精神病理学の歴史
ー精神医学の大いなる流れー
精神医学におけるさまざまな立場はどこから生まれ、どのような経緯を辿ってきたのだろうか。本書は、20世紀後半までの精神病理学の流れを、フランス学派の独自性を保ちつつ、大きな偏りのない客観的な立場から俯瞰したものである。わが国ではフランス語圏の精神医学史が取り上げられることは少なく、本国で版を重ねた本書が紹介されることは有意義である。先人たちの精神障害の理解に向けた努力や、精神病理学的省察がいかに実践を照らし出してくれるかも改めてよく理解できる好著。精神障害の理解のために。
エルヴェ・ボーシェーヌ 著
大原一幸、
高内茂 訳
定価 4,950 円(本体4,500円 + 税) A5判 上製 332頁
ISBN978-4-7911-0872-5〔2014〕
Contents
第1章 精神病理学の起源
魔術的概念/医学−哲学的概念/臨床精神医学の誕生/精神医学の始まり
第2章 精神病理学の誕生
さまざまな流れ─精神病理学の始まり/病理学的心理学のフランス学派/フランスの外側で,さまざまな着想の始まり
第3章 大いなる流派
器質論者の思潮/精神分析/哲学の寄与 現象学的潮流/社会心理学的アプローチ
第4章 現在の傾向
分裂の傾向/統合への傾向