災害精神医学
いつどこで起こるかわからない災害。そのため平時からの備えが重要になる。災害救援体制のあり方、災害に伴って生じる精神疾患への診療のあり方など検討課題は多岐にわたるが、それらを災害精神医学として体系化し、根付かせていくことが必要である。本書は、災害精神医学の先駆けとなるテキストブックである。災害後急性期のメンタルヘルス支援、災害前の備えから、災害に伴ってみられる精神疾患の治療、銃乱射や内戦などによる子供や家族のストレス緩和のための心理療法、倫理・法令の面にいたるまで、幅広い問題に関することが、実践に重きをおいて体系的に書き起こされている。
フレデリック・J・スタッダード Jr.、
アナンド・パーンディヤ、
クレイグ・L・カッツ編著
富田博秋、
高橋祥友、
丹羽真一監訳
定価 5,280 円(本体4,800円 + 税) A5判 並製 528頁
ISBN978-4-7911-0893-0〔2015〕
Contents
第Ⅰ部 災害への備え
1 災害への備えと災害発生時の支援システム
2 災害前、災害時、災害後のリスクコミュニケーション
3 災害支援者自身の救済─災害支援コミュニティのセルフケア─
4 ニーズ・アセスメント
第Ⅱ部 評価
5 精神医学的評価
6 災害弱者への配慮
7 重篤な精神疾患
8 薬物乱用
9 パーソナリティに関する問題
10 外傷と医学的愁訴のトリアージ
11 悲嘆とリジリエンス
第Ⅲ部 介入
12 サイコロジカル・ファーストエイド
13 集団への介入と家族への介入
14 心理療法
15 精神薬理学─急性期─
16 精神薬理学─急性期の後の段階─
17 子どもと青少年に対する精神医学的介入
18 高齢者への精神医学的介入
第Ⅳ部 新たに問題となりつつある事柄、その他の事情
19 親善大使としての精神科医
20 法と倫理の問題
21 災害時と公衆衛生の緊急事態における遠隔精神医療