋弛緩モニター
第 III 章 主な疾患別の麻酔法
一 脳神経外科の麻酔
  1 脳神経外科で扱う主な疾患と麻酔
  2 脳の解剖と生理 
  3 脳神経外科の麻酔
(1)脳神経外科麻酔のポイント
  a 脳保護/b 頭蓋内圧のコントロール
(2)実際の麻酔法
二 耳鼻咽喉科、口腔外科の麻酔
  1 耳鼻咽喉科の手術の麻酔
(1)耳鼻咽喉科で行われる手術
  a 局所麻酔で行われる手術/b 全身麻酔で行われる手術
(2)どのようにして全身麻酔を行うか
  a 口から気管挿管を行う手術/b 鼻から気管挿管を行う手術/
  c 気管切開した孔から気管挿管を行う手術
(3)手術する場所による麻酔法の説明
  a 耳下腺の手術、鼓室形成術、鼓膜チュービング、甲状腺の手術、顎下腺の手術など/
  b 扁桃摘出術の麻酔/c 咽頭癌の手術(咽頭全摘術)/d 舌癌/e 上顎癌/f 声帯ポリープ
  2 口腔外科の手術の麻酔
(1)局所麻酔で行われる手術
  a 笑気吸入鎮静法/b 静脈内鎮静法
(2)全身麻酔で行われる手術
三 肺疾患の麻酔
  1 肺手術の麻酔の特殊性
(1)全身管理と呼吸
(2)呼吸と麻酔科医
(3)呼吸と酸素の蓄え
(4)呼吸と麻酔
(5)麻酔と呼吸管理
(6)開胸と呼吸管理
(7)片肺での呼吸
  2 実際の手術の流れ
(1)手術が決まったら
(2)麻酔方法
(3)手術後の注意
四 心臓外科の麻酔
  1 適応疾患
  2 現在の心臓麻酔
  3 実際の心臓麻酔の流れ
(1)麻酔前診察
(2)麻酔準備
(3)麻酔導入
(4)麻酔維持
  a 人工心肺前/b 人工心肺中/c 人工心肺離脱
(5)閉胸から退室・ICUへ
  4 人工心肺を使用しない冠動脈再建術の時代へ
(1)人工心肺の問題点
(2)心拍動下CABGの有為性
  a ハイリスク患者の増加/b 手術操作への配慮と心機能保持/
  c 手術操作による循環動態の変動/d 早期抜管・早期離床、医療費の節減
五 腹部外科の麻酔
  1 予定手術
(1)麻酔方法
  a 胃、腸、胆嚢、肝臓、膵臓の手術/b 鼠径ヘルニアの手術
(2)手術にあたり麻酔科医が行うこと
  a 術前回診/b 手術当日/c 術後回診
  2 緊急手術
(1)麻酔方法
  a 腸閉塞、消化管穿孔、外傷性出血などの緊急開腹手術/
  b 急性虫垂炎、鼠径ヘルニア嵌頓などの緊急手術/c 手術にあたり麻酔科医が行うこと
六 産婦人科の麻酔
  1 婦人科の麻酔
(1)良性疾患と悪性疾患
(2)腹術と腹腔鏡下手術
(3)手術体位
(4)婦人科疾患による合併症
  2 産科の麻酔
(1)産科麻酔に用いられる麻酔薬の注意点
(2)無痛分娩(経膣分娩)の麻酔法
(3)帝王切開の麻酔
(4)子宮内容除去術の麻酔
七 泌尿器科の麻酔
  1 泌尿器科の病気と手術
  2 手術の種類と方法
  3 麻酔科医との関わり
(1)麻酔科医との出会い
(2)麻酔方法の決め方
  4 手術の方法と麻酔法の関係
(1)お腹に傷をつける処置が必要な手術
  a 麻酔の方法/b 麻酔科医による手術中の安全管理/c 手術後の疼痛対策/
  d 全身麻酔の合併症/e 硬膜外カテーテルによる合併症
(2)尿道から処置ができる手術
  a 麻酔の方法/b 麻酔科医による手術中の安全管理/
  c 手術後の疼痛対策/d 脊髄くも膜下麻酔の合併症
(3)陰嚢に傷をつける処置が必要な手術
  a 麻酔の方法/b 手術後の疼痛対策
(4)身体の外から超音波で腎臓結石などの石を破壊する手術
  a 麻酔の方法/b 手術後の疼痛対策
八 整形外科手術の麻酔
  1 整形外科手術麻酔の実際
(1)上肢(肩、上腕、肘、前腕、手)の手術
(2)脊椎(頸椎、胸椎、腰椎)の手術
(3)下肢の手術
  a 脊髄くも膜下麻酔で行う場合/b 硬膜下麻酔で行う場合/c 全身麻酔で行う場合
  2 上肢、下肢の手術で出血を少なくする方法
(1)全身麻酔中の対応法
(2)硬膜外麻酔、脊髄くも膜下麻酔中の対応法
  3 手術中の合併症について
(1)タニケット解除時に起こる合併症
(2)脂肪塞栓症、空気塞栓症について
(3)骨セメントの使用による合併症
第 IV 章 特殊な病気をもっている人の麻酔
一 小児麻酔
  1 麻酔前評価?生理学的特徴
(1)新生児
  a 中枢神経/b 呼吸系/c 心循環系/d 体液と代謝
(2)乳児以上
  2 麻酔前準備
(1)問診
(2)診察・検査
(3)経口摂取
(4)麻酔前投薬
  3 麻酔法の決定
  4 麻酔の実施
(1)麻酔の導入と維持
(2)気管内挿管の注意点
(3)筋弛緩薬の使い方
(4)輸液・輸血
(5)体温の保持
  5 覚醒時と麻酔後
二 高齢者の麻酔
  1 加齢の生理学
(1)呼吸系
  a 肺気量/b 換気動態/c 気道/d 換気分布と肺血流分布/e 拡散能力/f 動脈血ガス分圧
(2)循環系
  a 心臓/b 冠血流量/c 末梢血管/d 心拍出量
(3)中枢神経系
  a 形態と機能/b 末梢神経/c 自律神経
(4)代謝系
  a 糖代謝/b 脂質代謝/c 蛋白代謝/d 体液・電解質代謝/e エネルギー代謝
(5)内分泌系
  a 下垂体?副腎系/b 神経内分泌
  2 麻酔前評価
(1)病歴などの聴取
(2)理学的診察
(3)検査値の読み取り
(4)全身状態の評価
  3 麻酔前投薬
  4 麻酔の導入と維持
(1)全身麻酔
(2)静脈麻酔
(3)局所麻酔
(4)麻酔中の患者管理
  a 呼吸系/b 循環系/c 代謝系
  5 術後管理
(1)精神障害
(2)高血圧
(3)低体温
(4)肺合併症
(5)その他
三 高血圧患者の麻酔
  1 麻酔前評価
  2 麻酔前準備
(1)麻酔の適応
(2)麻酔前投薬
  3 麻酔の導入
  4 麻酔の維持
四 糖尿病患者の麻酔
  1 麻酔前評価
  2 麻酔前準備
  3 麻酔の導入と維持
  4 血糖値の調節
(1)麻酔当日の朝のインスリンの必要量
(2)ブドウ糖の投与量
  a IDDM/b NIDDM
  5 麻酔後の問題
五 腎臓疾患患者の麻酔
  1 腎臓の機能
(1)老廃物質の排泄
  a 腎血流/b 糸球体濾過/c 分子の透過性
(2)内分泌機能
(3)体液代謝維持
  2 腎臓の疾患
(1)腎不全
(2)電解質異常
(3)循環器の異常
(4)神経系その他の異常
  3 麻酔前評価と準備
  4 麻酔管理の問題点
六 喘息患者の麻酔
  1 喘息の病態
  2 臨床症状
  3 麻酔前評価
  4 麻酔前準備
  5 麻酔の導入と維持
  6 麻酔後の問題点
七 緊急患者の麻酔
  1 緊急麻酔の必要性と危険度
  2 麻酔前評価
  3 緊急麻酔の準備
(1)麻酔前評価
(2)モニタリング
(3)麻酔方法の決定
  4 麻酔の導入と維持
(1)全身麻酔の導入
(2)麻酔の維持と術中管理
  5 術後管理
八 喫煙者と麻酔
  1 喫煙の問題点
(1)タバコの煙の組成
(2)生体への影響
(3)喫煙による臓器障害
  a 呼吸器疾患/b 循環器疾患/c 受動喫煙の影響
  2 麻酔前準備
  3 麻酔の導入と維持
  4 麻酔後の肺合併症の防止
第 V 章 麻酔を受けることになったら
一 はじめに
二 まず麻酔はどんなものかを知りましょう
三 麻酔科医の現状
四 麻酔科医による麻酔の説明
五 麻酔の安全性
  1 麻酔は危険なのか、安全なのか
  2 麻酔の安全性を高めた原因
(1)麻酔のときに使われる薬剤の進歩
(2)生体管理モニターの進歩
六 患者さん自身のことはすべて伝えましょう
七 麻酔のことを理解したあとに、もう一度手術を考えてみましょう
八 手術前にはどんな注意が必要なのでしょうか
  1 手術前の合併症
  2 いつも飲んでいる薬
  3 禁煙
  4 「絶飲食」
  5 麻酔前投薬
九 麻酔を受けたあとはどのような感じなのでしょうか
  1 全身麻酔後の合併症
(1)術後痛
(2)術後嘔気・嘔吐
(3)気管挿管による術後気道症状(喀痰、嗄声、咽頭痛)
(4)歯牙損傷
(5)麻酔前後の記憶と術後せん妄
(6)術後安静、胃チューブ、尿道カテーテル
  2 硬膜外麻酔後の合併症
(1)穿刺の問題
(2)麻酔後の合併症 (3)効果の問題
  3 脊髄くも膜下麻酔後の合併症
(1)脊髄くも膜下麻酔の適応とは
(2)脊髄くも膜下麻酔の苦痛と不満
(3)硬膜穿刺後頭痛
(4)神経損傷
  4 手術科別苦痛の原因
  5 麻酔中、麻酔後の重大な合併症
(1)麻酔偶発症
(2)アレルギー、ショック
(3)悪性高熱症
(4)術後肺炎
(5)肺血栓塞栓症
(6)局所麻酔後の合併症
(7)麻酔中のほかの合併症
十 麻酔後にはどんな注意が必要なのでしょうか
十一 麻酔科医を志す学生、研修医の方々へ
第 VI 章 ペインクリニックと緩和医療
一 ペインクリニックとは
  1 ペインクリニックの器具・設備
(1)診察する上で
(2)治療・処置をする上で
(3)当科における外来設備
  2 ペインクリニックで扱う疾患
  3 ペインクリニックの診療
(1)神経ブロック療法とは
(2)神経ブロックの種類
(3)当科における神経ブロック療法の種類
二 緩和医療への麻酔科の関与
  1 麻酔科が緩和医療に?
  2 癌性疼痛をどうやって抑える?
  3 患者が調節する鎮痛剤投与
  4 神経ブロックによる鎮痛
  5 その他の補助療法
  6 緩和ケアの今後の展望
  7 おわりに
三 ペインクリニックと麻酔科の開業医
  1 開業医
(1)医師側よりみた開業医
(2)患者側よりみた開業医
  2 ペインクリニック科・麻酔科での開業
(1)ペインクリニックの特殊性
(2)ペインクリニック開業医の役割
(3)ペインクリニック・麻酔科医の開業形態
(4)ペインクリニック開業の条件
  3 ペインクリニック開業医の心構え
第 VII 章 集中治療
一 はじめに
二 集中治療室
三 集中治療と保険診療
四 集中治療室の入退室
五 急性期重症患者と酸素代謝
六 代表的な病態
  1 敗血症と多臓器不全
  2 腸管壁防御機構の破綻
  3 急性呼吸不全
七 最近の話題
  1 重症敗血症と活性型プロテインC
  2 重症患者の血糖値制御
  3 重症患者と輸血
  4 重症患者と遺伝子解析
  5 肺動脈カテーテル
八 倫理上の問題点
九 おわりに
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