クエチアピンを使いこなす
Quetiapineはclozapineに源流を持つ、多くの受容体に親和性をもつ薬物である。Quetiapineほど薬理学とアウトカム・データを駆使した合理的使用法が求められる抗精神病薬はない。薬理学、用量のエビデンス、短期・長期アウトカム研究、副作用とその対応策、切り替え技術とその根拠、高齢者など特殊患者への適応、適応外使用の現状など、取り上げられるすべての項目が等しく重要性を持つ。本書は「臨床精神薬理」誌のシリーズ『クエチアピンを使いこなす』(全10回)を第1部として処方上のあらゆる注意点を網羅し、第2部として既発表の原著論文、第3部に座談会を掲載し、quetiapineの全貌を明らかにし、その真価に迫る実践の書 !
石郷岡純 編
定価 3,080 円(本体2,800円 + 税) A5判 並製 296頁
ISBN978-4-7911-0717-9〔2009〕
Contents
第1部 Quetiapineを使いこなす
第1章 Quetiapineの薬理的メカニズムと臨床効果
—Quetiapineの至適用量とloose bindingな薬剤の作用機序について
第2章 至適用量と等価換算
第3章 薬剤選択
第4章 治療開始時・短期効果
第5章 Quetiapineの安全性
第6章 長期維持効果・再発予防
第7章 長期効果−QOL,認知機能
第8章 切り替え−前薬からの切り替えにquetiapineの効果が
期待できるのはどのような臨床場面か?
第2部 Quetiapine理解のために(特集論文・研究報告より)
第1章 第二世代抗精神病薬誕生物語とその後の展開:Quetiapine
第2章 新規抗精神病薬quetiapineの薬理作用メカニズムについて
─D2以外の受容体に対する作用を中心に
第3章 陽性症状が顕著な急性期統合失調症に対するquetiapine急速増量療法について
第4章 慢性統合失調症患者に対する急速増量療法を用いたquetiapineへのスイッチングの有用性
第5章 quetiapineによる統合失調症維持療法の有用性
第6章 統合失調症におけるquetiapineの位置づけと今後の課題
第3部 Quetiapine座談会
第1章 初発統合失調症の病態と治療およびquetiapineの位置づけ
第2章 精神科救急における患者像およびその治療技法─薬物療法を中心に
第3章 Quetiapineの静穏化作用と臨床有用性