うちのOCD(強迫性障害/強迫症)
本書は、強迫性障害(OCD)を持つ夫とその妻(著者)との日常生活を描いたコミックエッセイである。何回確認してもすぐ不安になり、そのため行動に時間がかかり疲労も強まるのが特徴のOCD。そのため外出することもつらくなり、生活に支障が出てくる。長年の間、病気とも思わずにOCDに苦しめられていた夫の強迫行為に最初は巻き込まれていた妻が、OCDという病気の存在を知ることで、「人が悪いのではない、病気が悪い」と考えるようになる。そして治療を受けることになり、回復への道を歩み始める。強迫性障害はどのようなものなのか? どのように回復していけるのか?この過程が実に克明にマンガで描写されている。読み出したらやめられない、本当に面白く、心に響く作品であり、この病気にまったく関係ない方が読まれても、笑いあり、涙ありのストーリーとなっている。
しらみずさだこ 著
佐々毅 監修
定価 1,320 円(本体1,200円 + 税) A5判 並製 164頁
ISBN978-4-7911-0914-2〔2015〕
Contents
第1章 OCDって、どんな日々?
加害不安〜強迫行為のはじまり〜/不潔恐怖〜手洗い・入浴〜/不潔恐怖〜郵便物〜/不潔恐怖〜広がる汚染〜/視線が怖い/Windows が怖い/確認しないと不安/病気の不安/死の恐怖/OCDの疑似体験①/OCDの疑似体験②
第2章 情報にたどりつけない!〜治療に到るまでの道のり〜
二人の出会い/アシカの行動/ケンカ/家出/これだーっ!!/悪いのは誰だ?/どん底の結婚/法事婚/在宅の仕事さがし/新居探し/クリニックに初受診/仕事もまあまあ、このままいけるか?/東日本大震災/避難してはみたものの……/治療のはじまり
第3章 治療する日々
クリニックに通う/薬を飲んでみて/福祉サービスを利用してみる/薄れていく不安と恐怖/減薬してみる/ソーシャルゲーム/どうする? ひきこもり/希望の未来へ
第4章 やってみてよかったこと10項目
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