児童・青年の反社会的行動に対するマルチシステミックセラピー(MST)
マルチシステミックセラピー(MST)は米国サウスカロライナ医科大学のスコット・ヘンゲラー教授(臨床心理学)らが開発した青少年の暴力、破壊、非行、犯罪行動に対する心理学的介入技法。欧米諸国においては児童・思春期,青年期の反社会的行動への介入技法としては最も知られた技法の一つであり、アメリカ心理学会(APA)等の専門的学術誌で効果が科学的に実証されている数少ない技法である。MSTは今までの心理臨床技法とは全く異なる、極めて構造化されたユニークで新しいコミュニティ介入技法である。反社会的行動を持つ青少年の家族に対して集中的に介入し、問題行動に寄与すると考えられる家族内の要因を特定化して、それを変化させるようとする介入技法である。
ヘンゲラー, S.W.、
ショーエンワルド, S.K.、
ボルディン, C.M.、
ローランド,M.D. カニンガム, P.B. 著、
吉川和男監訳
定価 4,290 円(本体3,900円 + 税) A5判 上製 400頁
ISBN978-4-7911-0685-1〔2008〕
Contents
第 I 部 序論
第1章 MSTの実証的、概念的、哲学的基礎
第2章 MSTの臨床基盤:9つの治療原則、在宅モデルによるサービス支援、臨床スーパービジョンのためのガイドライン
第II部 臨床における手順
第3章 家族機能のアセスメント
第4章 家族介入
第5章 仲間との関係を変える
第6章 学校環境における学業面および社会面の能力を促進する
第7章 個別介入をいつ、どのように実施するか
第8章 家族を地域社会の支援と結びつける
第III部 MS Tの効果研究
第9章 MSTのアウトカム:比較対照評価から得られるもの
終章 MSTの効果に関する政策的意義
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