本書は、マスターソンの四十年にわたる人格障害研究の集大成と言ってよい。境界性人格障害だけでなく自己愛性人格障害、スキゾイド人格障害についても自己の障害の観点からその病理と治療を詳細に論じているが、マスターソンの本領は治療経過の生き生きとした記述にあり、そこでの介入の記述はきわめて明確かつ具体的である。精神分析的治療者だけでなく、精神分析になじみの薄い治療者にも一読の価値ある書物である。
J.F.マスターソン著 佐藤美奈子、成田善弘訳
定価
4,180 円(本体3,800円 + 税) A5判 並製 412頁
ISBN978-4-7911-0626-4〔2007〕