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境界性パーソナリティ障害最新ガイド

-治療スタッフと家族のために-

境界性パーソナリティ障害最新ガイド
境界性パーソナリティ障害についての最新情報と実用的な対応策を網羅した、治療者及び家族にとって必携の書です。診断にとどまらず、治療法、自殺関連行動・自傷行為、家族の体験記、家族のサポート体制などについて詳しく解説しています。また、家族の理解を深めるために主要なメッセージとキーワードを取り上げ、わかりやすく説明するなど、みんなで学べる内容となっています。
J.G.ガンダーソン、P.D.ホフマン 編 林直樹、佐藤美奈子 訳
定価 2,860 円(本体2,600円 + 税) 四六判 並製 328頁
ISBN978-4-7911-0615-8〔2006〕
BPDの方の家族の会
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Contents

第1部  診断、治療、予後

第1章 境界性パーソナリティ障害の診断―概念、診断基準、そして討論―

境界性の概念
BPDの診断基準
「境界性」診断をめぐる議論
 ●何についての境界なのか?
 ●BPDという診断は確実な信頼できるものなのでしょうか?
 ●BPDというのは性別によって偏りのある診断なのでしょうか?
 ●BPDの病因においては生まれと育ちとどちらが重要なのでしょうか?
 ●BPDの予後に希望はないのでしょうか?
結論
 家族が知っておくべきこと
  本章の主要なメッセージ
    本章のキーワード

第2章 境界性パーソナリティ障害に対する精神療法

治療の歴史
治療についての全般的考察
外来精神療法
精神力動的精神療法と精神分析:全般的説明
 ●BPD治療における理論的モデルの応用
 ●精神分析的知見に基づいたBPDの支持的精神療法
 ●転移に焦点をあてた精神療法
認知行動療法:全般的記述
 ●弁証法的行動療法
 ●BPDの認知図式療法
 ●BPDのSTEPPS集団治療プログラム
BPDへの精神療法の効果についての実証的研究
結論
 家族が知っておくべきこと
  本章の主要なメッセージ
  本章のキーワード

第3章 境界性パーソナリティ障害における自殺関連行動と自傷行為─自己統制モデル─

      背景と定義
問題の頻度と重要性
自傷行為:その理由とプラスの作用
自傷行為という体験
認知と認知的要因
解離、自傷行為、痛みの経験
神経生物学的要因と神経認知的要因
自殺関連行動の伝統的モデル
BPDの自傷行為と自殺関連行動の自己統制モデル
 ●自傷行為を減らすこと
 ●危険性の評価と入院の必要性の判断
今後の研究
 家族が知っておくべきこと
  本章の主要なメッセージ
  本章のキーワード

第4章 境界性パーソナリティ障害における薬物療法

脳の機能に神経伝達物質が果たす役割
BPDにおける薬物療法の基本原則
薬物療法の研究の限界
BPDにおける薬物療法とその使われ方
 ●認知‐知覚的症状
 ●感情統制不全の症状
 ●衝動的な行動症状
薬物療法の継続期間
結び
 家族が知っておくべきこと
  本章の主要なメッセージ
  本章のキーワード

第5章 境界性パーソナリティ障害の長期経過

BPDの経過についての小規模で短期的な前方視的研究
 ●初期の研究:1960年代?1970年代
 ●1980年代に行われた研究
 ●1990年代における小規模な研究
 ●これらの研究からわかること
BPDの経過についての大規模で長期的な後方視的研究
 ●後方視的研究からわかること
BPDの経過についての大規模で長期的な前方視的研究
 ●マクリーン病院成人発達研究
 ●パーソナリティ障害経過共同研究
結論
 家族が知っておくべきこと
  本章の主要なメッセージ
  本章のキーワード


第2部 家族からみた問題点


第6章 境界性パーソナリティ障害とともに生きる―2人の当事者の体験記―

1 自分が一体何者なのかという疑問(同一性に対する疑問)
2 BPDと手をつなげるようになりましょう

第7章 境界性パーソナリティ障害に対する家族の視点

診断を告げられて、それに対応すること
ある母親の経験:内側の視点から
ある父親の経験:外側の視点から
BPDに関する家族の経験についての考察
 ●慢性疾患としてのBPD
 ●適切な治療者をみつける
 ●入院治療について家族が知っておくべきこと
 ●虐待のスティグマ(偏見)への対応
 ●家族環境のなかでBPDに対処していく
 ●私たち自身が変わる
 ●BPDに有効な治療法をみつける
 ●自分自身の人生を生きる

第8章 家族の外傷体験から家族のサポート体制へ

精神疾患についての家族の体験
家族とBPDに関する研究
 ●幼少期の虐待と養育放棄についてのスティグマ(偏見)
 ●さらなる説明モデル
原因の究明において誰かを非難することを避ける
 ●原因究明の重要性
 ●原因についての考え方、臨床教育、および家族と精神保健の専門家の関係
さまざまな精神障害に対する家族の経験
家族のサポート体制を整える
 ●問題を認識すること
 ●病気に抵抗すること
 ●精神保健の専門家自身が病気に抵抗すること
 ●関係を再建する
 ●DBT‐家族技能トレーニングモデル
家族が知っておくべきこと
 本章の主要なメッセージ
 本章のキーワード

第9章 治療への家族の関与

研究の所見を理解する
患者の予後を改善するための家族の関与
家族教育と家族心理教育
現在の家族療法
家族の関係と機能を改善させるための家族の関与
家族のストレスと負担を減らすための家族の関与
結論
家族が知っておくべきこと
 本章の主要なメッセージ
 本章のキーワード


【訳者紹介】林 直樹(はやし なおき)

1980年 東京大学医学部卒業。東京大学附属病院分院神経科、都立松沢病院精神科、東京都精神医学総合研究所勤務を経て、現在、都立松沢病院精神科部長、東京医科歯科大学医学部臨床教授、東京都精神医学総合研究所客員研究員。専門は精神医学。主な研究テーマは精神病理学、精神療法。
《主な著書》『境界例の精神病理と精神療法』1990年、『人格障害の臨床評価と治療』2002年、他。

【訳者紹介】佐藤美奈子(さとう みなこ)

1992年 名古屋大学文学部文学科卒業。現在 翻訳家。その傍ら、英語の学習参考書、問題集を執筆。
《主な訳書》『わかれからの再出発』『(増補改訂第2版)いやな気分よ、さようなら』『私は病気ではない』『みんなで学ぶアスペルガー症候群と高機能自閉症』『虹の架け橋』『食も心もマインドフルに』(共訳、星和書店)。

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