三つの文化を生きた一人の精神科医
日本、中国、そして米国の各文化による性格形成への影響
文化精神医学者として国際的に活躍してきた著者が、日本、中国、米国の3つの異なる文化で送ってきた人生を振り返る。個人の伝記ではあるが、著者の文化精神医学者としての専門知識を駆使しながら、これら多様な文化が、心理や思考、行動にどのように影響を与えてきたかを分析し、文化と性格形成の問題を検証する個性あふれる内容である。異文化における適応課題のヒントが随所に散りばめられた、専門家のみならずすべての人に読んでいただきたい一冊。
曽文星(ハワイ大学精神医学部名誉教授)著
林建郎 訳
定価 6,380 円(本体5,800円 + 税) A5判 上製 416頁
ISBN978-4-7911-0831-2〔2012〕
Contents
第1部 成長の異なる段階
第1章 誕生から幼年期まで:日本文化との早期の接触
第2章 思春期から青年期まで:中国文化の影響
第3章 青年期(初期):アメリカ文化との早期の接触
第4章 青年期(後期):中国文化の再体験
第5章 成人期:長期にわたるアメリカ文化の経験
第6章 中年初期:日本文化への再曝露
第7章 中年後期から現在まで:多文化への曝露
第2部 分析と統合
第8章 人格形成に及ぼした三つの文化の影響の分析
第9章 理論的考察のための総括