黒澤明の精神病理 増補版
世界的な日本映画界の巨匠・黒澤明。彼の映画や自伝を精神医学的に分析すると、そこには、極めて興味深い精神病理と性格傾向が見えてくる。そしてそれは、映画史に残る男性的でスリリングな傑作を生む原動力でもあった。果たして彼の精神病理とは一体何だったのか? 芸術作品から作者の心の病理を鋭く解き明かした本書は、映画ファン、黒澤ファン、精神科医ならずとも興味深い。黒澤明生誕100年の今年、新たに3章が加わり、装いも新たに甦る。
柏瀬宏隆、
加藤信 著
定価 2,750 円(本体2,500円 + 税) 四六判 並製 308頁
ISBN978-4-7911-0750-6〔2010〕
Contents
まえがき
増補版まえがき
第1章 映画監督・黒澤明と創造性
第2章 脚本論からみた黒澤明の映画
—集団総合芸術と創造性の危機回避—
第3章 映画監督・黒澤明はGeschwind症候群か?
—自伝をもとに—
第4章 映画監督・黒澤明の作品分類
—自殺企図のほぼ前後で—
第5章 黒澤映画のベスト・テン
第6章 映画監督・黒澤明の自殺未遂事件を考える
第7章 映画監督・黒澤明の恋愛事件を考える
第8章 映画という集団総合芸術の問題点
—黒澤明監督の場合—
第9章 黒澤明監督「トラ・トラ・トラ事件」の真相
—田草川弘の著書に基づいて—
第10章 黒澤映画のACたち
第11章 黒澤明と太平洋戦争
—司馬遼太郎との比較において—
あとがき
増補版あとがき