僕は四つの精神障害
強迫性障害、性同一性障害、うつ病、発達障害と共に生きて
凄絶な強迫性障害の自己治療史が書かれている貴重な体験記。
四つの病と共に生きる著者の、ありのままの姿を綴った手記。飲まず食わずで風呂に一週間入り続ける。母親の介助なしではトイレを使えない。――重度の強迫性障害に支配された人生を取り戻して、障害を抱えながらも自分らしく生きられるよう模索していく。障害をもつ本人は、そして家族は何を思うのか。強迫行為に巻き込まれ、凄絶をきわめる日常生活を強いられた母親の言葉が添えられている。女性として生まれながら男性として生きる著者が、強迫性障害にとらわれ、うつ病をわずらい、発達障害による生きづらさを抱えながら、もがいてきた人生の軌跡が描かれる。
津野恵 著
定価 1,320 円(本体1,200円 + 税)
四六判 並製 168頁
ISBN978-4-7911-0845-9〔2013〕
Contents
第1章 0歳〜16歳
生い立ち/強迫性障害(強迫神経症)とは
第2章 16歳〜19歳
発病─妄想様観念から不潔恐怖へ/「自己完結型」から「巻き込み型」へ/ハワイとバリでの療養生活/七カ月間のベッドの上だけの生活/パニック後、風呂一週間/性同一性障害を知って
第3章 20歳〜24歳
二階の一部屋での生活/初めて内科医院を受診/初めてのカウンセリング
第4章 25歳〜29歳
念願の大学生に/恵子から恵へ/十年間かけての掃除が終了/自分がやりたいことを頑張る/卒業研究と恩師との出会い/念願の大学院生活とうつ─初めて精神科へ
第5章 30歳〜32歳
デイケアと転院/「強迫友の会」(旧「子どもの強迫友の会」)に参加して/愛犬「アミーゴ」との出会い/大学院を修了/発達障害を知って/現在/夢と生きがいを持って