認知行動療法におけるレジリエンスと症例の概念化
症例の概念化とは、セラピストとクライエントが協同的に取り組むプロセスであり、まずは、クライエントがセラピーで提示する課題を記述し、その後にそれを説明していく。その主な機能は、クライエントの苦悩を軽減し、クライエントのレジリエンスを確立できるようにセラピーを導くことである。本書は、著者らの症例の概念化へのアプローチを教えるものであり、症例、実践的な臨床のヒント、および対話例を通してそれを生き生きと伝えている。まずクライエントが提示する課題を記述し、その後治療が進むにつれて説明力を高めていけるように症例の概念化を発展させていく方法について、ひとつひとつ段階的に示している。
ウィレム・クイケン、
クリスティーン・A・パデスキー、
ロバート・ダッドリー 著
大野裕 監訳
荒井まゆみ、
佐藤美奈子 訳
定価 4,950 円(本体4,500円 + 税) A5判 並製 516頁
ISBN978-4-7911-0805-3〔2012〕
Contents
第1章 プロクルステスのジレンマ
第2章 症例の概念化のるつぼ─新モデル
第3章 一人より二人─協同的経験主義
第4章 クライエントの強みの取り入れとレジリエンスの確立
第5章 「助けてくれますか?」─記述的概念化
第6章 「なぜこんなことが私に続くのですか?」─横断的な説明的概念化
第7章 「今後もこれまでのようになるのでしょうか?」─縦断的な説明的概念化
第8章 症例の概念化の学習と教育
第9章 モデルを評価する